独歩の独り世界・旅世界

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アメリカ・メキシコ・キューバの旅 その6) グァナファトGuanajuato

 この美しい町をわたしの拙い文章力で表現する自信はない、その後何年かして世界遺産の映像で見たことがあるが、今はそういうビデオが簡単に手に入るから、手っ取り早いところでそれはお勧めである

 寒くて寝られなかったのは、その町が中央高原に位置したからである、標高2000mいくら緯度が下がったといえ寒いわけだ、防寒対策は充分でなかった、しかしその分空は高く空気は澄んで青空が眩しいくらい、すがすかしい朝を迎え、空腹をかかえ早速町までバスでくりだした、この町の面白いところは構造が3層になっていること、それほど広くはない市内中心部は歩いて回るのに適当な広さである、そして石畳みが敷かれた小道・路地は道幅が狭く車の乗り入れができないようになっている、その代わり地下に縦横にめぐらされている車道、それは歴史を感じさせられる趣がありわざわざ車のために作られたものではない、昔の地下水路だったらしい、そんな地下道のどこかでバスを降り地上に出る、太陽が眩しい、はじめ自分の位置を確認できなかったがもっていたガイドブックを頼りにすぐに地理を把握、主だった建物・教会・広場・公園・市場と2~3時間で歩きつくした、もちろん市場でのこの上ない朝食、肉・野菜・コリアンダーたっぷり(特にそう注文した)・サルサメヒカーノがかかったでっかいパン(トルティーヤorトルータス?)がなんともうまかった、そしてもう1層は丘の上、市街のはずれから細い道を登ってたどり着いたところにピピラ(独立戦争の英雄?)記念像が建っている、そこからの眺めは圧巻、町全体が見渡せ、赤い屋根・白い壁の建物、遠くに見える山並みと調和の取れた町全体が醸し出すなんともいえない美しさ、しばし時を忘れる‥

 スペインの侵略の歴史は残虐きわまる話が多く、インディオ側から見るとそれは悲惨な物語が延々と続くが、一方その侵略の過程のなかでこのような美しい町が築かれ、その後繁栄し発展して今日に至っていることを思うと複雑な気持ちになる、ともあれここはスペイン人の植民地としてのプラス遺産(現在は世界遺産)、そのコロニアル風・中世ヨーロッパ風の趣を今では観光都市としてしっかり受け継がれているのに本当に感心させられた、その落ち着き・雰囲気・そして空気のすがすがしさは、ビデオでは決して伝わらない、行った人でないと味わえないメキシコのなかでも特に美しい町であると思われた

 さて、午前中でほとんど見て回れたので(ここは恋人か愛する人と訪れゆっくりそのロマンティックな雰囲気に浸るのがふさわしい)旅を急ぐべく、午後のメキシコシティ行きのバスに乗る、メキシコはお隣のアメリカの影響か、地続きのためバス網が発達しており、またバス会社も多く競争が激しく、したがってバスも高級車がずらり、サービスもそれそれれ各社工夫を凝らしている、わたしが選んだメキシコシティ行きのバスは、なんとランチつきで210ペソであった(ランチのつかないもっと安い会社のバスもあった筈&どんなランチだったかは忘れた)、そして30年前より確実に道路がよくなっていることも実感させられた、快適なバスの旅はグァナファトから5時間、1999年12月20日17時30分にメキシコシティの北部ターミナルに到着し終わった