独歩の独り世界・旅世界

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2巡目の四国 3日目、81番→82番→別格19番香西寺、、


 三日目の予定も決まっていた。この日は予算本線鴨川駅から、前回相当厳しかった想いのある五色台(81番白峯寺は白峰山、82番根来寺は青峰山の名がある)に登って、81番82番を打って別格19番香西寺まで歩く予定でいた。で、最初から鴨川駅までは電車を使い、香西寺からは高松駅にでるつもりでいたが、その間は歩くか(歩けるか)どうかは未定だった。が、いずれにしろその日の宿は高松駅付近になるだろうと、すでに駅近の安宿を予約してあった。そんな予定だったので、ここ丸亀に宿をとったのも、安かったということもさることながら、できるだけ予讃本線沿いでしかも駅に近いところ、という条件に適っていたからでもあった。すでにいつものことながら5時には目覚めていて、10人くらい宿泊していたゲストハウスのゲスト(客)たちも少しずつ動きが見られたので(なにせカーテンだけの仕切りなので)、わたしも起きだして準備をすると、もう出かけるしかなかった。ま、どこのゲストハウスもたいていそうだが、出かけるときは勝手にというシステムになっているから、誰にも挨拶せずに6時ころ外に出ると、前日わたしが到着したときに先着していて、ここでたった一人挨拶と話を交わした若いお遍路さんがそこにいて、お互いに早いですねぇ、といった会話になった。彼はたぶん完全歩きのお遍路さんだったから、この時間から歩くのは当然として、むしろわたしが前日に話した予定より早いのに彼が驚いていた節があった。普通の遍路宿ならこの時間は朝食の時間だったから、駅のコンビニが開いていたら何か仕入れていくつもりだ、といって、お互いに頑張っての挨拶を交わして別れた。駅までは1分、駅にコンビニはあったがあいにくまだ開いてなかったので、鴨川までいってしまうことにし切符を買った。次の電車は6:28で鴨川到着は6:56だった。

丸亀駅は初めての下車だったImg_6109
Img_6111電車待ちしている時反対側に停車した特急いしづち?Img_6112鴨川駅無人駅?

 例の持参のガイドブックにある情報は、地図の縮尺に問題があるのとそこに記されている宿に廃業したところが多くなっていることに問題はあったが、確かにバイブルになるだけあって、あとの情報は極めて正確だった。つまり鴨川駅近くにコンビニがあることは、既に承知していて7時にはそこに着いていた。そこで朝食にパンとコーヒーを、昼食用におにぎりを2個購入し、そこの飲食スペースを利用させてもらい朝食を済ませた。どうでもいいことだが、前日からのゲストハウス泊でかかった費用は一泊二食で計算するとトータル3500円くらいだったから、ま、平均的な遍路宿泊の場合の半額?、内容等も考えれば単純比較はできないが、こういう手もあるという一つの経験であった。さて、そのコンビニを7:15に後にし、まず、その地図にあった番外霊場松浦寺というところを目指した。その地図からはその間の距離ははっきりつかめなかったが3kmくらいでなかったかと思う。山裾の平坦な舗道を歩いて40分、ちょうど一休みしたい頃にそこに着くも、入り口がわからず、うろうろする。と、その敷地内でおそらく檀家衆と思われる近所のおじさんおばさんが、草取りや清掃作業をしていた。で、ここは松浦寺かと聞いてみたが、きょとんとしている、ここは遍照院だといわれてしまった。すぐに了解したのだけれど、どうやらそこは正式には松浦寺遍照院というらしく、彼らは遍照院しか頭になく、わたしの地図には松浦寺としか出てなかったので、多少の混乱があったというわけだった。一応参拝したが納経所がわからず、ここの納経はパス、そして山登りにかかった。といってもしばらくは、そこから40分ほどは自動車道を行く。ちょうどその道がヘアピンカーブするところから、いわゆる登山道というか参道になって、ほとんど階段登りだったが、ま、150m20分ほどの山登りで81番白峰寺に着いてしまった。いや、その登りは確かにきつかったが、たった20分である、思いのほかというか、80番国分寺からの登りを思うと全然楽だったのである。鴨川からだと2時間?厳格な順打ち歩きお遍路さんはきちんと順番通りいくのであろうが、わたしのように順番にこだわらなけれは、少なくとも79→80→81→82→83は79→81→82→80→83の回り方の方がはるかに楽ではないかと思った。たぶんそんなことは誰もいわないであろうが、一応前回のこのルートに苦しんだのを思い浮かべての感想であった。

松浦寺に向かう路傍から、右の山が五色台へ続く山並みだと思うのだが、、Img_6113

番外霊場松浦寺遍照院Img_6115

Img_6116車道歩きで少し登ったあたりから、遠くに瀬戸大橋?

