独歩の独り世界・旅世界

他のサイトに書いていた'独歩の独り世界・旅世界'を移転しました

メキシコ/カラクムル Calakmul 遺跡

 帰国を一ヵ月後に控え、数日前に二ヶ月の旅から戻り、今またアンティグア/ペンション田代にて休養中、というのが現況です、、

この二ヶ月の旅というのも結構いろいろあったので、それは帰国後に書かせていただくとして(内容は面白いと思うのだけれど文章はつまらない‥であろう、、??)、では今何しているのかというと何もしていない、、で、また例の特派員ブログってところに今投稿したばかりの文章があるので、それをまたズルして、少しばかりのお詫びとさせていただけたらと思っております、、以下は本年1月25日に訪れたメキシコ/カルクムル遺跡報告の無断転載です、、

<<前回に引き続きグアテマラを離れます。といってもお隣メキシコで、ま、わたしのここのタイトルが‘中米トライアングル’なのでお許しを乞うとして、たぶんこのカラクムル遺跡についてはどなたも書かれていなかったと思うので、少し情報を載せておきます。

<マヤ最大規模のピラミッドⅡ、森で隠れてしまっているが写っているのはピラミッドの上部1/4くらいの部分、ピラミッドⅠから写す>

072_640x480

 マヤの遺跡に関心のある方なら、よくご存知かと思われるこの遺跡も一般的にはあまり知られていません。ひとつにはまだ観光地化されて日が浅く、周辺の基地となる街がなかったりアクセスが悪かったりするのがその理由かと思われますが、近年だいぶ注目を集めるようになっているようです。そしてここを訪れるには遺跡から300kmも離れているカンペチェCampecheの旅行社のツアーに参加するしかないというような情報しかなかったので(そのツアーに参加したわけでないので料金等はわかりませんが、いずれにしろ300kmも離れたところから出ているツアーなので料金も・時間的制約も大きいのではないかと思われました)わたしは個人で行く道を探ってみたというわけでした、、

まず、基地となる街としてそれでも遺跡から120kmも離れた所にシュプヒルXpujilという街があります。ここが遺跡に最も近い街でチェトマルChetmalとエスカルセガEscarcegaという街を結ぶユカタン半島を横断する幹線道路上のちょうど中間点あたりにあって、そのどちらの街からも一等バスならADOで(チェトマルから105ペソ)、二等バスならSUR(二等はだいたい一等の2/3くらいの料金、ちょうど中間地点なのでエスカルセガもそれほど変わらない)のバスでアクセスはできます。けっこうバスの本数はありましたが、時間帯によってはADOしかなかったりSURしかなかったりします。なおカンクンからメキシコシティ方面へ行くADOのバスもここを通るので、カンクンからもアクセスはできるのですが、いずれもそこを通る時間帯が真夜中だったりしたので利用価値は薄く、わたしはカンクン~チェトマルをMayaBの二等バスで(9:00発205ペソ、15:30着)、チェトマルからはADOのバスしかない時間帯だったので、しかたなくADOを使いましたが(16:30発105ペソ、18:30着)、それでもADOで直行(414ペソ)するより安く行くことができました。

<シュプヒルの街>037_640x480


 さて、このシュプヒルの街はカンペチェ方面から来る道との交差点となっているあたりにホテルが数軒、あと食べ物屋や若干の商店があるだけの小さな街道沿いの街という感じでした。ま、それでもカルクムル他数ヶ所近くにマヤの遺跡があって、ホテルもその観光客のためのもののようで、いずれもけっこうな値段でした。いずれも安宿で、作りも設備もひどいものでしたが200ペソもするのにはちょっとした驚き(一応トイレ・シャワーつきでしたが)、数軒回って150ペソにしてくれたところに泊まりました。食事は立派なレストラン風のところはなく、却ってそれはわたしには好都合でしたが‥??、問題は次の日どうやって遺跡巡りをするかでした。何しろそこからカルクムルの遺跡までまだ120kmもあったのです、、しかしその120kmのうち半分60kmは、チェトマル~エスカルセガの幹線道路を行ったので、その分岐点まではバスで行くこともできることが後からわかりました。が、そこまでバスで行ったとして、その分岐点にはお店ひとつなくタクシーが待っていてくれるわけでもなかったので結局シュプヒルで、まったく当てにならない客(わたしがいったときツーリストはほとんどいなかった、12月が稼ぎ時だそうだ)をひがな待ちぼうけしている何台ものタクシーのいずれかに頼むしかなかったのです。彼らは一応に一日ツアー900ペソ(6000円くらい?)といってましたから、これが基準と思われます。そのツアーはシュプヒルからカルクムル遺跡、バラムクBalamku遺跡を回ってくれるもので、だいたい7~8時間かかるとのことでした。ま、その距離・時間から考えると決して高く吹っかけてきているわけではないことはわかりましたが、それをひとりで行くにはいかにも高すぎた、もちろん二人・三人ならその分割れるので、一人当たりは安くなるからです。で、誰かいないのかと彼らに聞いてみたのですが、それは無駄な質問でしかありませんでした。また少し値切ってもみましたが800ペソまでしか下がらなかった、、さて、ここまで来てどうするか悩んでしまったのです。

