独歩の独り世界・旅世界

他のサイトに書いていた'独歩の独り世界・旅世界'を移転しました

レー Leh 2) 8/21~8/22

 レー滞在は実質中2日しかなかった、、そのうちの一日が潰れてしまったのだ、、それでも一日はレーの街中徘徊のつもりでいたので、わたしは別にそれはどうでもよかったし、ツレもひとりでブラブラできたようなので、その点での影響は少なかったのだが、残る一日をどうするかで、わたしはいろいろ想いをめぐらせていた、、レー/ラダックというところはガイドブックの受け売りで少し説明させていただくと、もともとチベット文化圏にあって(10世紀以降~19世紀)最初はシェイに都をおき、そのあと王宮はレーに移ったらしい(16世紀)、、その間各地にチベット仏教各派のゴンパ(Gompa 僧院)が建てられ、それらがレー周辺に主要なところだけでも20ヶ所ほど、いまでも多くの僧を擁し寺院・僧院としての重要な役割を担っている、、そして、これらのゴンパ巡りがレー/ラダック観光の目玉となっているのだ、、わたしもそれらのうちの何ヶ所かは去年訪れていた、、先に述べたアルチのような例もあったが、その多くは遠くから見た偉容、雪を抱いた山々を背景に丘の上・山の中腹に聳え建つゴンパの城砦のような姿・形は実に感動的だった、、それでもそれらの半分も廻りきれていなかった、、ひとつにはそれらはかなり広範囲に拡がっており、またそこに行く交通手段も十分ではなかったからである、、最も容易な手段としてはタクシーチャーターであったが、それは一人旅にはもったいなくて(無駄に思えて)、いや何より高すぎて利用できなかった、、それで重要なところが何ヶ所か残ってしまっていた、、それらは機会があれば再訪したいという想いが今回の旅につながったのだが、同時に今回は二人なのでタクシー利用の価値が多いにありと思っていた、、この地方はレーを境に下ラダック・上ラダックと分かれており、レーからインダス河下流を下ラダックといって、今回通ってきたカルギルからレーまでの間を指し、上ラダックは去年通ったマナリからの道がインダス河とぶつかる辺りからレーまでの間を指していた、、そして下ラダックの未訪地として大きいところはラマユルLamayuru、リゾンRizongがあり、上ラダックはヘミスHemis ・チェムディ Chemdey ・タクトクTakthokといったところが残っていた、、なのでレー最後の一日は、下ラダックのラマユルには寄ってこれたので、上ラダックのレーから最も遠くにあった3ヶ所、それらはわりと固まっていたヘミス・チェムディ・タクトクのゴンパにタクシーで回ることを考えていた、、タクシーを使えば少々高くはつくが、一日で十分見学可能な範囲であったし、その途中でシェイSheyもティクセThiksayもマトMatho、スタクナStaknaも遠景ながら見ることができるので、初めてでしかも絶対歩かないツレにとっては一番楽なレー観光になるはずだった、、で、そのためには初日にこの宿まで100Rsで乗せてきてくれたタクシードライバーが、別れ際にもし観光する気があるなら電話してくれといって渡されたケータイ番号のメモを捨てずにいたのが正解だったかもしれないと思えて彼に連絡をとってみた、、彼はあとでホテルに行くからといって、もちろんわたしの依頼には十分こたえてくれそうな気配を示した、、料金交渉がまとまればの話だが‥、、が、彼と会う前にとんでもない情報がわたしに飛び込んできたのだった、、

以下6枚の写真はいずれも去年訪れたときのものです、、去年のブログに載せたものもあり再掲載のお許しを請うものです、、上からリキルLikir,アルチAlch,シェイ Shey,ティクセTikse,スタクナ Stakna,ストク Stokの各ゴンパ

