独歩の独り世界・旅世界

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グアテマラ国内の旅 7)ホンデュラスHondurasへ

 わたしの持っていたガイドブックの端のほうに、ちょっとした情報が載っていた、それはここリビングストンから隣国へ船で渡れる、一ヶ所はベリーズ、プンタ・ゴルタへ、もう一ヶ所はホンデュラス・オモア砦へ行けるとのことだった、、が、実際はベリーズへは確かに定期船が出ていたけれどホンデュラスへは人が集まれば船を出すというものであった、、

 当初の予定では船があれば船でホンデュラスに渡ってホンデュラス第二の都市サンペドロスーラSan Pedro Sulaへ出て、そこからバスでエルサルバドルへ抜けるというものであったが、調べた限りではホンデュラスへの船は不定期、7人以上で一人14ドルから、ということのようであった、で、このままバスでグアテへ戻るのも能のない話なので、途中どこかからホンデュラスに入れないか探してみた、そのガイドブックには記載されてなかったが、わたしが持っていたグアテINCUATでもらった地図には、どうやら陸路で抜けられそうな道があった、それはバスがあればの話だがプエルトバリオスからCA9を十数キロ戻ったあたりからホンデュラス国境に向けて細い道が分かれていて、国境付近の村がEl Cinchadoと書かれていた、問題はそこに行くバスがあるかどうかだった、、リビングストンにもプエルトバリオスにもINGUAT(ツーリストインフォメーション)はなかったのだけれど、桟橋近くにプライベイトの観光案内所があったので、わかれば教えてくれ、と聞いてみたら、どうもバス(ミニバス?)はありそうなことをいっている、なので船を陸路に変更すればそのルートは可能なようだった、で、当初の予定は変更せずホンデュラスを目指してみることにした、、その朝7時前に桟橋についてプエルトバリオスへ行く乗り合いボートを待った、、

 7時ころにあるのではないかと思っていったのだけれど、それは7時半だった、が、そこではプエルトバリオスと違ってオフィスがあってちゃんと発券していた、20人乗りのボートは35Qで、何より驚いたのは来るとき1時間半かかったところを30分で着いてしまったことだった、、降りてすぐバスがどこから出ているか聞いてみた、パルケから出ているとのこと、パルケはどうやらリテグアのオフィスの近くのようだったので、まずそこまで行ってもう一度ホンデュラス国境に行くバスはあるのか聞いてみた、そのワゴン車は1ブロックも行かないところから出ていることを教えられた、すぐ目の先、どうやらそこに停まっていたワゴン車がそれらしかったが呼び込みは特にフロンテラと叫んでいたわけではなかった、で、ドライバーだか助手だかにホンデュラス?と聞いたら、そうだ、とのことだった、客はおらず乗り込んで待つ、まもなく4,5人しか客は集まらなかったが、プエルトバリオスを後にした、しばらく走って左折して名前はわからなかったがひとつの村に寄り道して、途中イミグレでわたしだけ降りて出国手続き、まもなく車は国境に着いた、、プエルトバリオスから1時間、9時15分だった、そこまで順調のようであったがひとつだけ腑に落ちないことがあった、完全にぼられたとしか思えないのだが、たった1時間のところ、その助手は50Qを請求してきた、これまでだと相場的に10Qの距離であった、、しかし乗客が少なかったり国境という特殊事情があったのか、それにしても納得しがたかったが、この場合対抗手段がなかった、、次のバスを待つ?結果論だが、後から思えば乗るときにそれを確認し、高いと思ったらそうすべきだった、、執拗にそれは高すぎる、といって50を40Qに負けさせるのが精一杯であった、、

2012_0210_092253p1040055_640x480国境付近、ホンデュラス側 2012_0210_094009p1040057_640x480
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 やけに広々としたホンデュラス側の国境であった、イミグレのオフィスに行く前にたぶんグアテ側だったと思うが両替をした、国境越えにはこれがつきもので、どこにもその手の両替屋がいてくれる、問題はそのレートの良し悪しよりいくら両替するかが問題であった、レートはもちろん最初はかなりふっかけてくるが、こちらがそれではお話にならないといえばたいてい適正レートをいってくる、難しいのはそこでいくら両替するかだ、少しでも損をしたくないと思えば、これからその国に何日滞在するか、そのためにはどこで両替するのが最も率がよいか、当面必要な額はどのくらいかといった先の見通しが重要になる、が、なかなかその場でそんな計算はできない、その国の物価水準もわからないし‥で、このときわたしが替えたのは300Q→705Lだった、、このレートがどうだったかもわからない、ほとんど情報を持っていなかったから、、逆にいうと国境越え・両替時にこれから行く国の通貨情報・両替事情を知っておくことは旅人の基本のキといったところ、知らなければそれだけ損をしてしまう、後から気づいても遅すぎる、、しかし、そんなのはごくわずかなことと達観できる人はまた別だが‥そういう人こそ真の旅人?いや、いやただの金持ち?、または旅を知らない人?、厳しい旅に価値を見出していない人かもしれない、、??

