独歩の独り世界・旅世界

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2017 Guate y Mexico 14)ビリャエルモサ/ラベンダ遺跡公園~ベラクルス

 これまでわたしは5~6回はメキシコを訪れていたと思うが、その都度寄ろう寄ろうと思ってて行けなかったところがあった。それがこのビリャエルモサというところであった。では、そこには何があって、どうしてそこにいってみたかったのかを簡単に記しておこうと思う。それがここに寄り道した理由で、その目的は次の日果たせたのであった。

 タバスコ州の州都ビリャエルモサは大都市といっていいくらいの大きな街だったが、一ヶ所を除いて、たいした見どころはない街と思っていた。たぶんそれは当たっていたと思う。その一ヶ所というのがラベンタ遺跡公園Parque Museo La Ventaというところで、ま、そこも普通のツーリストにとってはどうでもいいところだったと思うから、次の日その公園を訪れた時にも外国人(メキシコ人以外)の姿を見かけることはなかった。そもそも外国人のツーリストは少ない街ではなかったかと思う。わたしが一度はいってみたいと思ったのは、その公園に展示されているオルメカ時代のものといわれる巨石人頭像を見てみたかったからであった。もともとラペンタLa Ventaというところは、このVillahermosaから真西に120kmくらいいったところにあるメキシコ湾沿いの遺跡で、その近くのサン・ロレンソ遺跡とともに、オルメカ文明の発祥の地といわれているところであった。その文明はだいたい紀元前1500~紀元前500年て全盛期をむかえたメキシコ湾岸の、今の都市でいえばCoatzacoalcos近辺で発祥し栄えた文明で、後のオアハカやマヤに大きな影響を与えたことで知られており、いわばメソアメリ古代文明の母体といわれてきたものであった。かつてわたしも訪れたことがあったメキシコのイサパ遺跡や、グアテマラのアバフ・タカリク、カミナルフユ、エルサルバドルの遺跡なども皆、その当時この文明の流れを汲んでいたのだ。で、そのLa Venta遺跡から出土した有名な巨石人頭像他を、20世紀の中頃にこのビリャエルモサにもってきて、そこをLa Venta遺跡公園として一般に公開していたのである。ただ、わたしはそんな考古学的遺物を見ても何もわからない、単なる遺跡好きの素人でしかなかったので、特にオルメカ文明に興味があったわけではなかった。わたしは、これは有名なので一度は写真等で目にしたこともあろうかと思うが、その巨石人頭像がどうみても黒人にしか見えなかったので、それを一度実際に見てみたいと思っていたのだ。本当にBC1500年、今から3500年前にその地に黒人がいたのか?ということに、その文明以上の興味をもち続けていた。そして不思議なことに、やはりアカデミックな学者・先生だからか、その疑問に答えてくれている説に未だ出会ったことがなかったのである。いや、誰もがそれを見て、黒人的特徴を認めながら、それについてのコメントは避けているかのように、もちろん証明は難しくから仮説、あるいは推測でもいいから誰か唱えてもよさそうなものを、それさえ寡聞にして知らずにきていた。これはかなり以前から持ち続けていた謎であったのである。

 ビリャエルモサに着いた次の日、早速出かけてみた。だいたいの場所はグーグルmapで調べてわかっていたが、ホテルのフロントにバスはあるのか聞いてみた。もちろん大通り沿いにあったから、バスもコレクティボもあったと思うが、その説明の煩雑さからかタクシー利用を勧めてくれた(後でわかったことだけれど、メキシコはタクシーが安かったからだったのかもしれないと、あとから思った)。わたしはタクシーに乗る気はなかったし歩いても2~30分と思えたので、街ブラを兼ね、2,3時間で戻るつもりで荷物は置いてホテルを出た。まず、最初にいったところはADOのバスターミナルで、ま、ADOの一等バスには乗るつもりではなかったけれど、一応パレンケ方面のバスの情報とベラクルスへのバスの確認だった(ベラクルスへは610ペソ~、6.5h~8.0h、パレンケへは174ペソ~、2.0h~2.5h)。そのあとは、昨日確かめにいったベラクルスへの二等バスのターミナルへ、前日は夜の夜行バスの確認にいたのだけれど、昼頃にはここを発てそうなことがわかって、昼前後のバス情報をあらためて聞きにいったのだった。それによると11:00があって、その次が13:00(つまりだいたい2時間に一本)で430ペソ、ベラクルスまでは6時間とのことだった。ちょうどその時9時ころだったので、たぶん13:00のバスに乗れそうだった。4時間あれば、そのあとの行動も何とかなると思われたからだ。で、特に急ぐ必要はなさそうだったので、そこからは歩いた。そして9:20に公園入口に着、入場料は40ペソだった。お客さんの少ない公園だったが見ごたえは十分にあった。で、その公園の模様は少し数が多くなるかもしれないが、順序通りすべて写真にて紹介していきたいと思う、解説はできないのだけれど‥、、

Villahermosaの繁華街Img_5625

その一角にADOのターミナルがあった;4枚Img_5626
Img_5624Img_5622Img_5623

ADOおよび2等バスターミナルから20分、その手前に美しいlagunaあり(名称不明)、この写真の左端辺りがParque Museo La Venta
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museoの入り口に巨石人頭像ありImg_5631

公園を入ってすぐにこんな部屋があった
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道順に沿って行くと、遺物が次々にでてくるが、ほとんど解説はできない、、
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ラ・ペンタ20号記念物;水棲哺乳類<イルカ?>Img_5636

