独歩の独り世界・旅世界

他のサイトに書いていた'独歩の独り世界・旅世界'を移転しました

旅日記 Guatemalaへの道 4) Guatemalaへ

 その朝、空港へ向かう地下鉄の中でわたしは思わず一人で笑っていた、昨日旅行会社での会話を思い出したからであった、わたしは彼女に聞いていた‘ここの地下鉄って朝何時からあるんですか?’とっさに彼女はわたしの質問の意味がわからなかったようだ、が、すぐに理解して‘何時からかは知らない、でも、普通みんなタクシーで行きますよ、セントロからでも遠くないから100ペソで行けます’、そうだろうな、と思った、こんな事聞くのはわたしくらいだろうな、ましてやわたしはビジネスクラスの乗客ではないか ‼ その日のフライトは8時頃だったので6時には空港に着いている必要があった、で習い性というか、その足を心配してタクシーなど毛頭考えもしなかったわたしは地下鉄の時間を聞いたのであった、だからその場のやり取りはそれで終わりとなったが、ホテルに落ち着いた後、街に出たときに近くの地下鉄の駅の場所は確かめたが時間まではわからなかった、その路線の始発は5時だということはホテルのフロントで聞いてわかったので、ソカロ付近の駅に到着するのは5時20分くらいを予想した、ということは5時にチェックアウトすれば間にあう‥

 緊張していたからなのか、連日ほとんど眠れない夜をすごしていた、ドミトリーでも相客は少なく環境は悪くなかったがそれでも夜中の3時頃に若者2人が戻ってきたときにはもう目を覚ましていた、その後ほとんど眠れずにいたので5時のチェックアウトも難儀しなかった、むしろホテルのフロントに人がいなかったので少し焦ったくらいだ、予想通り始発電車には余裕を持って乗れたのだが、1ヶ所乗り換えの電車を間違えてしまった、それでも6時には空港着、荷物をロッカーから出してチェックインカウンターに行ったら凄いことになっていた、すでに大勢の人が並んでいて、とうていその後には並びたくないほどの長蛇の列をなしていた、しかもいくつかあるブースのどこへ並べばよいかよくわからない、それはわたしだけでなくすでに並んでいる多くの乗客が混乱している様子だった、しばらくしてわかったのはその朝の同じ時間帯に飛ぶコスタリカサンホセ行きの乗客とグァテマラシティ行きの乗客が入り乱れていたのだ、で、その指示・案内がいまひとつ不明瞭かつブースの数の少なさと手際の悪さが混乱を招いているようだった、が、その時わたしは自分がビジネスのticketを持っていることにはじめて気づく、たぶんビジネスクラスのブースがあるはずだ、それはすぐに見つかりわたしは多くのエコノミーの乗客の焦り・苛立ちを尻目にまもなくチェックインを終えることができた、ビジネスクラスというのはそういうことか、初めて味わうその爽快感 !! 気分を良くして、おかげで余った時間を利用してマクドナルドで朝食、そこでまた思わず吹き出してしまった、前日15ドルのドミトリーに泊まって地下鉄で空港まで来るビジネス客なんているだろうか!?わたしにしかできない芸当、しかしその落差は!?うん、十分に笑えた、そしてその日利用した航空会社がなんとLaksaだったのだから ‼??

  エコノミークラスはいざ知らず、そのLaksa航空のビジネスクラスは想像以上に快適なものだった、何しろ1列に3席計8席しかないビジネスクラスの右側窓側だったので、どういうわけか帰国時に乗った飛行機から外の景色が全く楽しめなかったのに(高度の違い?)離陸直後から着陸までの2時間、たまたま天気も良かったことも手伝って窓外の景色・Guatemalaの山々を十分に堪能し写真にも取ることが出来た、その間搭乗早々のコーヒーのサービスから始まって出るとは思っていなかった食事も豪華なものだった(たぶんエコノミークラスは食事のサービスはなかったと思う)ビジネスクラスのサービスが至れり尽くせりだということを恥ずかしながら初めて経験することとなった、昨日脳裏から離れなかった予想外の出費・不相応の選択をしてしまっのではないか、という呪詛もきれいに払拭してしまった、話はしなかったが(ボロを出したくなかったので)隣の男性はたぶんアメリカ人?わたしの知り合いの某大学教授に似ていたからたぶん学者さんだったと思う、ま、乗り慣れているせいか、わたしのようにワクワクドキドキを露わにすることなく落ち着いたもんだった、まもなく飛行機は眼下にグアテマラシティの街並みを見下ろしながら降下していった‥

