独歩の独り世界・旅世界

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メキシコ シティ 2012,09,26~29

 少なくともその地までは、ほとんどわたしが決めたルートでわたしの旅のやり方を通してきた。だからある意味息子はついてきただけである、これでは何ら自律のため訓練になっていなかった。何とかしなくては、、で、ここメキシコシティからは一切の行動をひとりでするように、どこに行くか?どうやっていくか?を自分で決めて自分で行ってみる、前にも言ったが普通なら10代の子供でもやっていることを、ともかくここからはやらせなくてはならなかった。といってもいきなりではどうにもならないことがわかっていたから、まず、到着したメキシコシティ北バスターミナルTerminal Central Autobuses del Norteで、次の日に行ってみるといっていたティオティワカンへ行くバスのブースを教え、地下鉄の乗り方を教えるべく、不夜城のターミナルでいくつか開いていたコーヒースタンドの椅子を起こして、そこでコーヒーを飲みながら地下鉄の運行を待った。

 その間もまだホテルをどこにするかで迷っていた。ここメキシコシティは前回は日程が決まっていたから日本から安いホテルの予約をしていたが、今回は日程が定まっていなかったためいきあたりばったり、、それでもいくつかの安宿は知っていたから何とかなるだろうと思っていたのだが、いざどこにするかとなると逆にいくつかの候補があったので迷ってしまったのであった。まず、条件としての500ペソ以下の安宿はいくつか知っていたが、それらはちょっとばかり地下鉄の便が悪かった。で、このときばかりはガイドブックの情報も参考にしながらなるべく地下鉄の駅から近くて、500ペソ、プラス・マイナス100くらいでどこかないかと探していた。どこかで書いたことがあるが、貧乏旅行者にとってメキシコでの足としての地下鉄はともかく安くて便利なのである。現に今いるバスターミナルからもほとんど市内どこでも3ペソ(20円)でいけてしまうのであるから、それを利用しない手はなかった。それに一端ホテルにチェックインするまでは大荷物がある。ま、それならホテルのチェックインまではタクシー利用すればよいのではないかという考えかたもあったが、ラスベガスの失態や教育的配慮?からそれは避けたかった。で、そうするとできれば乗り換えも少ないほうがよい、メキシコの地下鉄はすべての路線<11路線?>が連絡通路でつながっていて、だから3ペソでどこへでもいけたのだが、逆に場所によってその連絡通路がとてつもなく距離のあるところがあった。一駅分くらい歩かされている感じになる。そんなことも配慮した上で乗り換え一回でいけて、しかも駅近、セントロにも近く、それでそのガイドブックには500ベソとあったところを第一候補として、あまり早すぎてもどうかと思ったので、6時半ころ地下鉄に乗った。地下鉄の切符の買い方・改札の仕方・自分の行く方向の確認の仕方などを教えながら、、

 しかし地図を見ながら駅から5分もかからないところにあったそこは、正確に言うと着いたところはどうやら別のホテルであった。そこは見た目ははるかに高そうであったが、聞くと600ペソとのことだった。もちろん部屋は空いていた、プラス100ならここでもいいかと思ったが、念のため目指したホテルがこの辺にないかと聞くとちょうど1ブロック間違えていただけで1分もかからないところにあることがわかった。そこでそちらが空いてなかったらくるからと詫びて1ブロック歩いた。そちらは趣こそ違えやはりそれなりの中級ホテルで、ここはもっと高いかもしれないと少し心配がちに聞いてみると540ペソ、一割安だったのでそこに決めてしまった。一通りの設備がそろっていてWiFiが使えたので、われわれには上等のホテルであった。そこで荷を解き、シャワーを浴び洗濯物を集め、しばし物の整理・記録の整理等々、旅では必要な一区切りをつけた後一緒に街に出たが、そこからソカロまでは歩いても15~20分くらいで、一応その方向だけ教えてすぐに別れた。彼はひとりでソカロを中心としたメキシコシティセントロを回ってみるといっていた。わたしはそんなのにまで付き合ってはいられなかったし、ま、予定通り一人で行ったことに満足していた。で、わたしはホテル界隈を散策し洗濯屋を探したり、食べ物屋のチェックなどをして、7-11で飲み物を近くの屋台でトルタス(中にいろんな具の入ったコッペパン型のサンドイッチ)を仕入れてホテルに戻る。午後はだいたいPCチェックやブログの下書きなどをしていた。そこで面白いことを発見する。因みにと思ってメキシコシティの宿検索をやってみたのだ。もちろん条件は5000円以下の検索であった。そしたら数軒ヒットしたが、その中になんと今朝ほど最初に寄ったホテルが出てきた。それも安いのである、、朝寄ったときに聞いた値段が600ベソだったから日本円約4000円である。それがホテル検索で引っかかったときの値段がなんと日本円で2800円だったのである、エー、どういうこと??しかも朝食付きとなっているではないか?今いるここよりも安い、ここは540ペソだが、2800円は約430ペソだった!?違いすぎる、、

