独歩の独り世界・旅世界

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8ヶ月ぶりの四国 五日目(最終日) しまなみ海道自転車旅~広島へ

  わたしは特にcyclistだったわけでないし、今更自転車にこだわりもなかった。しかし、今回の旅の下調べをしていたときに、このしまなみ海道が今やcyclistの聖地となっていることを初めて知ることとなった。が、そんなことよりわたしにとって重要だったのは、どうやってその日広島空港まで行くか、ということで、見た目では島伝いにいけばそれほど遠そうではなかったので、簡単に行けるのではと思っていた。ま、だから最初、それならこのルートは面白いかもしれないと思って帰り便を広島~成田にしたことはすでに述べたが、現実的に、ではどうやってとなったときに、今治尾道間を走るバスは見つけることができたが、どうも他に適当な手段がなさそうだったのだ。というのも今治尾道間を走るバスというのが高速バスで、もしあれば使おうと思っていた、いわゆる路線バスというのは走っていなかった。つまり、それは単に今治尾道間を短時間で結ぶというもので、料金が高かったばかりでなく、のんびり観光を楽しむバスとは言い難かったのだ。では、他に?となったとき、何やらこの地がcyclistの聖地で貸自転車があるという情報が、もしかしたらこれしかないかもしれないと、わたしに救いの手を差し伸べてくれた、ということだった。

 その日の朝、昨日使ったバスは8:46が最初とのことだったので、朝食をいただいてから8時半にチェックアウト、すでにバスは待機していたのだけれど乗客はおらず、わたしも少しあたりをぶらついてから乗り込んだが、結局前日もその日もそのバスの乗客はわたし一人であった。そのバスに合わせるかのように宮窪の観光案内所兼サイクルターミナルもオープン?ということで、9時前だったがすでに昨日の女性が出社していてオープンの準備中であった。改めて説明するまでもなく、すぐに手続きをして、自転車の用意をしてくれた。何種類かの自転車があったが、普通のママチャリタイプで、しかもギア付というのがあったので、それに決める。一日千円、保証金千円で、乗り捨ての場合保証金は戻らないという使用承諾書にサインして準備が整う、ヘルメットも貸してくれたのはありがたかった。お客が少ないからか、その女性はとても親切に感じた。なので、ほんとはツーショットで撮りたかったのだが、わがcyclistの姿を一枚だけ撮ってもらって、9:15に出発した。

5時ころ夜明け?
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この友浦が始発のバスはすでに待機していたが、相変わらず乗客はわたし一人だったImg_8629_2

遍路の白衣からcyclistiに衣替え、馬子にも衣装(カッコだけ)であるImg_8632_2

 最初に向かったのは、隣の伯方島へ渡る伯方・大島大橋、海沿いの道を右手に前日の村上水軍博物館で説明していた村上水軍の海城があった小さな能島を見ながら、道は平たんだから快適に進む。5分くらいで高さ40mくらいのところにかかる伯方・大島大橋の入り口着、思ったりより傾斜のない自転車用スロープが付けられていたので、ギア比を上げれば立ちこぎをせずに橋のレベルまで登れた。ここで一枚写真を撮って、橋を渡る、確かここは原付と自転車は同じ道だったと思う。途中に見近島という島に降りる道があって、ちょっと寄り道したが、折り返して登らなければならないのがわかってすぐに元の道に戻る。約1.1kmの橋を10分くらいで渡って伯方島に降りる。島の西岸伝いにしばらく行くと大三島橋が見えてくる。ここはけっこう長いアプローチの自転車専用道から入って約300mの大三島橋を渡る。眺め最高、大三島の岸辺までの下りも快適、下りきると今度は海を右手に眺めながら、大三島の東岸を北上するように走っているとすぐに隣の生口島とを結ぶ多々羅大橋が見えてくる。どうやらそのたもとに多々羅しまなみ公園というところがあって、そこにはサイクルターミナルもあるようだったので、そこで休憩をとることにした。そこまで約14km1時間20分で来ていた。のんびりした公園で、多々羅大橋の写真や、その公園に建つサイクリストの聖地記念碑の写真なんかを撮ったりしてしばし休憩、なかなかいいところなのだが、その日は平日だったせいか、自転車で走っている人はそれほど多くなかった。時間的にはまだ十分余裕がありそうだったので、サイクルターミナルの人に聞いて、大三島にある大山祇神社までの行き方を聞く、途中峠越えがあるが自転車道はちゃんとつけられているとのことだった。出発は11:00で山越えはけっこうきつく、神社まで7kmの道に35分かかった。ここの神社は今治の55番札所南光坊に隣接する別宮大宮祇神社の総社だったから、ご朱印もその隣にいただいて、同じ道を戻った。帰りの峠越えも疲れていた分きつかった。が、帰りも要した時間は35分でそのまま多々羅大橋の登りに取りついた。このアプローチはけっこう堪えて10分くらいかかった。途中の展望台で休憩しながらようやくのことで自動車道レベルに到達、そして1.5kmの橋を渡り終えたときがちょうど1時ころだった。この橋を渡っているときはもうだいぶヨタヨタした走りになっていたのだが、その脇を倍くらいのスピードで追い越していった同年輩のおっさんがいた。いや、元気な人はいるもんである、いや、わたしが軟弱すぎるのかもしれないが‥??、、それでも、その軟弱さの自覚はあったので、今回の自転車走破は、渡った先の生口島瀬戸田というところまでと決めてはあった。長いアプローチロードを快適に下り終え海岸通りにでると、生口島の西岸の平坦な道を北上、途中サンセットビーチというところで少し休憩を入れ、そこからは15分で瀬戸田観光案内所兼サイクルターミナルに到着、そこで自転車を返却した。結局借りたのは4時間半、走行距離は40kmというところか?いずれにしろ疲れたけれどたいへん気持ちがよかったのは確かだった。わたしはむしろサイクリングを楽しむというより、第一目的は移動のためであったのだから、その意味でこの選択は正解だったと思ったし、その上cyclistの聖地を走れたのだから、満足感ひとしおというところであった。観光案内所で瀬戸田のコンビニの場所を聞いて、近くの公共トイレで着替えをして、瀬戸田の街を歩き始めた。

