独歩の独り世界・旅世界

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振り込め詐欺男?

世の中にはお金に余裕のある人が多いらしく、大金を疑いもせずに他人に振り込んでしまう事件がはびこっていることには、信じられないといった疑問を持っていた。その被害者の多くが高齢者だという。おかげでわたしも大金を振り込む際は、もちろん親切心からだが、銀行員から何度も詳細を聞かれることがあった。無論(貧乏人の)わたしが被害者になることはありえないことだったのだが‥、、

 さて、そんな世間ごと・他人事としていたことが、はじめてわが身に生じて、いささか驚いている。といっても、ただその詐欺男らしい若者から電話があっただけなのだが‥、、しかし、その男との会話は相手が二言発して、わたしが二言それに答えただけであっけなく終わりになってしまった。あとから思えば、もっと騙された振りしていろいろ聞きだし、警察にでも通報して、そういうやつらはとっ捕まえればよかったかと悔やんでいるほどだが、そいつにとってはこれまでの相手とは勝手が違ったと悔やんでいたかもしれない‥??、、

 その会話は簡単だった。わたしの家にかかってきた電話に、わたしはただ‘もしもし’といってでた(こういうこともあるから、自らを名乗らないほうがいいのかもしれない??)。どうも息子を装おうとしたらしい相手はまず‘お父さん<オトウサン>? !’といった。わたしはそれを聞いて、??だったが‘はい’と答えた。そしたら相手はいきなり‘今日会社から電話がなかった?’といった。‥??、わたしはそのときこれは間違い電話だ、と判断して‘どなた様ですか?’と聞いてみたら、突然何もいわずに電話は切れた。だから、電話をきったすぐにはこれは振り込み詐欺だったのでは?とは思い至らなかったのだが、最初のいきなりの‘お父さん!’から、‘あんた誰?’での突然の切れ方は、これはただの間違いではない、そうか、これが手口なのかとはじめて気付いたということだった。つまり、騙されてしまう人は‘お父さん’あるいは‘お母さん’といわれたときに、そこで疑わない、疑えない人達か?と知るのである。そしてほんとに騙される人たちは氷山の一角で、すぐに相手が言ってることはおかしいとたいていは気付いて未遂に終わっていることのほうが多いのではないか、ということだった。だとするとその潜在犠牲者の数は相当数あって、またそれを狙っている彼らの労力も大変なことだと感心させられるのである。それにしてもこの人たちはどうやってわたしのところの電話番号を知りえて、そこに老人が住んでいることを知っていたのだろう、という疑問が残る。が、流石に今回電話をかけてきた輩は、我が家には‘お父さん’と呼ばれる者は存在しなかったことまでは知りえてなかったようだ。確かにわたしは40年間お父さんをやってきたが、その間子供たちから‘お父さん’と呼ばれたことが一度もなく、今でもわたしはニックネームで呼ばれていたのだ。だから、最初の‘お父さん’で、息子ではないことはバレていたのだった。なので今回の件は我が家では笑い話で済んだのだが、悔しいのはわたしもそうやって狙われる老人になってしまったか!?ということだった。恐ろしくも奇怪な世の中である‥、、