独歩の独り世界・旅世界

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バラナシ ~ スリナガル Srinagar ~ レー Leh

 インドの旅は2週間しかなかったら、よほど地域を限定しないと実りある旅は難しいかもしれない、、もしかしたらゴールデンルート<デリー~アグラ~バラナシ~コルカタ、余裕があればカジュラホ、ブダガヤがこのコース内にある>だけなら2週間でギリギリ可能か‥??我々もコルカタ、バラナシだけで最初の一週間が終わってしまったいた(中国経由だったので)、、で、後半はラダック/レーを予定にしていたが、そこはわたしのお勧め?希望したところだった、、わたしはそこに去年いってすっかりその地に魅せられてしまったのだが、そのときは時間切れで全部回れておらず何ヶ所かを残していた、、そこがどこにあるのかも知らなかったツレには、ま、いけばわかる往復飛行機を使うからといって、無理やりつきあわせたのだった、、

 実際、それでなくとも広いインドを短期間で回るには飛行機を使わざるを得ないか?と考えてはいた、、レーまでいって戻るには飛行機利用はやむをえないと思っていた、、ただ、そのルートの選択には少し頭を痛めた、、どういうルートにするか?、それには去年の経緯が少し関係していた、、まず、レーというところはかなり特殊?辺鄙なところで、インドの北西の端っこ、ヒマラヤ山脈カラコルム山脈に囲まれた位置にあり、その街自体が3500mの標高があるチベット文化圏の地である、、陸路では二つのルートからしかアクセスできず、ひとつは去年通ったマナリからの道、もうひとつは今年いこうとしたスリナガルからの道である、、いずれも4000~5000mの峠をいくつか越えていかないとその地に達せられない、、その道は6~9月以外は閉鎖されてしまう(通行不能となるのだが、6~9月はバスがある)、、だが、今では毎日デリーから何便かの飛行機が飛んでいるので冬でもその地に行くことは可能になっている、、また、よく知られているようにこの地はインド・パキスタン・中国との間で国境が確定していないエリア、特にパキスタンとの間ではカシミール問題として帰属を巡って何度も紛争が起きている地なので、以前はそのためにスリナガルルートは閉鎖されていた、、ま、インドにおいては文化的にも人種的にもヒンドゥー世界とは違った辺境の地であった、、

 では、そこへはどうやっていくか、どこから飛ぶのか?最も簡単で時間がかからないのはデリー~レーの往復であった、、しかしそれはちょっとつまらない選択に思われたし、何よりわたしは今年スリナガルからのルートを通りたかったのである、、そこで最初に考えたのはデリー→<飛行機>スリナガル→<バス>レー→<飛行機>デリーだったが、それでも日程的に難しかったのだ、、ま、それほどインドは広いということだが、どこで短縮させるか、悩んだ末に思いついたのがバラナシから飛ぶ案であった(これは2ヶ月前ころの話で、こうやってコース組をしているときが、実は旅の最も楽しいときである、、そしてその決定には、実際フライトの予約状況や、日によって値段が違うので、それを比較検討しながら決めていくのである)、、しかしバラナシ→スリナガルなんてフライトはあるわけがない、、で、バラナシ→デリー、同日乗換えでデリー→スリナガルがないかを探してみた、、これがうまい具合に見つかった、、乗り継ぎ時間が1時間半だったが偶々バラナシ→デリー、デリー→スリナガルは同じ航空会社でデリーのターミナルが同じだったので、ネットで予約するとそのticketはすぐにOKがでた、、去年も使ったインドのticket予約サイトで、去年はそれでレー→デリーが6000Rsくらいだったが、今年もバラナシ→デリー、デリー→スリナガルが一人あたり5500Rs(Spice Jet)、レー→デリーが去年と同じGo Airで6500Rs、つまりバラナシ→デリー→スリナガル、レー→デリーの航空券が一人約2万円(二人分のトータルが2400Rs;約4万円)はインドの他の交通手段と比べれば高いが、ま、最初の覚悟からすれば決して高くはないと思ったのだった(ただし、こういうticketは流動的だから直前になればなるほど安いticketはなくなっていく)、、それに去年も経験済みだったから、このネット予約/カード決済のE-ticketはなんら問題ないことがわかっていた、、なのでバラナシからの飛行機のticketは2ヶ月前に取得済みだったのである、、