宮窪から橋の入り口までの間に鵜島と能島が見えていた(能島については観光案内所の女性が教えてくれたもので、写真を撮るときにそこを背景に入れることを勧めてくれたのだ);2枚Img_8633Img_8634

奥に見えている橋は伯方・大島大橋Img_8635

伯方・大島大橋までは意外と近かった;2枚
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橋をくぐって少しいくと自転車道の入り口と案内板があったImg_8639
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アプローチロードを登って自動車道と並行に走る橋のたもとに、、Img_8641

橋の途中から能島と鯛崎島Img_8642

伯方島に降りて普通の道を走っていたら左に造船所があったImg_8643

伯方島から大三島に渡る大三島橋(ここまで宮窪から45分)Img_8644

大三島橋を渡って島の一般道へ降りていく途中から渡ってきた大三島橋を写すImg_8647

岸辺の道に降りて少しいくと次の橋多々羅大橋が見え始めるImg_8648

多々羅しまなみ公園で休憩(11:35着写真を撮ったりサイクルターミナルの人から情報を聞いたりして11時出発)Img_8650多々羅大橋Img_8651cyclistの聖地の碑

大山祇神社;5枚Img_8652一の鳥居Img_8654境内Img_8657天然記念物の楠

Img_8655Img_8656拝殿

多々羅しまなみ飛公園に戻って多々羅大橋の長いアプローチロードを登る、途中に展望台があって、そこから公園全体が見下ろせた
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漸くの事で橋のレベルに到達Img_8661

