独歩の独り世界・旅世界

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一年ぶりのお遍路 3,伊予大洲、宇和島、別格8,6,7番、41,42,43,40番

    特にその方法、廻り方、順番に決まりがあるわけではないということを最初に聞いていたので、わたしは元来の性格から、かなり自由に、ある意味いい加減な廻り方でこれまできていたのだけれど、それは今回のお遍路にもいえて、一応逆順で打ってはいたが、歩いたり自転車を使ったり、バス・鉄道も大いに利用しての、それこそ伝統的かつ正統的?正道な通しの歩きお遍路からすれば、ま、邪道に近いものであるという自覚はあった(ま、建前としてはそうなのだが、その手段というか廻り方については、誰もがわかってて言わないことの一つに、その霊験というか功徳?効果というものに結果として歴然とした差がでるように経験上思う)。で、今回の旅たちの時点では、たぶんに志の問題ではあるのだけれど、わたしは体力的限界を理由に、公共交通機関をおおいに利用するつもりでいたので、前々日に求めたJRフリーticketも最初からそのつもりでいたのだ。そのフリーパス(トクトク切符)は松山~高知間の乗り放題ticketで、特にこれは利用価値ありと思ったのはJRの特急乗り放題は当然のこととして、JR路線のないところを民間のバス路線がカバーしており、伊予鉄南予バス宇和島自動車、高知西南交通バスなどが乗り放題だった点にあった(ちなみに有効期間は4日間で6500円だった)。

 3日目の朝、朝食に名物のうどんをいただいてからそのBHを7時半にチェックアウトした。駅までは5分くらいだったが、そのticketについて確認しておくことがあったからだが、改札できいた返事はかえって間違ったものでそれが後からの計画に少々影響が出ることになった。ま、それはのちの話として、その日の予定は松山発の特急でまず伊予大洲というところまで行くことにあった。最初の時は前回も述べたように、通しではなかったが歩き遍路を目指していた。そして今回と同じく53番から打ち出して初日に46番のまで打って二日目に三坂峠という山越えを経験した。その時すでに二日目にして足裏に豆ができてしまって(テーピング等の対策をとっていなかった)、確か5日目に歩けなくなってバスを利用せざるを得なくなっていた。本来ならばその5日目に歩きで大洲というところまで行く予定だったそこへ(結局その時はパスしてしまっていた)特急列車で向かったのだ。伊予大洲着8:45、この時は最初から公共交通機関利用のつもりだったから、駅から4km弱?のところにある別格8番十夜ヶ橋へもバスがあるなら(フリーticketが使えるはずだったから)利用するつもりでいた。で、実際にバスはあったのだが、時刻表を確認したところ路線もバス停も全く不安内で、どのバスがそこへいくのかわからず結局歩きだしたのだった。思ったよりその道のりは長くて45分くらいかかったから、実際は3kmくらいだったのかもしれない、途中路線バスに追い越されたが、それが十夜ヶ橋を通ったのかどうかは定かではなかった。そこを打って同じ道をまた歩いて引き返す、二本後の特急に乗れるか心配になって少し急いだら15分の余裕を持って到着、10:50発の特急は11:33に宇和島に着いた。宇和島は駅近くにあるという別格6番龍光院を探す。一本路地を入ったところに長い階段があって、それを登り詰めたところ、宇和島市内の展望が素晴らしいところだった。さすがにお遍路さんに会うことはなくわたしひとりの参詣・納経だったのだが、思いもしななかった幸運に恵まれる、なんとなればいい年して、そこで墨書を認めてくれたたぶん住職の奥様の、心優しくもその美しさにすっかり心を奪われてしまったからであった。これは僥倖と言わずしてなんと表現できようか?心躍らせて長い階段を下ったのであった。

大洲駅とバス停

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片道3km?を歩く、別格8番十夜ヶ橋(永徳寺);2枚

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橋の上は杖を突いて歩いてはいけないという伝承の発端の場所、お休み中の大師像

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大洲駅からまた特急で宇和島まで、車窓;4枚

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JR宇和島

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別格6番龍光院;4枚

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宇和島城(望遠で)

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 駅に戻って約1時間の列車待ちで、7-11のパンとコーヒーを待合室で昼食とし、その日の宿、友人のT氏にtelを入れる。大学時代の仲間で4年前の初お遍路の時もお接待していただき世話になりっぱなしだけれど、宇和島に来たらいつでも寄ってくれという言葉に甘えっぱなしなのである。もちろん今回も数日前から連絡を取り合っていて、その日の状況を説明した。今、宇和島駅にいること、13:17の列車で伊予宮野下というところまで行って、そこから41番龍光寺を打って42番仏木寺まで歩くので、たぶん15時過ぎに仏木寺の納経は終わるだろうから、そのころ仏木寺で拾ってくれないかとお願いする。ほとんどその時間で経過し、15:15に仏木寺駐車場で再会することができた。そこでさらに新たなお願いをしてしまった。実はそれ以前の打ち合わせでは、次の日朝一で彼の家を出発し、43番明石寺を打って、別格7番金山出石寺まで連れてってくれないかと頼んであった。もちろん快諾してくれていたが、どのくらいの時間がかかるか不明だったので、もしその日のうちに43番を打てるなら、先に行ってしまったほうがよくないかと相談してみたのだ。そこから車だと15~20分くらいで明石寺まで行けるとのことだったので、なら行ってしまおうということになって、彼の家とは逆方向になってしまったが、最初の時は歩いて超えてきた歯長峠の長いトンるネルを経由して明石寺へ、そこを打って、伊予宮野下からだと車で5分くらいの彼の家に着いたのはまだ17時前であった。それから風呂をいただいてから旧交を温めたというか、彼の奥さんの心づくしの手料理と(以前もそうだったが)大酒の接待をいただいてしまったのだった。