 とはいってもバラナシに飛行場があることさえそれまで知らなかったのだから、どこにそれがあるのかは当然知らなかった、、ホテルのオーナーに聞くとけっこう遠い、タクシーで500Rs、トゥクトゥクで400Rsはかかるとのこと、、もっともそれはインド人価格だということを頭にいれて次の朝、もう何度も通っていたので迷うことなく15分くらいかかってやっと表通りに出たとき、何台か押し寄せたトゥクトゥクドライバーのうち、最初に400Rsまで下げた男のトゥクトゥクに乗り込んだ、、‥が、やはりトゥクトゥクだと少し時間がかかって1時間くらい走ったか?もちろんバラナシ市街はすぐに抜けて、のどかな田舎道を行き、回りは何もない田園風景の中にそれはあった、、飛行場のゲート(入り口)に着いたときひと悶着あり、彼はそこから先は別料金だといいだした、、即ちその入り口からターミナルビルまでまだ数百mあったのだ、、わたしはこういうのにすぐ腹をたてるほうなので、口論の末その場で降りることになった、、まだ時間的には余裕があったのでその数百mは結局歩いたのであった、、(前回のような善良なドライバーもいるが、ま、典型的なインドのドライバーかつ、その手口といえた)

バラナシの飛行場、もう少し手前から歩くことになった、、057_640x480

 たぶん発着数も日に何便とないのんびりとした空港であった、、その1階ロビーの一角でしばらくchek inを待つ、、11:30発のNew Delhi便は1時間半でNew Delhi着、そこでまた1時間半待って、また1時間半飛んでスリナガルに着いた、、この間の時間短縮は大きかった、、その間を列車・バスで行ったとすると3日間くらいかかったと思う、、それが同日16時にスリナガルに着いていたのだ‥、、さてスリナガル、、ここはかつてインドの避暑地として有名な観光地であった、、ダル湖に浮かぶハウスボートが快適でそこから遠くに見える山並みを楽しみ、また標高が1800mくらいあって涼しく、風光明媚な景勝の地としてとくに夏場の賑わいはそうとうのものであったらしい、、というのも、それは昔の話で今やカシミール紛争以来衰退が激しく、観光客も激減しているらしいことも知っていた、、なのでここは当然長居するつもりではなく、レーに行くバスをつかまえるために寄ったに過ぎなかった、、かといって、宿を予約していたわけでなく、宿及びバスターミナルがどこにあって、飛行場からどうやってそこまで行けばよいかという情報は何ももっていなかった、、最悪はタクシーということになりそうだった、、結果的にはタクシーのほうがよかったかもしれなかったが‥、、