 カラクムル遺跡の価値は何かと問われれば、それはやはりマヤ史上でなんといってもティカルTikalと並ぶ二大勢力だったこと、マヤの全盛期の250年~700年にかけての古典期、一時はティカルも凌駕していた強国でした。その遺跡の発見は比較的遅く(1931年)、また密林の奥深くだったので発掘・整備(観光化)も遅れたのではないかと思われます。それでもメキシコの中では比較的遅くではありますが世界遺産にも登録されているようです。ま、だからといってそこまで行く価値があるかは、そこを訪れる人が少ないということが如実に物語っているともいえそうです。が、わたしは素人ながら飛ばすには惜しく思えた、、で、しばらく何人かのタクシードライバーと交渉していると、その中の一人が自分はもうひとり客がいるから600ペソでいいといってくれました。え?単純に二分するならもっと安くならないの?、いや、そう単純ではないことはあとからわかりました。彼は何十人もいるタクシードライバーのうちの数少ない獲物を得た一人だったのです。他のドライバーはその日の売り上げは保証されていない、それを一人が一度に二人の客をつかんだ、そのうちのひとりを他のドライバーに回せば、幸せ者がひとり増える、彼らからすれば二人だから単純に二分しなければならないいわれは何もなかったのです。ま、それでも強引に粘って550ペソにしてもらい次の日遺跡めぐりに出かけられましたが、あとから少し後悔しました、600ペソ払ってあげればよかったか、と‥、、

 相客はアメリカ人の若者でした、、あまり話さなかったけれど、どれほどマヤに興味があるのかよくわからなかった、また彼がいくら払ったのかも聞きませんでした。車は8時に出て国道60kを30分くらいで走って、左折してジャングル道に入りました。緑のトンネルはそこから1時間15分続いて遺跡の入り口に到着しました。しかしジャングル道といってもそこはメキシコ、流石に簡易舗装してあって、その後に行ったグァテマラのジャングルツアーに比べたらまさに天国と地獄、シュプヒルから120kmを約2時間で着いたことになります(グアテマラのジャングルツアーについてはいずれ別の機会に報告しますが、2/3の距離約80kmを1.5倍の3時間かかっているので、その悪路は想像できるかと思います)。入り口前の駐車場にはそれほど多くの車は停まっておらずツーリストは少ないことがすぐにわかりました。天気いまいちでしたが一応3時間くらいの予定で入園料46ペソ払って入場(その前に国立公園<自然保護区?>の入域料として56ペソとられた)、なかはけっこう整備されていて短距離コースruta corta、中距離コースruta media、長距離コースruta largaといった回り方が示された案内図がありましたが、にわかにそれを理解するのは難しかった、、で、一応長距離コースを辿ってみましたが3時間でギリギリ回れるコースでした。整備されているといってもグランプラザ、建造物(ピラミッド)Ⅰ,Ⅱといったメインのところくらいで、いまだ手付かずのエリアが多く、チチェンイッツァのように観光化・俗化していないところが却ってわたしには印象よく映りました。またピラミッドⅠとⅡは迫力もあり、特にⅡはその大きさにおいてティカルを凌ぐといわれているだけあって見ごたえ十分、登り甲斐も十分でした。13時ころカラクムルを出、その後寄ったバラムクBalamku遺跡(入場料35ペソ)も、さらに観光客は一人もおらず、その静かな佇まいが印象のよいものとなった、、一部遺跡内部が見られるようになっており、係りの人が親切に説明してくれたのですが、残念ながらわたしの語学力では馬の耳に念仏状態でした、、両遺跡ともジャングルの中にあって木々の上にサルが多くみられ、動物観察という側面でも興味の尽きないところと思われます。きっと今後はもっともっと多くのツーリストが訪れることが十分予想されますが、それは入域・入場料が高くなっていくこと俗化していくことを意味しています。そういえばカラクムル遺跡では日本の団体さんを目にしました、、こんなところまで!!と思わずにはいられませんでした。バラムクのほうは規模は小さく30分もあれば見て回れるもので、また今回はパスしましたがシュプヒル周辺には他にもいくつか遺跡があって、もう一日チャーターすればその全部を訪れることができます。ま、わたしのレベルではそれは時間とお金の無駄にしかならないと思えたのでそれほど悔いは残っていません。遺跡から国道に出たところでバスに乗れることがわかったので、わたしはそこで車を降りバスを待ちました。いいタイミングでバスは来て、シュプヒルからだと86ペソ2時間かかるところ、53ペソ1時間半で17時前にエスカルセガに着いたのでした、、

<緑のトンネル>042_640x480
<ピラミッドⅡ、3枚>062_640x480_2
074_480x640057_640x480

<日本の団体さん>
067_640x480
<ピラミッドⅠ>
068_640x480

<バラムク遺跡、2枚>
078_640x480
090_640x480

<動物たち>
083_640x480
049_640x480

(2013,02,08 Antigua/Guatemala ペンション田代にて、、現地訪問日2013,01,25) >>