独歩の独り世界・旅世界

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中欧 バスの旅 16 ) オラディア/ルーマニア

 正直言ってこの旅に出る前にルーマニアで知っている街はブカレストとティミショアラだけであった、、ブカレストはあまり興味がなかったがティミショアラへは行ってみたいと思っていた、、しかしルーマニアという国についてはくわしくは知らなかったが、旅人にとってはとってもいいところだと聞いたり読んだりしていた、、なのでわたしにとってもルーマニアは今回の旅のハイライト・最終目的地みたいなところだった、、では具体的にはどこへ、というのがここまで来ての問題であった、、ブダペストからブカレストまでのバス便はなかったのでこの時点でブカレストおよびモルドヴァの5つの修道院は断念した、、あとはどこがポイントか?ガイドブックを見ててシギショアラというところに2つの世界遺産があることを知った、、鉄道が通っているので国境の街アラドまで行ければ後は何とかなるだろうと思っていた、、が、アラドへ入るバス便もなかった(後で知ったことだがブダペストから汽車だったらアラド経由でシギショアラまで行けたのだ)、、で、その朝わたしはアラドより北に位置する国境の街オラディアに向かうバス(ワゴン車)に乗っていた、、

 その朝トイレに起きたとき同宿の彼女の部屋の明かりはすでに点いており5時過ぎに彼女はでていった、、続いてわたしも7時には同じポストに鍵を入れて宿を後にする、、地下鉄を乗り継いでバスターミナルへ、、そこで予備食にとパンを仕入れた、、そこまではよかったのだがさらに念のためルーマニアの通貨に換えておいたほうがよいかなと思って、そこの両替所で聞いてみるとできるという、、で、とりあえず20ユーロをルーマニア通貨に換えた、、後で明細を見たら20ユーロは一旦ハンガリーフォリントに換え、さらにそれをルーマニアの(RON)レウに交換されていた、、ま、当然といえば当然の話だったが、ここの交換レートは少なくともユーロ→フォリントは街中と比べると1ユーロにつき40フォリントも低かったのだ、、つまり前回20ユーロ今回20ユーロで合計40ユーロ×40フォリント=1600フォリント損したことになる、、昨日のバス代のシニア割引1500フォリントはその隣の窓口の両替屋でチャラ、いや正確に言うと100フォリントのマイナスということになってしまった、、われながら自らの軽率さに呆れてしまう、、ま、両替なんて気づかなければ?気にしなければ?(レーとを)知らなければ?それはそれまでのことなのだけれど‥、、

 乗客8人を乗せたワゴン車はプスタで有名なハンガリーの平原を疾走してルーマニアに向かっていた、、ルーマニア内の国境付近にはハンガリー人も多く住んでいたから乗客がハンガリー人なのかルーマニア人なのかわたしには判別できなかったが、いずれにしろみんなおとなしかった、、ルーマニア人は陽気と聞いていたからもしかしたらほとんどはハンガリー人だったのかもしれない、、そういえば今朝の地下鉄内でもしゃべっている人はほとんど見かけずどちらかというと暗い表情の人が多かったように思う、、それは国民性なのかあるいは経済状態があまりよくないという政治性の問題なのかはよくわからなかったが‥??、、いずれにしろ12時少し前に着いた国境でパスポートチェックを受けたのはわたし一人だった、、なんか久しぶりにパスポートにスタンプを押され、国境通過の手続きがわずらわしいというよりむしろうれしく思ったほどだった、、国境を出て15分も走ると大きな街に到着した、、そこがオラディアで12時15分ルーマニアタイム13時15分だった、、右も左もわからなかったのでワゴン車のドライバーに聞くとすぐ前の建物がオラディアの鉄道駅で、もしまたブダベストに戻る場合はこの場から車が出ていることを教えてくれた、、今回ルーマニアへは荷を3分の1くらいに減らしてきたので、小さなバックひとつの身軽さであった、、早速駅に行ってインフォメーションでシギショアラまで行けるか聞いてみる、、次の汽車は18時43分までない、、もしそれでよければ目の前の窓口で乗車券が買えると、ちょっと怖そうな、しかし親切なおばさんが教えてくれた、、なんかいいタイミングに思えたのですぐにそちらへ移って乗車券を買う、、すべて電算管理でその窓口のおばさんは端末をたたいて発券してくれた、、18時43分発シギショアラ到着夜中の1時35分だけれどそれでいいかと聞くからOKと伝えてその額51.7レイを払う、、約1500円くらい?ずいぶん安いなと思った、、さてticketを手に入れ夕方まで5時間近く時間があることになった、、駅構内のベンチに座ってブダペストで買っておいたパンをかじりながらさてどうするか?時間つぶしは街をぶらついてみるしかないなと食事を終えて歩きだす、、中心部への方向はまったくわからなかったがあてずっぽで左方向に進んで行った、、結果的にそれは当たりだった、、15分も歩くと古い建物が見えてきた、、おー ! いい教会があるではないかとカメラを取りだす、、が、それはほんの序の口だったのだ、、知らないことほど感動は大きくなる、、歩めば歩むほど出てくる出てくる、、えっ、いったいこの街は何なんだ ! !、、驚きと感動の連続となった、、古い建物古い街並み、、それもイスラム・トルコの面影がでてくる、、そう、たぶんここはオスマントルコに支配された土地だったのだろう、、当時の建物がそのまま残されていて、後に訪れることになる多くの歴史的建造物を有する世界遺産の街々に勝るとも劣らないほど、この街もまだ現役としてその中心部に現存していた、、2~3時間歩きとおして何枚もの写真を撮りまくった、、期待しなかった分、知らなかった分この街がわたしに与えたインパクトは強く大きかった、、それはそのままルーマニア全体の印象に繋がっていった、、つまりこういう出会い(即ちガイドブックにのっていない、だから予定してない・期待してない遭遇)が旅を楽しくさせるし、その国を好きにさせるのだった、、

ブタペストのバスターミナルのユーロライン窓口と左端が両替所2010_1016005jpg_blog

オラディアという街;5枚 2010_1013_210009p1020778_640x480_22010_1013_211402p1020781_640x4802010_1013_212856p1020786_640x4802010_1013024jpg_blog2010_1013026jpg_blog