独歩の独り世界・旅世界

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タイ・ラオスの旅 その5, ルアンプラバンLuang Prabang 初日

 ルアンプラバン Luang Prabang はラオスに二つある世界遺産のうちの一つである。その表記は今ではルアンパバン Luang Phabangの方が一般的かもしれないが、世界遺産になる何年か前に一度訪れようとして、その時に覚えてしまった呼び方ルアンプラバンをわたしは使わせてもらっている。また同じく、ここを今回の目的地にしたのは、世界遺産だからでなく、その時(25年位前?)目的が叶わなかったことが最大の理由となっていた。ま、いってみればリターンマッチのようなものであった。わたしはだから近年この街がツーリストで溢れているという話を嘆かわしく聞いていたのだ。ここだけでなく、世界遺産に登録されるとどこもツーリストで溢れ、それ以前に持っていた魅力が損なわれてしまう例をいくつも知っているからだ。そう、須く愛しき街・場所へはお墨付きが出される前にいっておくべし、なのである。この場所はわたしにとっては失敗例として残っていたのであった、、

 その日はまず両替所を探した。コーヒーで寛いで一休みしてから、出かける前にそのホテルの場所を聞いた。が、それがわたしの持っていたガイドブックにあった地図のどの辺に位置しているのかはよくわからなかったのだった。ま、それは少し歩けばすぐわかるだろうとオーナーに確かめずに当てずっぼで歩く気だしてしまった。宿の前の道は標識が出ていたのですぐわかったが、なんかいわゆるこの街の中心街からは相当離れているような気がした。それは距離感の問題だから、宿の周りを歩くことによって距離感と方向感覚はつかめると思って30分くらいうろついたが、目印になるような建物はなく(見つけられず)、はっきりいって迷ってしまったのだ。で、いったん宿近くに戻って、その通り沿いにあった銀行でとりあえず両替した。その時10000円替えたのだけれど手にしたのは713000kp(前述の10000kp=140円はここから換算)、手続きそのものはパスポート提示だけでいたって簡単だった。それで近くのお店で飲み物を買って宿に戻る。何しろ暑いところで30分歩いただけでもう疲れてしまったからだ。そして2泊分200000kp払って部屋に戻り、またシャワーを浴びて休憩、この時再び地図を眺めてようやく失敗に気づくのである。ま、なり行きで仕方なかったとはいえ、普通ならやらないミスを犯していたのだった。つまりターミナルから市街までの足代をケチって彼らの好意に甘えてしまったからこうなってしまったのだけれど、あの場で礼をいって別れ、自前でトゥクトゥクのドライバーと交渉して、然るべき場所、つまり街の中心から近く、それでいて経済的なホテルに連れていってもらうという旅の常道を踏まえなかった結果だった。せっかく好意で連れてきてもらったところを意にそわないからと断りたくなかった、いや、断れない状況を自ら作っていたということだった。結局そこは街の中心からとんでもなく離れているところだったことをその時知るのだが、そこに着いたときにそのホテルの場所の確認を怠った結果でもあったのだ。それでもすでに支払いをしてしまったし、ここの滞在予定は2日しか余裕がなかった。なのでともかく世界遺産の街の市内巡りだけでも一応しておかないとと再び外出した。その時は方向も距離感もつかんでいたが、この暑さのなか3~4kmを歩くのはどんなものかと流石に躊躇いがあった。宿のオヤジにトゥクトゥクだと中心までいくらくらい?と聞いたが、10000ksくらいという答え(たぶん地元の人はそのくらいなのかもしれない?)、しかし実際交渉してみると最初は30000kpといわれるが、だいたい15000kp~20000kpで市内移動が可能ということがわかってきた。その朝最初に捉まえたドライバーは30000kpといってきたのでそれは断って、次に来たドライバーと交渉するとやはり30000kpといってきたが、さらに粘ってみると15000kpまで下がった。なので即OKして乗り込み、ルアンプラバンの中心、メコンとナムカーン川Nam Khan Riverに囲まれた半島の突端にあるワットシェントーン Wat Xienthongという寺院まで行ってもらった。そこがもっとも遠いところかと思われたからで、そこから街ブラしながら帰りは歩いて帰ろうと思ってのことだった。この暑い街もトゥクトゥクは風を切って走るのでさわやかで気持ちの良い乗り物であった。そうやって街見物しながら実際街の中心からいかに遠かったかを知るのであるが、中心に近づくにつれお寺Watやレストラン、ゲストハウス、そしてツーリストが大勢いるのを目にし、ナムカーン川沿いのフランス植民地時代の街並みといっていいのか、その風情はとてもよかったし、川沿いの道はたいそう美しかったのである。やっとルアンブラバーンまできたか、という実感がようやく湧いてきたのであった。