 話はずれたが、何十年旅していても未だに貧乏旅をしている身としては、この両替が微妙に後に影響してくることはわかっていた、だから、そのレートより額が適切だったかが問題だった、結果から言うと今回も失敗してしまったかもしれなかった、、300Qはグアテマラでは約3000円、一日100~150Qで旅してきていた経験で、それほど物価の変わらないホンデュラスで明日はエルサルに抜けるのだから足りると思ったのだ、、が、その辺が旅の難しいところ、、まず、イミグレーションでなんだかわからないが60L(入国税? なおホンデュラスの通貨LはレンピラLempirasの略、1L;4~5円)とられる、、そしてホンデュラスのゲートを歩いて越え、てっきりバスが待っているかと思っていたが(グアテの場合どこでもミニバス・ワゴン車が待っている)そんな様子なく、足があるのかどうか国境の通行人をあてにしている食べ物屋に入って聞いてみた、パスは10時に来るとのこと、しかしまず感じたのはその言葉がよくわからなかったことだ、同じスペイン語なのに、どこか違う、グアテのスペイン語と違うのだった、、が、そんなことよりその食堂は国境のはずれにあって客もそんなに期待できないところだというのに、いわゆるカフェテリア形式、料理された品が数十種類並んでいて客は好きなものを注文できるようになっていた、グアテではまず見ない食べ物屋の形式&その種類の多さ、思わず時間がまだ30分もあったので、その値段も聞かずに朝食として何品か頼んでしまった、、で、それはまた結構うまかったのであった、、つまり一歩、ほんの数十メートルを隔てただけで、当然といえば当然の話だがそこは十分に異国だったのであった、、で、その朝食がいくらについたかといえば35L(150円くらい?)で、そこからのバスがサンヘドロスーラへの乗り換え地点プエルトコルテスPuerto Cortesまで2時間の距離が51L(200円くらい?)だったから、ま、グアテとそれほど変わらないという実感はそのときすでにつかんだのだったが、そのプエルトコルテスでサンペドロスーラへのミニバスに乗り換えて1時間半38L払った時点で残りはもう500L近くになっていた、、つまり、もしかしたらそのときの両替では足りなくなるかもしれないという恐れがはやくもでてきていたのであった、、、

 そこは最果ての国境だったからそのバスがどこ行きでもかまわなかった、ともかくどこかへ出て乗り継いででも大きな街に出なければならなかった、その辺の大きな街とはこの国の第二の都会サンペドロスーラというところであった、、そのバスはプエルトコルテスというそこもかなり大きな港街だったが、そこまで行くバスでそこで乗り換えてサンペドロスーラに出られるとそのバスの車掌に教えられていた、、途中ガイドブックにあったオモア砦Forteleza San Fernando de Omoaというところも通る、そこはちょっとした観光地だったので寄ることも考えたが、もうこの際飛ばしてしまうことにした、、というのも、ひとつにはそこで降りたとしてまたそこからの足を探さなくてはならないこと、またそこまで行けたとしてもそこからの帰りのバスを探さなければならないのがとても面倒に思われたからであったが、それよりもちょうどそのバスが午後の授業(たぶん2部制?)の通学バスでもあったようで、国境で乗車したのはわずかであったが(国境通過者もごくごくわずかであった)、途中途中で通学の学生、たぶん高校生がバス停のたびに乗ってきた、その女子学生のきれいだったこと ! !、どこを見ているんだと顰蹙を買いそうだけれど、わたしの見る限り二つの高校があったように思う、で、そのうちのひとつ、高校生の大半はそのオモアで降りていった、ということはオモアは砦のある観光地であったと同時に高校のあるかなり大きな街だったのである、そして、ま、どこでもその年ころはみんなきれいなのだといわれればそれまでだけれど、少なくともここホンデュラスの女学生はグアテに比べれば美人ぞろいだったので、ということはホンデュラスは女性がきれいな国だということがわかっただけでそのときわたしは満足してしまっていたのだった、だからオモアでは下車せず、そのままプエルトコルテスまでいった、途中左手に見えるカリブ海は、これまた観光地化されておらず村々の素朴さ、美しさがあったし、右手の山脈から流れでている渓流は清らかそのものであった、、プエルトコルテスまで2時間、たぶん終点はセントロであろうから、そこでサンペドロスーラへ行くバスに乗り換えるつもりでいたら、プエルトコルテスの街に入ったあたりでそのバスの車掌と乗客がサンペドロスーラに行くならここで乗り換えろと教えてくれるのだった、予期せぬ出来事にあわててバスを降りるとそこで待っていたワゴン車にわたしを導いてくれた、、何という親切 ! !ホンデュラスは女性だけでなく国民全体が心優しき民なのか!?もしかしたら結構いい国なのかもしれない、とそのときは感じていた、、、

