独歩の独り世界・旅世界

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バルセロナBarcelona はスペインか?

 ‘バルセロナはスペインか?’これは今回のわたしの旅のテーマだった。ほんとに恥ずかしい話、そんなことにまったく頓着せずにわたしはこの地を2年前に訪れていた。そのときは予備知識もガイドブックも持たず、それでもそれまでに訪れる機会がなかったのが不思議なくらい、そこへは一刻も早く行かなくてはならない、というような焦りにも似た気持ちに押されての旅だった。そしてなぜかわからないままバルセロナの魅力にはまっていた。

 その‘何故か?’が問題だった。あとから思うにそれは決してガウディだけでもなかったし、偶々そのときは1月だったから燦々と降り注ぐ地中海の太陽でもなかった。まして貧乏旅行者が故にバルの豊富な海の幸も芳醇なワインとも縁がなかったから、その魅力の震源を突き止められぬままその地を去っていた。で、そのときは、もう一度来てもいいかな、くらいに思っただけで、どうしてももう一回来なければならないとは思わなかったのだった。

 それから2年、今回の旅はわたしの発案ではなかった。理由はわからなかったが、どうしてもそれを突き止めようとは思っていなかったから、その間バルセロナ再訪を企図することはなかった。一方、どうやらどうしてもサグラダファミリアを見ておきたいという想いをずっと持っていたらしいツレ(なかなかぴったりくる呼び方がないのでいつも連れ合い-このいい方が好きではない-のことをこう表現している)が突然のようにバルセロナに行きたいといいだした。たぶん、今夏定年を迎えるにあたって、稼ぎのあるうちに行っておきたいということのようだった。わたしとしては、ま、ツレの望みを叶えてやるのも償いのひとつになるかと思っていくつかの条件をだして引き受けることにした。もっとも後に記すことになると思うがわれわれは財布が別なので、決して連れて行ってあげるということではなかった。いずれにしろ、そうなれば全ての計画はわたしが仕切ることになる、で、早速適当なticket探しが始まった。今回は短期間・バルセロナ限定にしたので、それならツアー(いわゆるエアホ - 航空券&ホテルのみの手配)のほうが安上がりになることを知る。それは思った以上に廉価だった。

 最初はちょっと疑った、ほんとにそんな額でいけるの?どこの航空会社、どのレベルのホテル?しかし2ヶ月も前に予約したのに、その詳細が明らかになったのは出発の一週間前のことだった。しかしまぁ、それがたとえ二流の航空会社であったとしても、星のないホテルであったとしても納得せざるを得ない価格だったのだから、とやかく言えることではなかったのだ。旅慣れているわたしでもちょっと信じられないバルセロナ6日間のエアホは一人6.5万円だったのだから‥、、そこでわたしは一計を案じてしまった。たぶんこのズルさはすでにバレバレなのであるが、ツレはそれを了解してくれた。一人6.5万円なのだからオレの分も払ってくれ、そしたら向こうでの経費は全てオレが持つ‥、、ま、それでもツレには安く思えたのかもしれない、つまりバルセロナ6日間の一人分のトータルは全て入れると20万は下らないと普通なら見積もってしまうところだからだ。それが二人分のツアー代で13~14万なのだから想いのほか安いと感じたのかもしれなかった。‥で、ここで最終的なその収支を暴露してしまえば、結果的には当初一人分として見込んだ20万円が、今回のわれわれの旅の二人分のトータルということになった。わたしの一計(ズルさ)は見事にあたって、わたしの現地負担(日本で予約した入場ticketも含めて)は7~8万円ですんだから、わたしの負担が1/3ツレが2/3という割合になった。これでは全然償いになってはいないではないかといわれそうだが、特にそれを咎められことはかった。というか、これは内緒の話で、またツレがこの記事を読むこともないので書けることなのだが、もし知られたらどうなるかはわからない‥??、、

