独歩の独り世界・旅世界

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『独歩爺最後の旅』グアテマラ その2 Chiquimula チキムラ

グアテ初日の予定はあった。これまでの成り行きでは、ここからAntiguaまでシャトルで移動し、常宿の田代さんのところに投宿する。Antiguaからグアテマラ旅は始まるのであったが今回は少々趣が違っていた。1,以前は田代さん直々の出迎えを頼めたのだがやはりここにもコロナの影響があって、今はそのサービスはやっていないこと。2,そもそも空港に待機していたワゴン車のAntiguaへの送迎サービスがなくなっていたこと(これもコロナの影響)。3,残る手段はウーバー利用しかなかったのだが、わたしはその連絡先を知らなかったし、知っていてもわたし自身のスマホは海外対応になってなかったから、ウーバー利用も諦めざるを得なかった。そんな情報を田代さんからもらっていたので、では少し寄り道してからAntiguaに向かいますと一応連絡は入れておいた。その寄り道先とはチキムラとエスキプラスというところだった。

 

チキムラはホンジュラスと国境を接するチキムラ県の県都で、グアテマラ南東部では大きな街の一つである。マヤ遺跡の中でもかなり重要なホンデュラスのコパン遺跡(当時日本の学者、中村誠一先生が精力的に発掘していた)まではチキムラから2~3時間、チキムラから国境までいくバスに乗り、国境は歩いて超えてさらにミニバスだったかワゴン車だったかで30分くらいでコパンルイナスの街につく。そこから遺跡へは歩いても行けた、いやもう12,3年前の記憶なので定かではないが、わたしがこのルートでコパン遺跡にいったのは13年前に初めてグアテマラを訪れたときだった(その時のブログは残っていると思う)。そう、だからわたしにとってチキムラの街は二度目だったが、その時すぐ近くにあった黒いキリスト像で有名なバシリカのある宗教都市エスキプラスには寄ってる余裕がなく、その後何度かグアテマラを訪問していたが、そういう意味では方向が逆だったので(グアテマラの興味ある見どころはグアテマラシティまたはAntiguaを拠点とすると、ほとんどは西から北方向にあった)南東方向へ足を延ばす機会がなかったのである。ではなぜ今回寄ってみようかと思ったのかというと、1,この黒いキリスト像は、国民の大半がカトリックであるグアテ人にとってだけではなく、すでに世界的に有名で年に一度の大祭には世界中からカトリックの信者が集まると聞いていた。2,今回の旅立ちの前、たまたま1月15日がその大祭の日であることを知った。3,その当日は無理としてもその前日くらいだったらその様子を見ることができるかもしれない、と思って急遽エスキプラス行きを思いついたのだった。つまり1月12日にグアテ着で、13日にチキムラまでいってそこで一泊して、14日チキムラからバスで日帰りしようという計画だった。それにはAntiguaへ行く前の方が好都合だったのだ(アンティグアからはコパンルイナス往復あるいはエスキプラス往復のシャトルバスが出ていたが、普通のバスで行く場合はバスはグアテマラシティから出ていたので)。ということでいくら大勢の参詣客で込み合っているとしてもチキムラなら宿はとれるだろうと思って、数日前にairbnbでチキムラを検索して1/13,14の2泊の予約を入れてあった。なのでその日の予定は、チキムラまでたどり着ければ、というものであったしチキムラへは一度いっていたので、ま、ほとんど忘れかけてはいたが何とかなるだろうと思っていたのだった。

 

その朝、わたしはずっと目覚めていたが先に起きだしてくれたのは彼女の方だった。で、戻ってきたら何回もトイレにいったりして迷惑をかけたのではないかと詫びをいれようと思っていたが、彼女でていったきり戻っては来なかった。半信半疑のままわたしも起きだして、ようやく荷物の整理に手を付けることができたのだった。その荷物の整理はかなり重要だったのだ、というのはここまで持ってきた大量の荷のうち1/3ほどは世話になったグアテの知人他何人かに渡すつもりのものだったのと、これから出かける2泊3日の小旅行に必要なもの以外はすべて預かってもらうつもりだったからだ。その仕分けに1時間ほどを費やし、ようやく目途がついたところで朝食をいただく。ほぼ一日飲まず食わずであったから、普通のグアテの朝食(炒り卵、オートミル、フリホーレス、パンとコーヒー)のおいしかったこと、そのあとここのおおらかで太っ腹の姉御(オーナー)に荷の預かりをお願いし、両替の場所(30分くらい歩くと銀行があるとのことだった)を聞いて、とりあえずはドル払いでokとのことだったのですべて清算して、明後日戻るといって8:15に空港近くのとてもフレンドリーな宿Hostal Guatefriends(booking comで予約)を後にしたのだった。