 ま、そこまで順調といえば順調だったが、一方ではプエルトコルテスという街を知る機会が失われてしまったともいえた、しかし善意のワゴン車に乗って快適な道を行く、1時間くらい走って緑豊かなサンペドロスーラの街に入った、、確かに大きな街だということはすぐにわかる、街中を通って終着のターミナルまで30分くらいかかっているのだから、、そのときセントロで降りてしまうか終点のバスターミナルまでいってしまうか迷っていた、、というのは、いずれバスターミナルでバス情報を調べるつもりだったのだが、先に宿を決めてターミナルに行くか、先にターミナルに行って、その後セントロに戻って宿を探すかの順序の問題であった、、わずかの料金だったがその費用も微妙に違ってくる、で、そのままターミナルまでいってしまうほうを選んだ、そこはまだ新しいバカでかいバスターミナルだった、、大型のショッピングモール兼バスターミナルといった建物の中には、それこそありとあらゆるお店(近代的な、というか現代的な)が入っていて、全国各地へ行くバスのオフィスのブースがあった、人ごみもすごかった、その中を歩き回ってエルサルへ行くバス会社を探す、インフォメーションがないのがちょっと腹立たしかった、それがどこにあるのかどこへ行けばよいのかよくわからなかったからだ、バス会社のブースからはこっちこっちと手招きされる、、情報だけでもと思って聞いてみるのだが、いってることがよくわからない、非常にわかりづらいスペイン語であった、、行ったり来たり歩き回ってようやくのことで、たった一社エルサルへ行くというバス会社を見つける、しかしここで問題発生、明日朝6時発のバスがあることがわかったが、その支払いがレンピラもしくはドルだった(ちなみにレンピラ払いで520L、ドル払いで26ドルであった)、、ドルなら‥、しかしそのときドルのキャッシュもわずかしか持っていないのであった、、結局前売りでticketは買えず、しかし席があれば明日朝でも乗れることを確かめて、まずT/Cのドルを両替できるところを探すことが先決と悟った、、早速そのターミナル内にあった銀行に行ってみた、、厳重なチェックを受けてやっと窓口に到達、ほとんどそんな客は来ないのか行員も戸惑った様子、しばらく待たされて上司風の男の行員が現れ、かなり威圧的な態度でここではできない、とっとと帰れというような扱いを受けた、、これが最初だったが、その後街に出て別の銀行も何件か回ったのだが、どこも同じような感じ、つまり最初の銀行の行員の態度がたまたまだったのでなく、ホンデュラスの男性の態度を象徴していたことがわかってきたのであった、、つまりしとやかで美人の多かった女性に比べて、男性はどういうわけか威圧的で横柄、ものの言い方も乱暴に聞こえるのであった、、それがはっきりしたのはそのターミナルでの両替を諦めひとまず街に出て宿探しと両替所を探すしかないとセントロ行きのミニバスに乗ったときだった、その運転手はたまたま前のシートに乗ってしまってわたしの荷物が一座席を占めてしまったのを見て、二人分の料金を請求してきた、、ま、それは仕方のないことだったのかもしれないが、わたしはそれを拒否して荷物をひざに抱えた、それでも彼はそれではミラーが見えないとか何とかいってけんか腰に聞こえる物言いをしてくる、その乱暴な運転にも呆れ、早々に二人分の料金を払ってその車から逃げ出した、、どうもこの国の男にはやさしさがなかった、典型的なマッチョの国なのであろうか??だからかどうか知れないが、その分女性の優しさ(&美しさ)が際だったのかもしれなかった‥??、ワゴン(ミニバス・コレクティボ)をおりホテルを探してうろうろする、市場近くだったから地元客用の安宿を見つける、部屋は空いていたが値段が高い、バストイレつきで200Lくらいのことをいっている、確かにきれいな部屋だったから、そりほど高くはなかったかもしれない、だがそのときそれを払ってしまうともうレンピラの残りがなくなってしまう、、で、事情をいってまず両替しなくてはならない、両替して戻ってくるからそれまで荷物を置かせておいてもらえないかと頼んでみた、、そのおばさんはほんとに慈悲深い感じで了解してくれるのであった、、そのときもう3時を過ぎていたかもしれない、幸いそこはセントロに近かったから街に飛び出してそこら中歩き回り銀行そして両替できそうなところを、人に聞きながら探し回ったが結局それはできなかったのだった(ドルキャッシュなら銀行でできたと思う、しかしT/Cはここでも無理だったのだ)、、徒労に終わって、それでもおかげでサンペドロスーラのセントロはほとんど歩き回ってホテルに戻る、再度相談、もっと安い部屋はない?と聞いてみた、テレビなし、窓なしの部屋なら120Lである、、何だ、早くいってくれといった感じで即決、それで十分だった、、それなら何とかなりそうだった、そのときの戦略として明日のバス代は残りのレンピアとドルキャッシュで払えば何とかなるのではないか?、しかしそうするとして飯が食えるか??ホテル代を払うと残りのレンピアは350Lとなった、、、

2012_0210_154000p1040059_640x480_2サンペドロスーラのパルケセントラルと教会2012_0210_152603p1040058_640x480_4今は廃線になっていたが昔の鉄道駅