  ちょっと焦った、なぜなら時差があるから、こちらでの明日の予約が日本時間で今日となってしまって、もしかすると今日の予約は受け付けられなくなる可能性があった、ネットでのホテル予約はしょっちゅうやっていたから、といっても海外で現地の予約をするのはチワワでクリールの宿を予約したのが初めてだったが、そのときうまくいったので早速申し込んでみた。この宿探しは回答が早いのがいい、すぐにOKがでた。が、ひとつだけ問題が残った。そのOKをプリントアウトできないのである。今はホテル探しのサイトはたくさんあって、ほとんどやり方は一緒だけれど、そのバウチャーなる印刷物がチェックインのとき必要なところと不要なところがある。たまたまそこは、要バウチャーとなっていた。そこで先ほどうろついたときに見つけたネット屋さんにいってみてプリントアウトしてみたがうまくいかなかった。またホテルに戻りすぐにそこのサイトにプリントアウトができない旨問い合わせをする。しばらくして印刷物を持参できない可能性があることをそのホテルに連絡した旨の回答があった。ネットの時代である、こうして明日から2日間のホテルの予約をそのホテルが目と鼻の先にあるにもかかわらず、そのホテルと直接ではなく日本を経由して(そのサイトの運営は日本ではないが)成立してしまうのである。しかも安く‥??なんか不思議な感じであった、これってもしかしたら、そのホテルに今朝チェックインしていたとして、その延泊の方法としても可能だったのだろうか??いずれにしろその時点で明日朝また歩いてホテルを移ることになったのであった、、少し高いホテルに安い値段で、、‥??

<ホテルの近く、ファレス通りAv.Juaresから革命記念塔方面>004_640x480

<上記反対方向、ヒルトンメキシコの近くにホテルあり、遠くにラテンアメリカタワー> 006_640x480


 そんなんで次の日ホテルを移ったのとそのホテルのはす向かいにあった両替所でT/Cの両替をしたくらいで、最初の2日間わたしはほとんど出かけなかった。その間息子は初日にカテドラル、国立宮殿、メキシコ文部省、サンイルデフォンソ学院と、ソカロ一帯の歴史的かつ政府関連の建物とその内部に描かれ公開されている壁画群を、ガイドブックを頼りにまわって見てきたと帰ってきて報告した。どうやら彼はグアダラハラ以来少なからずメキシコの壁画のすばらしさに衝撃を受けていたようだ。ほとんどはわたしもいってないところで、彼はメキシコが壁画の宝庫であることを知らなかったといって感激していたが、わたしは息子が壁画に感動するとも思っていなかったので驚いていた。それで少しは自信がついたのか次の日はチャプルテペック公園へ、その中にある国立人類学博物館、動物園に行ったといっていた。3日目にティオティワカンとその帰りにデイエゴ・リベラ壁画館とベリャス・アルテス宮殿に寄ったといってたいそう疲れた様子で帰ってきた。そう、言葉ができなくてもやる気さえあれば誰でもできるのである、それさえわかってくれれば、そのやる気さえでてきてくれれば、あとはもう放っておけばいいのである、、ひとつのきっかけをつかんでくれたのであればいいのだけれど、、??

 さてわたしの方は3日目に、息子の言葉に刺激されて40数年前に訪れたかもしれないがもうすっかり忘れている、その国立宮殿と文部省とサンイルデフォンソ学院、ベリャス・アルテス宮殿にいってみた。が文部省は見つけられず、サンイルデフォンソ学院は入場料が高かったのでやめてしまった。確かにここの壁画のすばらしさはわたしも承知していたが、たくさん見てもどれがどれだかわからなくなってしまうので、もう十分だった。それよりもこれも息子に指摘されて初めて知ったのであったが、彼はそのガイドブックにあったルイス・バラガンの作品を見てみたいといったのがずっと気になっていた。実はわたしはそれをいわれるまでバルガンの名も、それらが世界遺産に登録されていることも知らなかったし、だから当然見たこともなかったのである。それは行かなければならないと思っていた。中でもこれは観光案内所でもらった地図にも載っていたサテリテタワーTorres de Sateliteは見た目的にもその実物をどうしても見たくなったので、出かけたついでにまたインフォメーションによってその行きかたを聞いていた。それは地下鉄2号線の終着駅クアトロカミノスCuatro Caminosまでいって、そこからコレクティボ(ミクロブス、ワゴン車;日本語でいうところのマイクロバス)でいけるとのことだった。で、時間もあったから地下鉄で往復6ペソを使って、時間的には往復1時間くらい?暇つぶしにクアトロカミノスまでいってみた。そこはまた、そこから先に行くバス・コレクティボのターミナルのようになっていて、どのバスがどこへ行くのか地元の人しかまったくわからないようなごちゃごちゃしたところであった。が、なんとかサテリテと書かれた車も見つけられたので、明日息子をつれてくることにした。ホテルに戻って試しにそのツアーがないか探してみてびっくりさせられた。さすがに知らないのはわたしだけであって、バラガン建築をまわるツアーがでていて、もちろんメキシコシテイで見られるすべての建築を回るツアーであったが、一日コースが100~500ドルくらいしていた。何かの冗談かと思わざるを得なかった。ま、それだけすべてを回るのは大変ということでもあったのだろうけれど、、