ローカル線は緑深き樹々の間を縫っていく;2枚

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宮野下から龍光寺に向かう、この辺りは三間米として有名な米どころ;2枚

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41番龍光寺;5枚

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龍光寺から山越えしてバス通りに出たところ、実はこの車道から左に入る細い道があって(下の写真)それが42番から41番に至るルートなのだけれど、4年前の逆打ちの時、何の道標なくそれを見つけられず大変苦労したのをよく覚えていたのでこの写真を撮った。

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42番仏木寺;4枚

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43番明石寺;4枚

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証拠写真;わたしと友人(下)

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 翌朝、しっかりと朝食をいただいて、奥様に丁重にお礼を述べて彼の車で別格7番金山出石寺に向かってもらった。いや、最初にこの別格に行こうと思った時、果たしてどうやって行ったらいいのか見当もつかなかったのだ。いわゆる別格20霊場は行き着くのに厳しいところが多く、その中でもこの7番は800mをも越える出石山の山頂にあって、以前はバス便もあったように記されていたが廃線になって久しく、大洲から徒歩5時間との表記が例の歩きお遍路のバイブルには載っていて途方に暮れていたのだ。それで厚かましすぎることは承知で、だいぶ前に彼に打診してお願いしてみると特に難色を示すわけでなく、お安い御用と引き受けてくれたのだった。しかし、やはりそれはとんでもない道だったのだ。一度行ったことがあるというので彼に任せたのだけれど、どこを通っていくのかと興味深く助手席で見守っていると、30ふんくらい走って高速を降りたところは、なんと前日に3km歩いてたどり着いた別格8番の十夜ヶ橋だったのだ。そこから肱川にそって海のほう、伊予長浜というところに向かって、途中から左折して肱川を渡って山へと入っていった。後で聞くところによるとこの道が最もアプローチしやすい道だったとのことだったが、やがて道は狭まり、おそらくあと10分くらいのところまで登ったところで、交通整理のおじさんにこの先工事中につき、約1時間待ちと告げられる。そんな馬鹿な!?しかし怒っても始まらなかった、彼と1時間待つか、他の道からアプローチするか協議して、わたしには道はわからなかったが1時間も待つくらいなら別の道を行こうということになって、再び彼に任せて山を下る。そしてまた肘川を渡って、左折して伊予長浜から太平洋岸の景色のいい道をいって八幡浜にで、今度はとんでもなく狭い道から登り始めた。結局1時間待ったほうが早く着いたかもしれないが、それでも10時にはようやく出石寺に到着、ま、順調にくれば1時間半できたかもしれないところ宇和島から2時間半かかっての到着だった(予期したわけではないが、前日に明石寺を打っておいたのが正解となったのであった)。こんなところまで来る人がいるのかと、ほんとに厳しい別格霊場を実感したときに、なんと先客がいたのである。まだ若いお遍路さんで、大洲から歩いてきたといっていた。凄い ! 思わず感嘆の言葉がついて出た、まさに黛お遍路は、今回それまでにあまり出会っていなかったのだけれど健在だったのである。その日はあいにくの曇天で、晴れてれば素晴らしき眺望が拝めたはずの山頂は寒さに震え、温かいうどんがとてもおいしく感じられたのだった。

この道(28号線)は最もアプローチのいい道だったが、この先工事のため通行止めになっていた

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仕方なくいったん山を降りて肘川に沿って伊予長浜(海の方へ)向かうf:id:dopponotabiroku:20190705214301j:plain

肱川河口にかかる有名な?長浜大橋

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宇和島から車で2時間半かかって(ロスタイム1h)ようやく出石寺入り口

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別格7番出石寺;9枚

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 その日の天気予報は当たって、下山途中から雨になる。八幡浜からはJRを利用するつもりだったが、待ち時間が結構あったので、いずれにしろ宇和島へ戻るからというので、JR宇和島駅まで送ってもらって、何もお礼のできぬままT氏と別れる。そこからはフリーticket利用で宇和島自動車12:50のバスに乗れて、40番観自在寺近くのバス停が14:00ころ、そのあとの宿毛行きはしばらくなくて結局宿毛到着は16:15になってしまった。ま、それでもこの間のバス代が1800円ほどだったのでこのticketの威力は抜群だったのだ。すでにその辺までの時間も読めていたので、出石寺からの下山途中で、その日の宿を決めていた。次の39番延光寺が打てないのは明らかだったから、延光寺そばの民宿にその夜の宿をお願いしていた。宿毛からは高知西南交通バスが利用できたので、バスで延光寺近くまで行き、雨の中民宿まで歩いてそこに到着したのがちょうど17時だった、、

雨の観自在寺;5枚

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