358_640x480
348_640x480312_640x480
298_640x480
309_640x480
323_640x480

 その日(2日目)の夕方、わたしの様態は回復に向かっていたので、われわれは少しぶらぶらして、そのあとで夕飯を食べるつもりで街に出た、、そしてまだ開いていた観光案内所tourist informationに何の気なしに寄ってみた、、情報だけでもと思ってローカルバスの時間なんかを聞きに寄ったみたのだ、、明日タクシーでいこうとしたヘミス方面へ、もしバスで行くとしたらどうなのかと思ってのことだった、、で、ローカルバスでもいけそうなことがあらためてわかったのだけれど、ただし明日のバスはないと、そのとき担当者は言った、、‥どういうこと??そのあとの彼の説明にわたしは驚きを隠せなかった、、なんと今この地にダライラマが来ていて、チベッタンの難民キャンプのあるチョグラムサル Choglamsar(レーから車で30くらいのところ)に滞在している、、そして明日はダライラマ法話(講話?)が予定されているのですべてのバスは運休するとのことだった、、‥??ここは確かにチベット文化圏であってチベッタン難民キャンプがそのチョグラムサルにあることは、去年そこを通っていたので知っていた、、しかしまさかその頂点に立つ世界的な要人が今この地にきていることははじめて聞くことだった、、で、さらにもしそれにいってみたいのなら、われわれもいけるというではないか !、、にわかにわたしの予定は崩れようとしていた、、こんな機会はめったにない‥、、いや、それはぜひともいってみたい、、‥こうしてわたしはドライバーとの打ち合わせ内容を少し変えるにいたったのであった、、当初の観光プログラムは、こちらの希望としては先の3ヶ所回ってもらって、だいたいトータル120~150km、時間的に5~6時間と考えていた、、ラダックの観光タクシー料金は組合?で決まっていてそのコースは2500Rsくらいだった、、それをわたしは交渉して2000Rsくらいまでもっていくつもりでいた、、ところがダライラマ法話の話を聞いて、偶々方向が同じだったので、それなら両方、つまり最初に朝9時ころから10時ころまでというチョグラムサルの会場に寄ってもらう、、そこで1時間くらい待ってもらってそれからゴンパ巡りに向かう、、それでOKなら3000Rsまでだしてもいい、ということをドライバーにあった時に話してみた、、彼は当然ダライラマの件は知っていたので、わたしの要望はあっさり了承された、、そして明日朝7時に迎えに来るということで話はついたのであった、、

 われわれが宿泊していたホテルの脇を小さな川が流れていた、、ま、どぶ川に近かったが流れが速く水は澄んでいた、、人とバイクしか通れない細い路地を下っていくと車の通る大通りに出る、、そこにその川の橋がかかっていて、そこが待ち合わせ場所だった、、ちょうどその橋の手前にいつもツーリストや地元の人でいっぱいの茶店(カフェ)があった、、だいたい早起きのわれわれはそこでお茶を飲みながらそのドライバーを待つことにして、早めにホテルをで、ホテルから1分のその茶店にいってみたが、あいにくそこは朝7時からオープンとのことで開店準備中、開くのを待っている間にドライバーが来てしまった、、で、お茶も飲めずにそのタクシーに乗り込むと、そのカフェのオーナーがわれわれがチョグラムサルに行くことをそのドライバーから聞いたらしく乗り込んできた、、別に一緒に乗せてってくれとの断りもなしに‥、、われわれはたぶんこのドライバーの知り合いだろうと思ったので咎めもしなかったが、あとで逆にその彼からずいぶんと助けられることになった、、

右側を小川が流れる、気持ちのよいDolphin Cafe053_640x480

 レーの街を10分くらい下ると大きな交差点があって、直進が空港の脇を通ってわれわれが通ってきたカルギル、ラマユル方面への道で、左折するとチョグラムサル、ヘミス方面、マナリへと通じる道である、、車は左に折れてまもなく動かなくなってしまった、、すべての車がチョグラムサルの会場へ向かう車で数珠繋ぎになっていたのだ、、恐らくこんなことはここでは前代未聞のことと思われた、、レーはもともとチベッタンの地で、今ではイスラム系やヒンドゥー系も多くなっているが、何といっても住民構成の比率はチベット系が一番高かった(カフェのオヤジもドライバーもチベット系だった)、そのうちの90%くらいは、つまり単位としては数万人がそこに向かおうとしていたのではないかと思われた、、普通なら30分でいけるところが会場まで数珠繋ぎだったので1時間半もかかってしまう、、会場近くの空き地というか荒地が駐車場となっていて、そこも満車状態だった、、われわれは車を降りる、、ドライバーは車のナンバーを覚えているようにわれわれにいって車を置きにいった、、そしてカフェのオヤジがわれわれを会場へと導いてくれたのだった、、もうすでに会場(演壇はあったが、客席はなく野原の地べたに座り込んでいた)は満員の人・人・人であふれかえっており座れる場所はもうすでになかった、、それでも彼がわれわれのために空いてそうなところを探してどんどん奥へ奥へと入っていき、われわれはそれに従う、、ふと演壇中央をみると、すでにダライラマの講和は始まっていて、どうやら本人が話しているようだった、、マイクを通じて師の話が流れていたが、当然何をしゃべっているのかはわからない、が、集まった人々はみんな注目し傾聴している、、演壇中央前には僧侶の一団、その後ろに一般の人たち、そして僧侶集団の脇はどういうわけか少数ながら外国人が固まっており、彼はわれわれをそこまで連れて行ってくれた、、ほとんどないスペースに割り込むような形で座らせてもらい、話はわからないので写真だけ少し撮った、、‥そこに30分も座っていただろうか、まだダライラマの話は続いていたが、話の内容がつかめてないのを知った彼は、そろそろ行くか?と聞くのでOKしてその場を後にした、、彼もその場の感じがつかめたので店に戻る、適当に車を探して帰るからといって駐車場でわかれた、、わたしはそれから雇ったタクシー探しにかかる、、車種と番号は覚えていたので、一台一台端から当たっていく、、しかしわれわれが乗ってきた車はどこにもなかった、、どこかにいってる可能性があったので、しばらく待ってみる、、近くでやはり車待ちをしていた人に頼んで、ケータイに電話してもらったが電源が入っていないといわれてしまう、、会場にいたのは30分くらいだったが、結局駐車場で1時間も待つことになった、、が、結局彼<ドライバー>と彼の車は現れなかったのだ、、痺れを切らしわれわれもレーに戻ることにして相乗りのタクシーでレーまで帰った、、その車を降りてホテルのそばのカフェに寄ってみた、、オヤジは驚いて、どうしたんだ?と聞くから、ことの経過を話すと、悪い奴だ、たぶん待っている間に一仕事しにいったんだろうといっていた、、こうしてわれわれのタクシーでのレー観光は未遂に終わってしまったのであった、、