<シティ中心部、上からベリャス・アルテス宮殿、順にサントドミンゴ教会(この手前右がメキシコ文部省であったことを後で知る)、カテドラル、テンプロマヨール、国立宮殿、いずれもお馴染み・月並みな写真>

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  そんなことでメキシコシティは見所も多いし、息子も気に入ったようだったのでもう一日滞在を延ばすことも考えたが、わざわざ他に移るのは大変だから、もう一泊するとしたらいくらとそのホテルで聞いてみたら、やはり当初の答えどおり一泊600ペソとのこと、なんかそれもちょっと悔しい気分がした。今と同じ部屋同じ条件で一気に1,4倍になるのでは納得がいかなかった。そこで息子の要望を聞いてその夜は中華料理のバイキング(シティにはこれがけっこう多くて安い、前回その味をしめていた)に出かけ、そこで明日サテリテタワーに連れて行くこと、その代わり延泊はせず明日の夕方のバスでパレンケまで行ってしまうつもりだと話した。つまりその夕食をメキシコシティ最後の晩餐としたのであった。

 最終日、荷物をホテルに預けチェックアウトし地下鉄でクワトロカミノスへ、人に聞いてサテリテにいくコレクティボを教えてもらい30分くらい走ったか、写真で見たトーレ(Torreは英語のタワー)が見えてきた。近くの停留所で降ろしてもらい、しばらくその界隈をうろつき写真に収める、うん、なんか面白くもあり素敵な建築物であった。こんなのものはメキシコ以外で見たことがなかった。その意味・用途を問うのはナンセンスである、十分に美的感覚のあふれた作品に思えた、なるほどとうなづけたのであった。それに満足しまた来た道を同じ方法で戻って片道一人10ペソ(地下鉄3ペソ・コレクティボ7ペソ、二人で往復260円のツアーであった)、時間も余っていたのでそのまま地下鉄を一回乗り継いで今度は南の終点ユニバシダドUniversidadまで行く、そこはこれまたメキシコ一の大学、メキシコ国立自治大学のあるところで、広大な敷地の中に4面を壁画で埋め尽くされた中央図書館と、その隣の建物に描かれたシケイロスの立体壁画で有名だった。そこは前にもきた記憶があったが何度見てもすばらしいもので、そこにたどり着くまでに2~30分も歩いて探し回っただけに息子も感激していた、、そこが今回のメキシコシティ周遊の最終地となり、ホテルに戻って荷物を取り東部方面バスターミナルTAPOへ、これも地下鉄を使っていった、、

<サテリテタワー Torres de Satelite 3枚とメキシコ自治大学図書館・シケイロスの立体壁画;下2枚>

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 さて、われわれの最終目的地は一応グアテマラであり、ここメキシコシティから陸路でグアテマラ入りする場合にその選択ルートがいくつかあった。その詳細については実は別のところに詳しく紹介したのでここでは記さないが、そのうちのひとつにメキシコ・パレンケからグアテマラフローレスに抜けるルートがあり、これは世界遺産となっている二つのマヤ遺跡を訪れるのにもっとも都合のよい人気のルートであった。もちろんパレンケへの途上にも魅力的な街がいくつかあってそれぞれバリエーション(日程・予算・興味)に応じたコース設計はできる、が、ここでも少しわたしのわがままがでて、バレンケも含めだいたいのところは訪れていたので、自分の行きたいところがあったら帰りにひとりでまわるようにいい、できるだけ最短コースでもっとも行きたいところを絞らせたら、やはりパレンケ~フローレスコースとなった。パレンケまでは直通バスが一日一本あった(一日一本しかなかった?)、それがTAPO18:10発のADOのバスであった<TAPOはTerminal deAutobuses de Pasajeros de Oriente、東部方面バスターミナルということであるが、ここの円形バスターミナルの半分はメキシコ最大手のバス会社ADOのターミナルとなっている>。バスターミナルで2時間半待ちとなったが、それはいつものことで苦にはならなかった、、このバスは朝の7時ころパレンケ着なので、その意味でも旅行者にとっては利用価値の高いものであったが、やはり乗客はごくごく少なかった、、