バラナシ離陸直後;上とスリナガル着陸直前;下、いずれにしろこの日天気悪し058_640x480 064_640x480


 国内線だからバラナシで預けた荷物を受け取るとすぐに、大きくない空港ビルを出た、、降ってはいなかったが天気はあまりよくなかった、、インフォメーションがあるわけでなく、市内に行くバスもなさそうだった、、いや、あったかもしれないがそれを探す前に一人の男につかまってしまったのだ、、よくいる客引きのような感じだったが、それらしき人物が他にもいたわけではない、、とりあえず英語が通じたのでその男から情報を引っ張ろうとしたが、その男も懸命になって自分の車に乗せようとする、、その時点でその男がどういう立場の人間かつかめず単に白タクの運転手だと思ってしまった、、自分はプリペイドタクシーと同じ料金で市内まで連れて行く、とわたしは聞いてしまった、、なので愚かなことにわたしはその料金交渉を始めてしまったのだった、しかも一般あるいはプリペイドのタクシーの相場も知らずに‥、、そして瞬く間に、うまく丸め込まれてその人の車に乗ってしまっていた、、彼はわたしの要求をすべてわかった、わかったといって受け入れてくれたように振舞った、、わたしの要望はいくつかあって、1,明日カルギルKargilへ行きたい、ついてはそのバスターミナル近くのホテルを探していること、2,ただしそこへ行くタクシー代もホテル代も、予算は十分でないこと、、いくらならいいのかと聞くから、ホテルは500Rsといったら、われわれを囲んでいた周り中の人から笑われてしまった、、そんな安いホテルはここにはないと‥、、ちょっとその数に圧倒され、というのもその飛行機で降りた観光客は我々くらいしかいなかったので、やや雰囲気に呑まれ冷静さを失い、あわててわたしはその額を少しアップしたが、1000Rs出せばいいところがある、市内まではプリペイドタクシーと同料金、500Rsで連れて行くといってわたしのいい値には答えず自分の車に案内するのだった、、相場を知らないのが致命傷だった、、ま、もしかしたらそれは親切かもしれないとも思ったが、怪しさの方が勝った、、しかしそれはもう後の祭りで、その様子を見ていたツレは完全にうまく乗せられているのがわかって機嫌を損ねることになった、、連れて行かれたところは案の定ポートハウスだった、、近くにバスターミナルはなかった、、そしてその男はボートハウスのオーナーだった、、

いかにも話し巧みで商売上手なイスラム教徒の男は、ハウスポートのオーナーだった

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これは典型的なハウスボートだがわれわれが泊まったところではない066_640x480


 しかし初めての地で情報を何も持っていなかったのでどうすることもできなかったと諦めることにした、、たぶんまったく客の気配のないポートハウスのオーナーたちも必死だったのだろう、、断りきれずにボートハウスに乗り込むと、古びた年代もののボートハウスで、それでも家族で何台か所有とているようで隣のボートハウスから甥っ子がミルクティやら菓子やらを持ってきて一生懸命サービスしてくれるのであった、、で、そのオーナーはわたしとの約束を果たすべく、明日のバスの手配をしてくれるのだった、、それは我々は普通のローカルバスで行くつもりでいたが、カルギルまでは遠いし道が悪い、乗り合いタクシーのほうが楽だからそれでいけ、値段もたいして変わらないといって、ローカルバスは750Rs、乗り合いタクシーで1000Rs、嘘だと思うならバス会社に確認しろと、電話までするのであった、、大方はイイカゲンで、かなり騙されていると思っていたが、憎めないオヤジではあった、、

 夕暮れ近くになって、少しでもスリナガルの街を見ておこうと思って一人でボートから陸に上った、、ともかく歩いてみるしかなく、かなり遠かったが、街の中心といわれた方角に歩いていった、、流石にいまだ紛争地の面影があっていたるところに兵隊がいる、、遠く丘の上に城砦が見えたがそこまでいく時間はなかった、、少し食料の買出しをして戻る、、観光地らしさも観光客の姿も見かけることはなかった、、次の朝7時に用意された朝食を食べ、7時半にオヤジがいっていた通り、大型の4駆が迎えがきた、、そしてそのままカルギルへと向かった、、そのオヤジには宿代1000Rsとカルギルまでの足代一人1000Rs×2と昨日の足代500Rsをいわれるまま払ってやった、、たぶんそうとうぼられたと思いながら、、わたしはカルギルまでのシェアタクシーはもっと安いはずだとずっと思っていた、、だから半分、つまり1000Rsも儲けさせてしまっただろうと、、しかしスリナガル~カルギル間のシェアタクシーは一人800Rsだったこと、その上ボートハウスまで迎えに来てくれたのだから、1000Rsはそれほどぼっていなかったことをあとで知った、、そして確かにバスはもっと安かったのだけれど、この間をシェアしたのは6人でかなりゆったり楽に行けたことは確かであった、、ということは思ったほど悪どいオヤジではなく、もしかしたらけっこう良心的だったのかもしれないと後から思うのであった、、そしてマナリルートほどではなかったが、やはりスリナガル~カルギル間もたいへんな、つまりハードな道だったが、ある意味素晴らしい道であったのも確かだった、、

夕方からスリナガルの街を少しぶらつく、遠くの丘に城砦が見えた、、070_640x480

ダル湖に通じる橋の上から;2枚
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