独歩の独り世界・旅世界

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また、やってしまった、、in Barcelona

 最近ヨーロッパは全敗である。来るたびにやられている、、いや、ヨーロッパに限ったことではない、、最近旅するごとにやられっぱなしだ。完勝(何もなく無事に帰ったこと)が一度もない。今回の被害額は65€、約9000円、一万円弱(奇しくも最近毎回そのくらいやられたり、なくしたりしている)は人によってはたいした額ではない、といわれるそうだが、わたしにとっては大金である。故にショックも大きかった。もう、お分かりと思うがカジノで損したのではない。盗られたのである。正確にいうとすられたのだった。しかもその前日、着いたばかりのバルセロナBarcelonaの宿で、ご丁寧に日本人観光客のために日本語で書かれた在バルセロナ日本国総領事館発行の細かい注意書きをフロントで渡され、一応それに目を通していたにもかかわらず、だった。

 恐らくそれがたいしたカネでなかったと苛だったのは当のスリグループの親玉だったのではないか?いや、わざわざそんな注意書きを各ホテルに頼んで日本人に渡してもらっているほど、このバルセロナはスリ・置き引き他が多発していて、かなり悪質な集団グループがあって旅行者の相当数が被害を蒙っていることは出発前に参考にしたガイドブックなどにちゃんと書かれていたのも読んでいた。それでも、まさか自分が、である。甘かったのだ、油断があったようだ。前にも書いたことであるが年とともに(慣れとともに)緊張感が失われているようだ。実際被害にあうまでは他人事でしかなかったのだ。

 今回のバルセロナの旅については次回述べるとして、ここではその被害の模様だけを伝えて、近々にバルセロナに旅発たれる同胞が同じ目にあわないための喚起としておきたい。帰りの飛行機でであったスペイン人の父と日本人の母をもつロンドン在住の大学生もいっていたが、何しろバルセロナはスペインの中でも(ということはヨーロッパの中でも?)もっとも危険?その手の被害の多いことで有名なところ、とのことだったので‥、、で、いずれの注意書きでも警告しているように、特に危ない場所のひとつが地下鉄であり、わたしがやられたのも地下鉄で、であった。相手は複数いた、グループである。あとから思えばやはりそのとき注意力が足りなかったと悔やんだが、逆にそれがきっかけで、それからはもう十分すぎるほど警戒は怠らなくなり二度と同じ目にあうことはなかった(実際そのあとも何度も地下鉄を利用したが、気をつけていれば怪しいやつらの動きはわかるものだ)。しかし、そのとき、電車がきて乗り込んだとき、すでに自分が数人の男に囲まれてしまっていたことに気づいてない。ちょっと自由がきかなくなり変だなとは思った。で、電車のドアが閉まろうとしたとき一人の女が乗り込もうとした。まさかそれもグルとは思っていないから、わたしは親切心をだしてドアが閉まらないように手で押さえようとそっちに気がいったとき、わたしに隙が生じたのだった。そしてそのすぐあとに彼らは奇妙な行動をとった。ドアが閉まるのを抑えたまま、わたしの周りにいた数人の男とその女は電車から降りていった。そしてドアは閉まってしまった。電車が動き出して、しばらくは変なやつらだな、としか思わなかったが、近くにいたツレに、どうしたの?大丈夫だった?といわれたとき、初めてやられた、と気づいたのだった。恐る恐るズボンの左ポケットに手を入れてみたが、案の定あったはずの50€札と10€、5€札はなかった。それでもコインと別のポケットに入っていた20€は無事だった。ま、結果的にその額で済んだこと、それだけで済んだことを幸いとしなければならないだろう。場合によってはカバンをきられたり、刃物で傷つけれり、またパスポートやクレジットカードを持っていかれたり、あるいはわたしはそれ以上の大金は普段から持ち合わせないが、ほとんどの旅行者はもっと大金をもっていることを思えば、不幸中の幸いといえたのかもしれなかった、、(彼らは最初から固まっていたわけではない、だから親玉がなんらかの方法でこいつを狙う、と知らせて、乗車時にいっせいに集まったようだった)

 それにしてもである。まったく自慢できることではないが、もう何枚目になったか?外国での被害届・調書、警察の証明書の数である。ラスベガス、リスボン、ブタベスト、ウィーン、そしてバルセロナ、まるで警察にいくのが趣味?みたいになってきてしまった。もちろん、それで犯人が捕まるわけでも、被害額が戻るわけでもないことはわかっている。それでも、泣き寝入りはしたくないのだ。きちっと届けるものは届ける、もちろん証明書があれば保険である程度は戻るかもしれないが、そのためではなかった(今回は保険請求は無理なように思われた。ウィーンのときはその証明書が効を奏したが)。次の朝カタルーニャ広場の地下にあると聞いて、サグラダファミリアには一人でいくようにツレにいって、カタルーニャ州警察に赴いた。日本人はいなかったが、すでになんらかの被害にあったと思われる、たぶんアメリカ人のカップルが被害状況を説明していた。わたしの番になって最初はスペイン語でやってみたが、やはりわからないといわれ、英語でできるかぎり被害状況を説明した。親玉しか見てないがやつらの特徴を、そしてそのときのわたしの服装を聞かれた。もしかしたら防犯カメラに映っているかもしれないからといわれ、なかなかしっかりした警察だと感心した。調書をちゃんととってくれ被害証明をだしてくれた。まさか、その結果だとは思われないが(そんなにすぐに反応するわけはない)やはりよほど被害が多いとみえて、次の日わたしがやられた駅(L3のカサ・ミラの近くDiagonal駅)には警察官が立っていたし、他の駅ではスリに注意の日本語によるアナウンスが流れていた。

 その被害にあったのは、バルセロナ到着が深夜だったから次の日になるが、実質的には初日であった。普通の人からすれば端金でも、わたしには大金だったから、いつもならそんなことがあればそうとう腐ってしまうところ、ま、2回目だったこともあってバルセロナの素晴らしさは十分知っていたから、なんとか気を持ち直し、そのあとの2日間この魅力溢れる街を歩き回った。そう、この街はその程度のことはすぐに忘れさせてしまうくらいの底知れぬ魅力を秘めているところなのだ。そしてここの人々の素晴らしさも特筆に価する。それを次回伝えることができればいいのだが、その前に誤解されないように一言いっておく必要があるかもしれない。そのスリグループはバルセロナ(カタルーニャ)人でもなく、スペイン人でもなかった、ということを ! !、、

<なお今回のタイトルは内容からすると‘また、やられてしまった、、’のほうが相応しかったたかもしれないが、わたしとしては、またドジ・失敗をやってしまったという意味から、こうなりました。>

バルセロナの中心カタルーニャ広場017_640x427

その地下にカタルーニャ州警察があり、そこで出してくれた調書のコピー072_640x427193_427x640

到着そうそうホテルのフロントデスクで渡された日本総領事館発行の注意書き188_640x427