 そんなわけで2回目のバルセロナが実現した。その日まで時間はたっぷりあったから、前回とは違って少しガイドブックなどの資料に目を通してみた。見所は一度訪れていたし、そのときもらった地図で把握はしていた。やはりどうしてもガウディの建築群が目玉で、ツレの目的も主にそれだったから案内自体は難しくないように思われた。一番の問題はどのように廻るかで、その方法はいくつかあったが、どれが経済的かつ楽か?にあった。前回の記憶はまだ少しあったが(物忘れが激しいのでこのブログに残しているが、それを読み返すことはなかった)たぶんそのときは乗り放題の一日券なんぞを利用したと思うし、今回ももし一人だったらそうするところ、足が悪くて歩けないツレには向かないことはわかっていた。それで今回は青空天井のツアーバス、これはとても人気がある観光客用の観光バスで、今や世界中の観光都市を走っていたが、まさに世界の観光都バルセロナでは運営会社が二つあり、どちらも同じようなルート(厳密には少々違うが、ポイントの押さえどころは同じ)を同じ料金で覇を競っており、実際どちらも満員の乗客を乗せて5~10分おきに運行していたから、そのバスの人気及び如何に観光客が多いかというバルセロナの人気をそのバスによって十分見せつけられることになるのだが、それを日本で予約していった。いや、そのバスも高かったが、全て(各入場料等)が異常に高かった。せめてネット予約によって多少の割引があったのと、サグラダファミリアのように人気のある観光スポットの当日券は長蛇の列に並んでticketを手に入れるのに相当の時間がかかったからだ。ともかくその異常さ(観光客の多さとそれを当て込んだ値上げ)は、前回訪れたときにももちろん感じてはいたが年々度を増してきているようで、しかも全ての料金が毎年毎年あがっているようだった。その点ではわたしのような貧乏旅行者からはだんだん敬遠されていく街になりつつある、とわたしは嘆いている。他の全ての世界的に有名な世界遺産がそうであるように、今や観光は重要な資源・資産であるから、どんどん値(入域料・入園料・入場料)はあがっていく、それに対処するには早くいってしまうしかないのである。そういうわけでバルセロナの観光バスBarcelona Bus Turiticには日本から二人分を予約したが、サグラダファミリアにはひとり分のticketしかとらなかった。もう一ヶ所、これは前回わたしも訪れてない注目の場所、もしかしたら2年前は入場がタダだったかもしれないPark Guellグエル公園のticketも日本で予約しておいた。他にも前回中まで入らなかったLa Pedreraカサミラ、Casa Batlloバトリョ邸、Palau Guellグエル邸等ほんとのガウディのファンなら日本での予約が望ましかったが、わたしはいずれも、その入場料の高さにびっくりして、それはわれわれに見合った価値のあるものか疑っていた。いや、そういう意味ではわれわれはほとんどオノボリサンでしかなかったので、全てその価値が理解できて、それに見合ったレベルにあるとは到底思えなかった。だからそのときの気分次第、あるいは入ることになるかもしれないが、と保留にしておいたのだった。それでも実際のところ実質中3日しか行動時間がなかったのだから、時間的にはまったく余裕はなかった。いや、それほどバルセロナは見所の多いところであることは、もちろんわかっていた。しかし、ただ歩いて全てを見尽くしたとして、その魅力の根源にたどりつくことはできたであろうか?その大半はガウディが担っていたこともわかっていた。問題はそこだった、、ガウディが何を表現しているのか?何を表現したかったのか?その核?元になっているものは何か?、それを見極めなければバルセロナの魅力もわからない‥、、そんな手ほどきをしてくれた本が何冊かあった。そうして漸くおぼろげながらわかってきたことがあった。間を飛ばして結論だけいってしまうと、それが冒頭のタイトルとなるのである。即ち‘バルセロナはスペインか?’というのがわたしの新たな疑問となっていった。そしてその答えが先の問いの答えでもあったような気がする。しかし、それをわたしはうまく言い表せないのだ‥、、

<次回にバルセロナ案内はできないかもしれない。で、今回出てきた名だたる名勝の写真だけ以下に載せておく、それらはいずれも今回撮ったものだが、今回もまたカメラの扱い方を間違えているのと構図が凡庸で、証拠写真以上のものではない>

これは、ま、説明不要、、029_427x640

グエル公園;2枚037_640x427043_640x427

カサミラとカサバトリョは1ブロックしか離れていない、で、結局今回も内部見学は保留となった、、024_640x427023_427x640

グエル邸は今回も中に入るかどうかで迷う、、確か12ユーロくらいで他に比べると少し安めだったが、二人で24ユーロも出す気になれなかった、、061_640x427