空を見上げる人物;ラペンタ56号記念物Img_5638

動物園のワニ
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Img_5643テホン<tejon アナグマ>最初檻の中で飼われているのかと思っていたら、そのうち柵を乗り越えてきた、こいつは放し飼いだったのかもしれない

動物の彫像?Img_5644

人頭像(それほど大きくない);2枚
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ラ・ペンタ4祭壇(これはかなり重要な遺物と思われる.);2枚
Img_5649Img_5650

ラ・ペンタ1号モザイクImg_5652

物語石碑Img_5653

ステラ?Img_5654Img_5656

胡坐の人物座像Img_5657

ラ・ペンタ1号石碑
Img_5660_2

こいつもテホンか?Img_5666

ご存知ジャガーImg_5671Img_5675公園マップ

ラ・ペンタ13号記念物Img_5676

??Img_5678

物語石碑
Img_5679Img_5682用途不明

巨石人頭像;2枚Img_5684Img_5685

円盤形状石彫?
Img_5687Img_5688

ラ・ペンタ5号祭壇Img_5689

胡坐像Img_5690Img_5691_2

ラ・ペンタ7号祭壇
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ticket売り場、退場時に撮影
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 この公園は子供にも関心を持ってもらうためか、動物園を兼ねていた。で、どこへも自由に行けるというのではなく、一本道に従って順序良く回るように設計されていて、しかもとても環境の良いところだった。約1時間で一周できたのだけれど、効率よく配置されていたおかげで疲れも少なく見ごたえ十分、価値のある公園に思えた。その割には入場者が少なく、出会ったのは数組?もったいないというのが素直な印象であった。公園をあとにし同じ道を戻る。ちょうど11時ころに二等バスターミナルに着いたので、次の13時発のベラクルス行きのticketを購入して、また少し街ブラして、11時半ころ洗濯屋によって仕上がったものを受け取りホテルに戻った。そのホテルのチェックアウトタイムは12時だったから、荷物をパッキングしなおして、12時少し前にホテルをでて、そのままターミナルにいってしまった。待ち時間は1時間ほどあったが、そのターミナルにも食べ物屋があったからだった。しかし、ターミナル内にあった食堂よりも路上の屋台のタコス屋の方がおいしそうだったので、角のコンビニでビールを仕入れてきてタコスの昼食、しかし結果としてはそのタコスはあまりおいしくなかったのであった。タコスも当たりはずれがあって、次の日の夜は当たったのだけれど‥、、1時発のバスは結局20分遅れで到着、だから出発したときは13:30頃になっていた。このバスの始発はどこなのか聞き漏らしたが、ここから乗車した人は数名で、それでもう満席状態になった。今はコンピューター管理になっているから、幸いにticketが取れたけれど、場合によっては乗れない可能性もあったということだった。二等バスとはいえ、この路線のバスは一等バスと変わらない超デラックスバスで、6時間?の長丁場も楽であった。が、ほとんど高速道をいったのだけれど、そのバスは予定の7時にベラクルスには着かなかったのだ。ADOでもほとんど7時間越えだったから、6時間というのはもしかしたら聞き違いだったかもしれない。それにしても30分出発が遅れたとはいえ、まさか到着が9時になるとは全く予想もしていない状況になっていた。しかも、到着したベラクルスの二等バスターミナルは郊外にあったのか、その周りにホテルは見当たらなかったし繁華街でもなさそうだった。いったいどこに着いて、どこにホテルがあるのか全く分からなかったので、同じバス会社だったかは不明だが窓口で聞いてみた。まず聞いたのは、ここからPosa Ricaにいくバスはでているかということ、そしてこの辺にホテルはないのか?ということだった。ここのセニョリータはずいぶん親切だった。Posa RicaにいくバスはADOしかないこと、またこの近くにはホテルがないから、近いホテルまではタクシーで行きなさい、とタクシー乗り場まで連れてってくれ、しばらく待ってやってきたタクシーのドライバーに、わたしの意向を伝えてくれたのだった。そしてそのドライバーも良心的で、片言の会話ながら、明日はPosa Ricaにいきたいから、できたらADOの近くにホテルがあるなら、そこへいきたいと改めてお願いすると、わかってくれてADOのターミナル近くまで行ってくれ、わたしの希望の安ホテルまで探してくれたのだった。わたしはタクシー代が相当かかったかもしれないと覚悟はしていたのだけれど、そのドライバーはたぶん地元の人が利用する金額しか請求してこなかった。その額40ペソ(240円?)は、20分くらい乗っていたから、ちょっとした感動ものだった(少しチップをあげるべきだったのだが、あいにく降りるとき後ろの車からせかされて余裕がなかったのだ)。で、ADOのターミナル近くは繁華街のど真ん中、といったところだったから、確かに中級から安宿まで何軒かのホテルがあった。で、その一つ一つ見える範囲のホテルすべてにあたってみたのだけれど、なんということか空いてる部屋は一つもなかったのだった。タクシーでそこまで来る間にドライバーがいった一言を思い出していた。その夜は2月の24日金曜の夜で、幸運にもその日は年に一度のベラクルス最大のお祭りカーニバルの日でだったことを教えてくれたのだ。そんなこと知らずに来てしまったて、どうやらそれは、わたしにとっては不運の日となったようだった‥、、

Img_5702Villahermosaの2等バスターミナルに到着したベラクルス行きのバスは超デラックスバスだった、、