多々羅大橋を下って一般道に、そこから多々羅大橋を振り返るImg_8662

ここにもサイクルターミナルのあったサンセットビーチImg_8664



 この瀬戸田というところは、単なるサイクリストの基地にとどまらず、観光案内所でもらった地図を見るまでもなく、見どころの多いところのようでけっこう観光客でにぎわっていた。ただその範囲は狭く、観光案内所の目の前が平山郁夫美術館、その裏手に耕三寺というお寺とそこの収集品、美術品を展示してるという耕三寺博物館、少し離れた丘の上に建つ向上寺というお寺の三重塔は国宝に指定されているとか、いずれも入場はしなかったが、十分に観光地瀬戸田の雰囲気は感じられたのであった。わたしが向かったのはコンビニだった。わたしは山歩きでも、お遍路でも行動中はほとんど水を飲まないから、やはり喉の渇きはあったのと、もう2時に近かったから何か腹に入れようと思ってのことだった。コンビニは三軒あると教えてもらっていたから、その中でベンチのあるところにしようと決めていたら、一軒目一番近いところのコンビニにそれがあったのでそこでビールとカンのコーヒーと冷や麦とおむすびを仕入れ(これで800円はかなり安かった)、コンビニのテーブルを借りて食事とした。けっこう寛げて、1時間くらい一人宴会をやってしまった。わたしがこの瀬戸田を終着としたのには訳があって、もちろんしまなみサイクルロードはここから尾道まであと30kmくらい続いていたが(だからわたしが走ったルートは全体の半分にも達していなかったはずだ)、体力的なこともさることながら、わたしの目的地が広島空港だったことがその理由だった。最初に調べていたころは、広島空港への行き方としてはしまなみ海道(自転車orバス)→尾道(JR)→三原(リムジンバス)→広島空港が一般的なようだった。このうちの最大のポイントは予約してある飛行機に乗るために三原駅から何時のリムジンバスに乗らなければならないか、ということで、それは三原駅前発16:45のバスだった。それから逆算していくと時間的な余裕がそれほどないことがわかってきた。そうこうするうちにいろいろ調べていて、船があることを知るに至る。前にも書いたが瀬戸内の交通はやはり船が主役だったということをこの時も知らされた想いだった。その船が瀬戸田発三原行というボート(高速船 30分820円)で、瀬戸田発15:45に乗れば間に合うことがわかったのである。そのルートなら瀬戸田からは三角形の一辺をいけばいいことになって、時間的にも料金的に体力的にも省エネルートだったのである。で、そのつもりでいたら、瀬戸田到着が思いのほか早かったので、もしその気になれば、二本早い船14:00発にも乗れないことはなく、次の15:05には確実に乗れたのだったが、コンビニで一杯やっていて気づいたときにはその時間にも間に合わなくなっていた。もっとも早い船でいったとしてもその分三原駅か広島空港で時間潰しをしなければならないことになって、結局は同じことであったが‥、、なので街ブラもせず、観光スポットにも寄らずコンビニを後にしたのは15:20で、歴史を感じさせる通りを港に向かう、誰もいない桟橋で15分ほど待って、15:45の船はわたし一人の乗客を乗せて瀬戸田港を後にした。一ヶ所だけすぐ近くの沢という港に寄ったが、そこからの乗客も一人だった。二人きりの乗客を乗せた高速船は16:13に三原港着、三原駅はそこから上陸して5分のところにあった。途中から乗船した会社員風の中年男性も同じリムジンバスの客だった。

この写真の右下のテーブルで寛いでしまった、、Img_8665

港に向かう途中耕三寺を覗いてみた;2枚Img_8666Img_8667

しおまち商店街にこの時人通りは少なかったが、古風なたたずまいの家並みは趣のある通りだった;3枚Img_8669Img_8670Img_8672

瀬戸田港のある海辺にでるImg_8673Img_8674ボート乗り場と観光案内板Img_8675

わたし一人の乗客を乗せて出航Img_8676

三原港に近づくImg_8681Img_8683三原港が見えてくる

下船後桟橋と乗ってきた高速船Img_8684

ここにも観光案内板が、、
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大通りを一本渡るとすぐにJR三原駅Img_8686


 三原というところはわたしは初めてだったが、街を散策する時間はなかった。駅の裏手にあった三原城跡というのが気になったが、ちらっと眺めて終わり。広島空港も初めてで40分くらい走った内陸?けっこう標高もありそうなところだった。spring airも初めてで安いticketのわりに荷物制限がなかったので、jet starのように重量を気にすることはなかったが、機内持ち込み手荷物の制限が5kgとあったので、不要なものは預ける必要があった。これが成田でも荷物待ちをしなければならなくなるという面倒を感じることになる。それでもこの飛行機は満席、ま、広島という重要都市を結んでいることもあってか稼働率はjet star高松便なんかよりはるかに高そうだった。離陸は若干遅れたが、成田着は21:10で、荷物待ちがあって21:30の電車には乗れず、22:19の電車で23:05千葉着、けっこう満足げに(所詮わたしの旅は自己満の旅でしかないのだが)今回の旅を終えたのだった、、

駅裏の城址公園?Img_8687Img_8688初めての広島空港

 こうして、今回の5日間の束の間の休暇、束の間のお遍路行をお伝えしてきたが、ま、相変わらず文才なく尻すぼみの状態で終わることになった。悲しいかな、これでまたネタ切れである。民泊は何とか好調だが、こちらの方は今後の見通しは暗い、もうそろそろ閉鎖するしかないかと思ってるところである。次はいつになるか?、ただし苦し紛れの駄文もネタがなかれば書きようがない、ますますじり貧となっていくことだろう、、ということで感謝の言葉は述べておこうと思う、、ここまでのお付き合いありがとうございました、、! !