チョグラムサルの会場はちょうどこの写真の左下あたりだった、、068_640x427

会場に向かう車の列 ;右と下064_640x427
063_640x427

駐車場071_640x427

車を降りて会場に向かう人々; 2枚
073_640x427
074_640x427

会場の様子 ;3枚
077_640x427
079_640x427085_640x427_2


話しているのは紛れもなくダライラマ本人だった、、
081_640x427
087_640x427


 その日の午後、まだ一銭も払ってなかったので彼はやってきて、なぜいなかったんだ、2時間も待ったなどとわれわれにいってきた、、そこで大ゲンカになる、、冗談じゃない、、待たされたのはわれわれのほうだ、、約束を守らなかったのだから一銭も払うつもりはないと突っぱねたが、お互いの主張は平行線で埒があかない、、もう、うんざりだったので、行きの車代として200Rsだけ払ってとっとと帰ってもらった、、この件でまたツレは不機嫌になり、といってもそれは観光できなかったからではなく、わたしの手配や対処の仕方に不満があったらしく、わたしはわたしで、それほど関心もないところへ高い金払って行くこともなく却ってよかったと感じていた、といった感覚の齟齬がいつもその理由であった、、で、まだ頭痛は治まってなかったが(というか、こうした腹立ちや苛立ちのため却って悪化したかも??こういうときはひとりでぶらぶらするのがいい‥)残されたわずかな時間、わたしは街ブラにひとりででかけた、、

 そのときまで今回はレーの街をぶらついてなかったので、去年よく通った裏道を行き、そのまま旧王宮への道を登っていった、、ジャマーマスジット(Jama Masjid モスク)の脇の道を入るとイスラム系の人々の多い地区となる、、そこにタンドリーでナンを焼いている店が何軒かあって、そこのナンが安くてうまかった、、おやつ代わりにひとつもらうと10Rs、去年より2Rsもあがっていた(たぶんこんなところではツーリストプライスではないと思う)、いや、いずれにしろタクシー代もそうだったが、すべてのものが値上がり傾向にあった、、しかもたった一年で、、街ブラしながら他にも去年とは少し違うことに気づいていた、、ツーリストが去年より少ない‥、、だから宿もあいていたのだし、どこもすいている感じだった、、もしかしたら8月より7月のほうが観光客が多いのかもしれないと思っていた、、そしてその理由がモスリム地区からトンネル(隧道のようなところ)を通って、道なき道を旧王宮まで登ってみてわかったのである、、それはカルギルから来る道すがらずっと感じてきたことでもあったのだ、、‥雪が少ない??、、そう8月は7月より山の雪が消えているのでは??、、レー周辺の山々はレーが3500mなのだから軒並み5000m越えである、、だからほとんど冠雪してるのだが、それが最も少なくなる、あるいは消えてしまうのがもしかしたら8月~9月ころなのではないか(富士山の場合と同じではないか)?、、もしそうだとすると富士山もそうだが絵にならないのである、、ラダック地方の山々、そしてゴンパの写真が映えるのは背景に雪山があってのことではないか?それがたった一ヶ月遅れただけであったが、去年と少し違うと感じたとしても不思議ではなかったろう‥??そんなことはガイドブックにも書いてないと思う、、しかしみんな知っていた?あるいは教えられて7月のほうが観光客が多かったのではないか、とそのとき思ったのであった、、レーに来るなら、もしかしたら6月もしくは7月がbestなのかもしれないと‥??、、

右下の白い塔がJama Masjidのモスク、その後ろに聳えるのが旧王宮、そこまではどこからでも登れるが道はわかりにくい、、047_640x480

旧王宮の入り口辺りから ; ここの入場料は100Rsもするので今回はパス
056_640x480

Soma Gompa(Leh Johkang)が街の中心に位置している045_640x480

レーの街にはGerman Bakeryが何軒もあったが、たぶんここが一番美味しい??
054_640x480

 ま、確かに地上からの絵はそうだったかもしれない、、しかし次の日デリーに向かう飛行機からみた眺めはその限りではなかった、、その写真は次回‥、、