朝、宿の近くをぶらついたときに見つけた竹細工、籠製品の店?、こんな店はそのあと中心部にいったときには目にしていない、、Img_6378


 Wat Xiengthong寺院はこの街を象徴する寺院とかで、入場料20000kpほど徴収された。格式があって、本堂及び霊柩車庫は見ごたえがあったが、特に寺院に興味があったわけでないから、そこそこに引き上げる。というか、そこからルアンプラバン歩きが始まったのである。ちょうどその地が半島のような形状のルアンプラバン中心部の突端にあったから、そこからは引き返すような形でルアンプラバン中心部を歩き始めた、ということだった。トゥクトゥクは半島のナムカーン川沿いの通りをきて、真ん中を走る大通りサッカリン通りSakkline Rdで降ろされ、そこから寺院に入ったので、反対側の入り口から出るとそこにメコン川がドーンと流れていて、その風景も十分に絵になるものだった。そこから半島をぐるっと回って再びサッカリン通りを、たぶんルアンプラバンの中心といったら、かつての王宮を博物館として公開しているルアンプラバン国立博物館ではないかと思われるが、そこに向かって歩いていく。この通りがルアンプラバンのメインストリートである。ほとんど車の通らない広い道をのんびり歩いていくと、だんだん両側にレストランや土産物屋、それも高級なつくりのショップといった感じの、いってみればツーリストエリアになっていくのである。しかし恐らく意図的に建築規制が施されていると思うのだが、大きな建物、けばけばしい建物は一切なく、いずれも瀟洒で粋な建物・商店が並ぶ、流石フランスの植民地だったことを偲ばせる洒落た感じの街並みが続いていた。なるほど世界遺産納得なのだが、いずれの商店・街並みも、その結果であって、その前にこんな賑わいはなかったはずである。おそらくbefore/afterの写真があったら驚くにほどの違いを見ることだろう。それでもきちんと節度を保っているところは、ここがラオスのドル箱であるからのようにも思う。3時間くらいで中心部を一通り歩いたが、わたしは最大級の評価を下した。その第一の理由は、これだけの街に信号機が一つもなかったからであった(以前にも書いているが、これはわたしの独自の基準で、わたしにとっては最も重要なチェック項目となっている。わたしの愛すべき世界遺産の街グアテマラ/アンティグアもこの基準をクリアしている)、、

Wat Xiengthong ;4枚、ここでは日本人ツーリストの姿を見かけたImg_6386
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Img_6381実際1960年の王様の葬儀に使われたという霊柩車

Wat Xiengthongを出ると目の前にメコンが横たわっていた、、右に見える支流がナムカーンNam Khan川との合流点(下の写真も)
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半島の突端は公園になっていてナムカーン川とメコンの出合い部分(この写真では奥がメコン)
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サッカリン通りSakkaline Rd. まさにツーリストエリアのど真ん中、メインストリート;2枚 とてもいい感じの街並みだった、、世界遺産納得!?
Img_6392Img_6393


 ちょうどルアンブラバン国立博物館の敷地に入って少し休んでいると、突然係の人から出ていくようにと追い払われてしまった。最初、どういうことかわけわからなかったが、どうやら昼休みということらしかった(あとで11:30~13:30閉館とガイドブックにもあったのを知る)、その先にあったインフォメーションにも寄ってみたが同じく閉館になっていた。しかたなく、というかすでに相当疲れていたので、ちょうどその前辺りにあったサンドイッチ屋さんの屋台群(10軒くらい並んでいたか?)がちょうどいい休憩場所兼昼食場所となった。いや、ここのフランスパンのサントイッチも旧フランス領インドシナはどこでもそうだったが、やはりうまかったのである。しかも、他の物価に比べると非常に安く感じられた。わたしはそれまでの支出でラオスの物価はタイより高いのではないかと感じていた。が、そのボリュームたっぷりのサンドイッチが10000kp、Beerlaoロング缶が10000kpで昼食代として20000kp=280円は、その味・ボリュームに満足したからかむしろ安いと思ったのだった。それと、ちょうど今はオフシーズンと見えて観光客はまばらだったから、その場に1時間ほどいさせてもらえ十分に休息できたことも満足感を覚えた要因だったのかもしれなかった、、

