独歩の独り世界・旅世界

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歴史的な日

このブログも数か月のご無沙汰である。ほとんど気力をなくしていて、おまけにコロナ禍の下、旅にも出られないからネタなしが続いていた。年齢的なものも含めて、ブログ自体が風前の灯火になっていて、ブログの閉め方、人生の仕舞い方が、目下の関心ごとになっていた。あらゆることがどうでもよくなっているのだ。予期せぬコロナウィルスの出現に世の中全体も疲弊してきている。先行不透明、希望が見いだせずにいる。ま、こんな兆候はすでにコロナ以前からあるにはあったが・・、、そんな停滞ムードを覆す出来事が突如昨日出来した。いや、正確にいうとこの出来事は、もうずいぶん前から予測されていたことではあった。時間の問題だ、と・・、しかし実現してみると思っていた以上の大騒ぎになった。ま、それはやはり、コロナ禍のうつうつとした日が続く今の日本の状況と決して無縁ではなかったと思われる。天才は、すでに4年前に華々しいデビューを飾り(デビュー以来無傷の29連勝も新記録)、30年ぶりのタイトル奪取最年少記録の更新は秒読みに入っていた。コロナ禍の下、日程の遅れもあって過密スケジュールの中、それでも現在の将棋界最強と言われる渡辺三冠を3勝1敗で降し見事に棋聖位を獲得したのが昨日のことであった。昨日から今日にかけてのマスコミ及びSNSの賑わいは尋常さを逸していた。しかしそれほど価値のある出来事であったのである。それは数か月ブログから遠ざかっていたわたしに、書かざるを得ないというか初めて将棋ネタを書かせる衝撃をもたらせたのは、この彼の偉業に他ならなかったのだ。

 

14歳、中学2年生でのプロ棋士誕生はもちろん最年少記録であった。その後の活躍は、過熱気味の報道で瞬く間に藤井フィーバーをもたらし、今や将棋ファンのみならず、その名を知らぬ人はいない、この沈滞気味の日本を席巻しているのだ。では何がそんなに凄いのか? これもすでに多くが語られつくしされている。彼の出現以来将棋ファンは増え続けているようだが、それでも未だ将棋はマイナーな世界、そんな世界の一少年棋士が何で国民的英雄に祭り上げられたのかを分析してみたい。もちろんわたしの非常に断片的な見方でしかないことは言うまでもないが・・、、

これまでわたしの知る限りの将棋史60年の間に、何人かの不世出の大棋士が誕生していた。わたしが実際を知る大棋士としては、大山康晴升田幸三、次の世代は我々の世代で、中原誠、そのあとが、谷川浩司、そして羽生善治と連綿と続く天才たち、で、その次がたぶん渡辺明と目されていたのが、昨日一足飛びに渡辺明越えをして、天才たちの系譜に名を連ねてしまったのが藤井聡太でした(sorry 敬称略です)。そう、まず将棋がべらぼうに強いのです、しかもまだ高校生です。いや、それ以前にも彼の瞠目すべき実績として、プロアマ参加の詰め詰将棋選手権にすでに小学生6年生時より並み居るプロ棋士を差し置いて5連覇を達成していることが挙げられます。これも彼の偉業の一つです。こうしてデビュー当時からプロの間からも天才と仰がれていた存在だったのです。しかし単に将棋が強いだけでは、こうも国民的ヒーローにはなれません、わたしは彼に自然に備わっている人柄、皆さん承知していることですが、決して飾らない、奢らない、高ぶらない謙虚な姿勢、どうしたらこんな聖人みたいな若者が育つのか不思議なくらい、素晴らしい人間性がにじみ出ている、これはひとえに彼の天分もさることながらご両親の育て方の賜物ではないかと推測します。生まれるべくして生まれた聖人君子のように思えてなりません。それは今の時代にあっては誠に稀有なこと、藤井フィーバーは時代の要請とともに救世主として出来したのだと思います。また彼の将棋には、解説者の説明を聞きながらですが、感嘆させられっぱなしで、いつも驚かされています。対局者も同じような感想を漏らしたりしています。今後が本当に楽しみで、その行く末まで見届けることはできませんが、人生の最後にこんな天才にまみえただけでも、この日まで生きてきてよかったという感慨があります。そして、わたしにこんなつまらないブログを書かせた藤井聡太の偉業に心から祝福のメッセージを送りたいと思います。

棋聖位獲得おめでとうございます ! 感動の日をありがとう ! ! です、、

いや、もっとましなものを書くつもりだったが、情けないことになってしまった。ただ初めて書いた将棋の話題、そう、わたしと将棋といったものを書きたかったのだが(前述の超有名な大棋士ではなく、あまり知られていない個性的な棋士のことなど)、なんか方向がずれてしまった。これは公開できそうもないから、下書きにとどめておこう・・と思ったが、いつか起死回生の一手(例えば昨日の3八銀)を狙って、不本意ながら公開しておきます、sorry ! sorry ! で、2020/7/16は歴史的な日となったのでした ! !