 

寝不足ではあったが頭の冴えは持続していて、何度か通ったことのある空港前の道を教えてもらった大通りBoulevar Liberacionを目指してひたすら歩いた。いや、以前通った時はバスでだったのだ。で、バス便があるはずだとオーナーに確認してみたが、どうやら彼女は新参者らしくてその辺の事情は分からないらしく、使用人に聞いて今は路線バスはあるにはあるが街の中心へは行ってないとのことだったので、歩くしかなかったのだ。確かに懐かしきバス停は以前の場所にあったが、行先表示は確認できなかったしバス待ちの人もいなかった。そのまま人通りも車の行き来も少ない道を3,40分歩くといわれた大通りに出た。が、果たして銀行があるのは右なのか左なのか聞き忘れており、ま、あてずっぼに右にしばらくと歩くといわれた銀行BIが見えてきた。ちょうど開店時間の9時ころであった。今回初両替$100=763Q(ケツァル 1Q=約17円)それほどレートは変わってなかったのだった。

 

問題はここからだった、ここから目指すべきところはZona1のバリオス広場、13年前は空港前から83番のバスに乗って、そこまで来てこの辺かな?と思って降りたところ、その当時の下街の中心だった。その辺りにはバス会社がたくさんあって、その一つの会社のバスでチキムラへ向かった覚えがあった。その後その辺りにはあまり来たことがなかったが、今回ずいぶん変わってしまったなという想いを強くさせられた。そもそも空港からそこまで一本のバスでしかもバス代が1Qだったことはよく覚えているのだけれど、今はそのバスばかりでなく100番101番の赤バスもティカルフトゥーラTikal Futuraで乗り換えていた40番も、カミナルフユに行くのに使った32番も37番のバスも走ってなかった。おそらくmetro bus網が整備されて、それまでの路線バスに代わってグアテマラシティの足となってきたのだろう、なのでわたしにはどうやってバリオス広場までいけばいいのかわからなかったのだった。

 

その銀行から日本大使館の入っているビルのあるAvenida La Reformaは1ブロックだったので、その大通りに出てみたら向かいのバス停にTrans Urbano青バスが停まっていた。すぐに出てしまうのかと思っていたら、なかなか発車せずそのバスに間に合ってZona1まで行くかと聞いたらokだったのですぐに乗り込んだ。それほど混んでなく座れたが、7Qといわれたときはびっくりしてしまった。まるで時代が変わてしまったかのよう、ちょっと思っていた道と違う道を行ったが、それでもバリオス広場まで3ブロックの辺りで降りることができ、しばらくうろついたがまるで昔の雑踏はなく、時代ではなく様相がまるっきり変わっていることに驚かされる。そしていくら探してもその辺にあった何社かのバス会社が見当たらなくなっていた。昔は危険地帯といわれていたところだったが、いかがわしさはなくなって危険な要素も消えていたのだ。それはともかく乗ろうと思っていたバス会社がなくて弱ってしまった。ウロウロしていたら見覚えのある一社がまだそこにあったのでオフィスで聞いてみると、チキムラに行くバスは当社ではない、今はセントラルノルテcentral norte(つまり北方面のターミナルということになるが、ここからCA9の幹道を行くと、プエルトバリオスとかフローレスといった北方向にある大きな街へ行くバスのターミナルということでNorteの名称がついてるのではないかと、これはわたしの推測)のターミナルからチキムラ行のバスは出ていると教えてくれた。そのターミナルはけっこう利用したことがあったので知っていたが、そこへどうやって行くかが問題だったのだ。以前は先のTrans Urbanoの青バスが走っていたが、その姿が見えなかったしバス停もわからなかった。ひとに聞くとタクシーでいけとか言われてしまう、タクシーにいくらかと聞くと50~60Qとのこと、その時は自称貧乏旅派の気概はまだあったのでタクシーはNGとしモーターサイ?(MOTO、今やいろんな呼び方があるがバイクタクシーのこと)を探す、が、なかなか出会わない、バリオス広場の一角にモーターサイの溜り場を見つけ交渉してみたものの50→45Qまでしか下がらなかった。仕方なくそれを使ったが、その危険極まりない運転に、事故らなくてよかったがタクシーを使うべきだったと反省した(帰りはTrans Urbanoでバリオス広場まで戻れたのだが、結局その乗り場はわからないままになってしまった)。Central Norteへのいき方、乗り場がわかっていれば30分30Qは早く安く済んだと思われるが、結局ターミナル着は11時頃でトータル52Qもかかってしまったのだった。以前から思っていたことだが、グアテ市のバスターミナル構想はもっと早く整備すべきだったし、アクセスを考えた場所にすべきだったように思う。そのアクセスの悪さ・不便さからして明らかに失敗だったのではないかと、よそ者ながら前から思っていたことであった。ま、それはともかく急いでチキムラ行のバスを探す、最も早くでるのは11時半発のRutas Orientales社のバスのようだったので(ターミルなのでチキムラ行は数社あった)ticketを買って待つ、昼に近かったのですいてて座ることができた。そこからは幹道のCA9(Centroamericanas 9 は太平洋岸のSan Jose港から首都グアテマラシティを通ってカリブ海(大西洋岸)のPuerto Barios港を結ぶ重要な道)を行くのだけれど、以前通った時は道路の拡張工事が随所で行われてて渋滞が激しかったが、それがすっかり完成してて片道2車線になってかなりスムーズに流れていた。この道はなんどか通っていて、シティからコバン方面にいく分岐点のEl Ranchoまではほとんど山道で、そこからはRio Motaguaモタグア川を右手に見ながら川に沿って東北東に進む風光明媚な路線である。次の分岐点がRio Hondoというところで、そこを右折してRio Motaguaを渡るとZacapa県の県都Zacapaで、その辺りからまた山道を登って30分くらい行くとようやくチキムラに行きつく、セントラルノルテのターミナルから3時間くらいと聞いていたが、途中工事のため一通の箇所があり到着は15時半になっていた。