松浦寺から40分、白峰寺に直登する参道に到着
Img_6117Img_6118上と同じ場所、休憩所で少し休んで、歩きだして振り返って写す


 それでも白峰寺到着時にすでにわたしはそうとう疲れていた。巡拝と休憩に30分かけた。そして9:45にそこを発つ、10時に80番から登って車道をきて、自衛隊の敷地脇を下ってくる道の分岐、そこから山の中の道も平たんながらけっこう長い、なかなか十九丁の分岐に届かない、それでもそこまで休まずきて10:35着で10分休みを入れる。そう、この山歩きは結構きついのである。そこから一登りで車道にでる。車道を歩いていると前を男性二人女性一人の三人組のお遍路さんが歩いていて一人はくわえたばこで歩いていた。わたしは決して彼らに追いつけなかったが、しばらく行くと右にへんろ道を見つけたのでそっちに入った。彼らはそれに気づかなかったようでそのまま車道をいった。きっとこれでわたしの方が先着することになるだろうと秘かに想いながら歩いているとそのへんろ道はすぐに終わって、その出たところに先の3人は先着していたのだった。わたしはそれに少し驚いていると、その三人の一人に、根来寺にいくにはこの道でいいか聞かれたのだった。そこにはやはり根来寺に続くへんろ道の表示があったので、その通りだと訝しく思いながら答えると、ありがとうといってくれたのだが、その時になってわたしはもっと驚いたのだった。なんと彼らは外人さんたちであったからだ(そのあと彼らはフランス人だったことを知ったが)。完璧な装束、完璧な日本語で、後ろから見ただけでは完璧なお遍路さんなのであった。そして、そこからもわたしは彼らの後を行くことになったのであった、、根来寺着は11:20で、やはり白峰寺からは1時間半、けっこうきついルートである。それでも白峰寺もつらい思いしても訪れる価値のある札所たと思うが、この根来寺もやはり山の中にあって一昨年に訪れたときはちょうど紅葉の見ごろでとてもよかった。今年は青葉に覆われまさに青峰山?、81番、82番は素人ながらどちらも名刹というのか古刹というのか(つらい想いをするから余計)印象に残るいいお寺だと思う。納経時に香西寺に下る道を確認して、そこで少し昼食休憩をとる。出発は12時ころになった。

81番白峰寺;2枚Img_6119Img_6121この山門から入らなかったので、出たときに写す

分岐の十九丁、ここまで白峰寺からワンピッチ50分、疲れて10分休憩
Img_6122

82番根来寺;4枚Img_6123Img_6124ここは山門から入っていったん石段を下って、登り返して大師堂、鐘楼、納経時のあるところにでる。この登り返しが疲れた身にはけっこうきつい、、
Img_6125本堂Img_6126鐘楼と大師堂