ルアンブラバーン国立博物館敷地内の寺院 Wat Ho Prabang、この写真を撮った後追い出されたので博物館は入れなかったImg_6394

サンドイッチ屋台群なかの一軒の店で昼食
Img_6395



 少し体力が回復したので、その近くにあったブーシーPhousi Hillに登ってみる気になった。いや、ここルアンプラバンも暑いところで、日中はほとんど動きたくなくなる、動かないほうがよさそうだったのだが、ここだけは登っておかないとと、というのもその150mくらいの丘の頂上からはルアンプラバンの街が一望のもと見晴らせるところだったので、オノボリサンとしては外せない、わたしが最もルアンプラバンを象徴している場所ではないかと思ったところだったからだ。そこへは大汗をかきながら、途中休みながら、やはり30分くらいはかかったと思う。途中にゲートがあってそこで20000kp入域料をとられたが、苦労した甲斐、支払った価値は十分にあったと思う。そこからの写真が撮れたのでルアンプラバンはもういいか、と思ったくらいだった。その狭い頂上にはお堂があってブッダが鎮座しており、そのお堂の上は仏塔が建立されていた。風が通って気持ちの良いところだったし、眺め最高でしばらくその地で休憩を兼ねてボケーっとしていた。最初に着いたときには絶好のView Pointを欧米の若者に占拠されていたが、そのうち彼らも下山して、しばらくは我一人30分もそこにいたか、そのうち新たなツーリストが登って来たので下ることにした。登りは国立博物館前の登山路を登ったが、帰りは反対側へ降りる道があったので、そこを下った。その道は午前中にトゥクトゥクで通ったナムカーン川沿いの道に通じていた。降りたったところはトゥクトゥクから眺めててなかなか美しいところだな、と思ったあたりだった。で、今度は川に沿って平坦な道を少し歩いてみた。しばらくは左が山で右にナムカーン川を見下ろしながらという、とても素敵な遊歩道だった、そのうち山が切れて左側はホテルやゲストハウスが建ち並ぶ道となった。それがまた小洒落たホテルだったり昔のフランスの館風な建物だったりした。このあたりのホテルにすればよかったと思いながら、かなり古ぼけた昔の館風ゲストハウスがあったので、参考までにと断って一泊いくらかと聞いてみたのだった。すると暇そうにしていたそこの奥さん(もちろんラオス人)は一泊60000kpといったのだ。えっ?わたしは耳を疑った、聞き間違い?、一ケタ違う? もう一度sixty thousand?と聞いてみると間違いないという、どういうこと?、その時は移るつもりはなかったから部屋を確認せずに、もしかしたら明日くるかもしれない、とだけ言ってその場を去った。そしてそこからは朝トゥクトゥクで来た道を歩いて帰った。1時間くらいかかったと思う。くたになったが、宿の近くの店でBeerlaoと飲み物を購入(16000kp)し、宿に帰ってシャワーを浴びてビールを飲んで昼寝となった。

Phousi Hillの麓にあった寺院Wat Pha HoaukImg_6396

Phousi Hillからの眺め;5枚 Img_6397Img_6401東(というか東南東?)方向2枚、下の写真は上の写真の方向を望遠で

南方向
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西方向にメコン川Img_6399

たぶん北方向Img_6400

Phousi Hillを下ってナムカーン川の畔からImg_6391_2このあたりの感じがとてもよかったので、ちょうどその前にあったゲストハウスに飛び込んでみたのだった、、



  夕方目覚めてから、久しぶりにmailのチェックをした。が、エアコン完備で気の良いオーナーだったし、すでに2泊分も支払ってしまったこともあって、先ほどのホテルに移るつもりはなかったのだが、決定的な理由を見つけてしまったのだった。WiFiは設置されていたが電波が弱く全然入らなかったのである。すぐにオーナーのところへいって、ちょっと怒りを込めて、WiFiが入らないから明日移りたい、先ほど払った一日分はキャンセルにならないかと切り出したのである。気のいいオヤジ(わたしと同年齢)は渋々だが了承してくれ、100000kp戻してくれたのだった。隣りにいた奥さんは血相を変えていた。

 少し暗くなりかけて涼しくなりかけた頃、ここのナイトバザールが有名とのことだったから、また1時間かけて昼間歩いたあたりまで行ってみた(つまり歩いたのだ)。そこでは結構ツーリストの姿を見たが(やはり中国人が多かった)、バザールの商品そのものはあまり興味をひくものはなかった。それでも夕方からオープンするという屋台の食堂街があって、そこは大変な人出で賑わっていた。おいしそうなものが並んでいたが、あまりの混みようで気がそがれ、帰り道適当なレストランを探しンながら戻る。宿の近くで見つけたそこは、どこにでもある普通の食堂といった感じ、で、初めてのラオスの食事はガイドブックにでていたカオソーイ<15000kp>を写真入りメニュウで確認して注文してみた。それとライス代わりのもち米<5000kp>とBeerlao<10000kp>を追加して全部で30000kp、安くてうまかったのだけれど、ひょっとするとこのメニュウならタイの方が安いかもしれないと思ったのだった(タイだったらたぶん100B 330円くらい? : ラオス 30000kp 420円、日本だったら1000円くらいか?)、、

夕食に入った普通の食堂でカオソーイとライスとビールを頼むImg_6405

<ルアンプラバンは一回で終わらせようと思ったのだけれど、また例によってグタグタと書きつらねてしまって - ほんとに文章が下手でスミマセン - もう一回続きを書かせてもらいます、、>