 また新しい空港だった、乗降客は少なく静かな空港という印象だった、その時間たぶん到着便はわれわれの便しかなかったのであろう、入国手続きはいたって簡単スムーズに終了し30分後には空港の外にいたと思う、ビジネスクラスの乗客だったわたしはここでまたただの貧乏旅行者に戻った、というのも空港から街まで普通はタクシーを使うのだろうけど(たぶんそれもそんなに高くないはず、またシャトルバス-10人乗りくらいのワゴン車-もあったはず)しかし、わたしはダウンタウンのセントロまでバスがあることを知っていたのだ、しかもその料金は1Q(ケツァル、グアテマラの通貨単位、日本円にして1Q約10円)、空港を出たところにあるはずのそのバス停まで、しかし行き方がよくわからなかった、歩行者用の出口がなかったからである、しかたなく2階の一般駐車場の出口から歩いて外に出た、そしてバス停を探す、それはすぐに見つかったが乗り方がわからない、セントロのゾナ(Zona)1に行くというバスを2,3度見送ってバス待ちの乗客に確かめて次に来た83番のバスに15kgの大荷物と一緒に乗り込んだ、相当ボロの(ついついメキシコと比べてしまうので)椅子なんかがたがたのそのバスの、しかしなぜかほっと安らぐ、その理由はなんだろうかとその時思う、ひとつはやっと着いたか、という達成感・安堵感?、窓から吹き込む風のさわやかさ、澄みきって晴れわたった空、暑くなく寒くない快適な気候、遠くに山が見えている、町に近づくと少し混んできたが、英語が出来る乗客がしきりに話しかけてくる、どこまで行く?何か困ってることはないか?雰囲気がとってもフレンドリーだった、思った通りではないか、予想したとおり素晴らしい国ではないか!!バスに揺られていた3,40分ずっと言いようのない喜びをかみしめていた、3、40分走って1Q(約10円)町の中心から歩いていける国際空港というのをわたしは知らないが、あったとしてそこを除けばグァテマラシティ約10円、メキシコシティ地下鉄で約20円、グアテマラとメキシコは世界で一番と二番のアクセス料金の安い空港だった?そんなことも満足感のひとつだったかもしれない、それでも今どこを走っているのか、懸命になってガイドブックの地図と町の街路表示とを見比べていた、下町の安宿がたくさんある辺りで満員になった乗客をかき分けるようにしてバスを降りた、すぐにホテルを探しているのか?どこへ行くのか?と声がかかる、その辺は非常に危険地帯だということは知っていたので、全て無視して通り沿いの鉄格子で防犯対策がしっかりしていそうなホテルをあたってみた、バス・トイレつき80Q、大体予想していた相場だったのでそこに決めてしまう、それにしてもそのホテルまでの数十メートルの間(そのあたりは下町の繁華街であったが)商店という商店は全て鉄格子をとおしての商い、治安の悪さを物語っているかのようだった、そうしてGuatemalaシティの安宿にようやく落ち着くことができた、それは2010年12月10日昼の12時頃だった、、

 ともかくGuateまで来た、宿も確保した、ほっと一息といったところ、荷をほどき、少しのんびりするつもりだった、その日の午後はぶらぶらと街を歩き回る、すぐ近くのバリオス広場、その脇にあった昔のグアテマラ中央駅跡の鉄道博物館、そこから北上してパルケセントラル(中央公園)その一帯のカテドラル、国立文化宮殿、大統領官邸、中央市場まで、その辺一帯はゾナ1と呼ばれるグアテマラシティの旧市街、しかし庶民の繁華街として最も賑わっているエリアでもある、3~4時間歩き回ってGuatemalaの大まかな雰囲気をつかむ、帰りに銀行で両替して宿に戻る、夕食は付近に安食堂がたくさんあったが、ちょっと敬遠して路上のタコス屋で3ヶ10Qのタコスと15Qで鉄格子越しに缶ビール500mlを買ってホテル、といってもベッドひとつの安宿の部屋で食事、その日の夜は久しぶりにゆっくり眠れそうだった、しかしほとんど予測していなかった寒さに何度も目を覚ますことになる、持っていた衣類を重ね着して凌いだが結局細切れ睡眠となった、それでもあくる朝の寝覚めは悪くはなかった~

Img_2349jpg_blog Img_2354jpg_blog Img_2364jpg_blog