 根来寺の山門から車道を少し下ったところに、香西寺道の入り口があった。そしてしばらくは、これも登りだったに大変だろうと思わせる、しかしとてもいい山道が下っていた。わずかながら山歩きの実感を味わいながら下っていくと、20分くらいでゲートがあって、それが麓の村との境界(たぶん猪防護の柵)となっていて民家がでてきた。果樹園の中を抜けるような感じで舗道歩きとなり、直接陽に照らされるようになった。ところどころにへんろ道の案内があってそれを頼りに下ったが一ヶ所間違えて迷ってしまった。結局そのルートは、もちろん例のガイドブックに記載はあったが、全くあてにならないというか、それぞれの辻まで細かい表記はないから、歩いている身からすれば出てくる標識を頼りにするしかなかったのである。それも逆打ちの場合多少ハンデはあっても88ヶ所ルートならば、その案内標識の類の密度は濃いのだけれど、別格ルートだとやはり心もとないものがあった。それでもこの香西ルートはしっかりしていた方だと思う。というのはこのときは、標識がなかったのではなく、それが植栽によって隠れてしまってわたしが見落としてしまったからだった。しばらくいっておかしいと思って戻ってそれに気付いたのであったが、ま、その桑崎池?下あたりはとてもわかりづらいところではあった。15分くらいのロスであったが、どうやら四国の道に戻れ、真下に見えている街並みとその向こうに広がる瀬戸内を見ながらやや下り気味の舗道を行く、、と、また一ヶ所わかりずらいところにでた。四辻で直前の標識に従うならまっすぐなのだが、右手にいく道の脇に立っていたカーブミラーの支柱だったかに、へんろ道マークの小さな貼り紙を見つける。直進か右かの判断に迷うも、右手は少し登り気味だったという理由だけで直進した。そこから15分くらいかかって、根来寺からは1時間半かかって、漸くのことで下のバス通りにでた。が、そこでまた迷う。そこには確かに四国の道(あるいは香西口だったか?)入り口と、これから登る人のため標識はあったから降りたったところとしては間違いなかったと思うが、途中にあると思っていた香西寺に行きつけなかったばかりか、そこからどっちにいけば香西寺があるのかの表示はどこにもなかったからである。相当疲れていたから、どちらにしろ逆方向には進みたくなかった。が、確かめようもなかった。手掛かりはないかと右方向に少しいくも確証得られずで、元のところに戻った。地図を一生懸命みて現在地を知ろうとしたが、持っていた地図ではそれも無理だった。しばらくうろうろして誰かが通りかかるのを待っていると、通りの向こうの家に動きがあり人がでてきた。少し大きな声で声をかけて聞いてみた。その人はこの辺のことがよくわからなかったのか、もう一度家の中に入ってわかる人と出てきて、右に少しいくと自転車屋さんがあるから、そこを右にいくようにと教えてくれた。それでもうひと踏ん張りして、漸く別格19番香西寺に着いたのだけれど、そのときはもう13:45になっていた。ちょうど縁日かなんかで、門前には露店が並び、地元の若いファミリーで賑わっていた。お遍路さんも何組か見かけた。そこの参拝を終え納経をすますと14:10だったから、時間的にはそこから確か6kmくらいの高松駅まで歩けない距離ではなかったが、すでに気力・体力ともになかった。というよりすぐ前の通りをバスが走っていることを知っていたし、少なくともバス・電車のあるところは必ずしも歩きにこだわっていたわけでなかったから、この時躊躇いはなかった。で、バス停に向かうべく門前にでると右からきてる道を見つける、直観的に少し手前で見たへんろマークの道をたどるとたぶんここにでたのではないかと思った。おそらく近道に違いなかった。が、それは今更なのでそこを辿って確かめることまではしなかった、というかそんな余力は残っていなかったのだった。バスは10分ほど待ってきて、そして15時ころには高松駅に着いていた(30分に一本くらいあるようだった)。駅近くのビジネスホテルに予約を入れてあったが、初めての場所だったので少し探し、コンビニでビールを買ってホテルのチェックインは15:15だった。ありがたいことにそのビジネスホテルはバスタブがついていた(ビジネスホテルに泊まったことがあまりないので、それは期待してなかったのだ)。小さなバスタブといえど、それはそれは疲れをとるには一番であった。そしてこのビールも正解で、それを飲み干して仮眠をとるべく横になる。が、疲れすぎて眠れず、結局夕食までなんだかんだ片づけやらmailチェックやらで瞬く間に時間は過ぎた。

山門から少し下ったところに香西寺への登山道はあったImg_6127Img_6128とても歩きやすそうな山道だった
Img_6130途中からの眺め

下って20分くらいでこの場所着く、このすぐ下にゲート(ここまでは快適な山歩きだった)Img_6131

ゲート(引き戸)を越えると民家がでてきて果樹栽培が多くみられた。森林を抜けたのでかなり明るく、というか暑くなって、それも疲れの要因となったImg_6132

別格19番香西寺;3枚Img_6133Img_6135Img_6136


 そのホテルが良心的だなと思ったのは、一つには夕食がついていたことだった。それも二食付きの値段がいつも泊まっている遍路宿よりも安かったことだ(その日がたまたまキャンペーン価格だったのかもしれないが?)。そしてその夕食の内容も悪くなかったこと、ビールはホテル内設置の自販機のビールの持ち込みが許されていたこと、また、これは次の朝の朝食だったが、バイキング形式であれもこれも食べたかったが、食べきれなかったこと、しかもその朝食時間が朝の6時半からで、ずいぶん細かい配慮が行き届いているホテルだと感心させられたのだった。駅近くで建物はまだ新しくてきれい、フロントもレストランの従業員も教育が行き届いているのか洗練されててスマートさが感じられた。このホテルは当たりだと思ったが、その割に宿泊客が少なかったのが不思議であった。わたしはネット予約だったので、その評価で満点をつけておいたが、やはり高松駅前辺りは競争が厳しいのであろうか?、、仮眠できなかった分寝つきは早く、20時には寝入っていたのではないか、夜半喉の渇きで下の自販機に飲み物を求めて降りたときに、夜勤の男性がフロアの掃除に専念していた。日本のホテルのレベルは競争が激しい故か高いのである。次の朝、十分に眠れ疲れもとれ、6時半からの朝食も目いっぱいいただいて、その日は遍路衣装は身につけずに7時を少し回ったころ、そのホテルをチェックアウトしたのだった、、