centra norteのターミナル

Rio Hondoを右折するとすぐにRio Motaguaを渡る

実はそこからがまた大変たったのだ。その日の宿であるAirbnb Urias氏の家を探さなければならなかったのだが、その場所をコビーしておいたそのものを忘れてきている始末、wifiは繋ながらないし(そもそもwifiの繋がっている店もオフィスもほとんどなかったのだが)残るはあてにならないかすかな記憶だけであった。住所は確かCalle 3の404と記憶していた。Calle3は2ブロックいったところだからすぐにわかったが、ほとんど住所表示のないのその通りをどうやって探したらいいのか、ともかく歩き出すしかなかった。その通りはチキムラの中心部で商店街だったが、歩道は歩きにくく何度かこけそうになった。ともかく暑かったのと、やはり寝てなかったので疲れていたのだ。そのうちCalleと交差する道がAvenidaであることに気づき、住居番号(ほとんど表示はなかったのだが)404は4 Avenidaの前後ではないかとかすかな希望を見出す。歩き始めが11Avenidaだったから7ブロック、30分くらい歩いたところに4 Avenidaはあってその角はレストランだった。もしやと思ってそのレストランに入る、違ってたらそこで飯でも食おうと思っていた。店員にここの住所は404かと聞いたが、この人何を言ってるの、といった感じで、わたしのスペイン語は通じなかった。今度はここにUriasさんという方はいないか、と聞いてみたが、それもチンプンカンプンのようだった、そのとき店員さんよりも若い方が出てきて、もしかしたらairbnbの?と聞いてきた。わたしはyesといったかsiといったか?ともかくそこまでの労苦が報われた瞬間だった。その若者がこのレストランのオーナー(二代目?)Uriasくんだったのだ。あいにく英語は通ぜずわたしのスペイン語もいまいちで、ほとんど会話は成り立ってなかったが、もちろん今日わたしが来ることは知っていたので、事情はすぐに呑み込んでくれた。それから拙い会話が交わされ、ここがあなたのレストランなら、少し休ませいほしい、そして何か食べさせてくれとお願いした。なかなか素敵なレストランで半端な時間なのにけっこう客は入っていて、メニュウを見せてもらってその中から一品を選んでお願いした。そして食事の間彼は席を外してくれ自身の仕事に戻っていった。人気店らしく食事とビールはうまかった。支払いを終え、あとは早く休みたかったのだが、果たしてどこに部屋があるのか、一向にそこへ連れて行ってくれる気配がなかった。仕事熱心で(airbの客なんてどうでもいいといった感じだったのには少々面食らう)30分くらい放っておかれた後、ようやく別の場所にあった従業員宿舎の別室まで車で連れてってくれた。今や世界中に何万件あるか知らないが、いろんなホストがいて当然で、その設備も様々であろうが、そこはわたしの期待した客室のイメージとは相当かけ離れていた。だが、彼なりに尽くしてくれたことは確かだった。部屋に案内され説明を受け、彼は仕事に戻っていったが、わたしはシャワーを浴びてバタンキューであった。3日ぶりに熟睡できたようだった。夕方の18時から夜中の1時まで、まだ時差ボケの影響は残っているようだった。

airbnb Urias氏のレストランで食べたグアテマラ料理(名称不明)とてもおいしかった。ビールをいれて38Qだった。