独歩の独り世界・旅世界

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一年ぶりのお遍路 2,初日~2日 松山 53,52,51,50,49,48,別格9,46,47番

 他人の偉業に畏れをなしていても何も始まらないから、それはそれワレはということで、ともかく今回の遍路模様を記していきたいと思う。しかしながら前回申し上げたような、お遍路効果によるプラス連鎖は結果として、あるいは後半になって表れてくるのだけれど、逆のマイナス連鎖というものも世の中には確実にあるようで、今回の四国旅の初日はさんざんな目にあったのであった。いやそれは言ってみれば自業自得というやつで、すべてわたしの落ち度の結果として現れたことだったから、その持っていきようのない悔しは2~3日尾を引くことになった。なんとなればわたしの予約していた飛行機のticketはつまらないミスで搭乗できず、新たに新規でticketを購入せざるを得なくなって、もっと早く気付いていれば払わなくて済んだ一万数千円をその航空会社に献上しなければならなくなった、ということだった。この初っ端の躓きは、というか一万数千円の予期せぬ出費は(ま、誰でもそうであろうが)わたしには相当堪えたのである、怒りのぶつけ先が自分だったから余計腹立たしくもあったのだ。なんとも幸先の悪いスタートは前日のPCのトラブル(それは遡れば3月から続いていたのだが)に続く負の連鎖に思え、その連鎖を断ち切れるかが、もうひとつの目的となった(わたしの場合通常お遍路には願意、目的といったものをほとんど持っていないのだが)。いずれにしろ今回の予定は一週間だったが松山から高知までを(だからどちらかというと逆打ちとなる)、ま、はっきり言ってできるだけ歩くが電車もバスも使ってといったかなり軟弱な心構えであったことを(前回も言いましたが)先に言っておきます。ということで最初の札所は53番円明寺だった。

関東では梅雨空のその日、関西・四国方面の天気は悪くなく、車窓?窓外?を楽しむ     

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  初日は松山空港着が12時過ぎであったから、当初からその日は53番と52番だけの予定であった。この53番はわたしにとってはとても思い出深いところで、そもそも初めてわたしがお遍路をはじめたとき、それは4年前だったが、その最初に打った札所だったからだ。そのときのブログにその経緯は書いていると思うが、かねがねお遍路をやってみたいと思っていたがそのきっかけをなかなか掴み切れずにいたわたしは、一計を画して愚奥とその姉とを伴って道後温泉に行く計画を提案する。そして到着した2日目にタクシーをチャーターして(初日に必要な遍路用品をそろえた)、最初につれてってもらったのがこの53番円明寺だったのだ。そこでタクシードライバーに巡拝の手順を教えてもらって、初めて納経帳にご朱印・墨書をいただいたところであった。その後のことも簡単に記しておくとそのタクシーで52番、51番へ連れてってもらって、50番繁多寺でわたし一人が降り、わたしはそこから歩き始めたというのがわたしのお遍路の始まりだった。そのあと愚奥と義姉はタクシーで松山を見物してその日か、次の日に帰ったはずだ、その義姉はそれから2年後に癌で亡くなっている、今回の遍路はその弔いも含まれていた。わたしのような変則的な区切りうちをしているものにとっては、やはり札所のまとまりというのがけっこう重要で、この二周目の遍路もやや逆打ち的に回っているのだけど、去年の時点で松山の前のまとまり、つまり今治の59番から54番のまで終えていたので、今回はまた53番から下っていくということになったのだ、だからそれはちょうど4年前の夏の再来ルートとなったのであった。そして、今回は飛行場から空港リムジンでJR松山駅へ、少しでも楽をしたかったから(前回の記事に書いたことだが、そもそもこの辺の発想から改めなくてはと思う)13:06分発のワンマンカーに二駅乗って13:20ころ伊予和気駅に降りた。そこからは歩いて5~6分、13:45頃に打ち終えて納経所で、うろ覚えだったが最初の墨書をしてくれた初老の方からこの時もご朱印・墨書をいただき、52番への道を確かめた。前の道をまっすぐ、2kmだと教えていただき、53番をあとにする。前回はタクシーで向かった道を歩くが、久しぶりの2kmはまだ楽勝であった。

伊予和気駅;2枚

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53番円命寺;3枚 

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 この53番は最初のときもそうだったが、比較的お遍路さんは少なく静かな印象を今回も感じていた。52番へはその時はタクシーだったが、けっこう山道を登った記憶があった。山の上のほうにある本堂と大師堂を打ってそこから納経所のあるところまで少し下る、ご朱印をいただいてから、山越えして松山観光港のほうへ出るには、今下ってきた本堂への道をそのまま登っていけばいいのですか?と墨書を認めてくれたお嬢さんに聞いてみると、その道は整備されてないから、観光港へ行くにはいったん下ってトンネルを抜けて行ってくださいといわれた。もちろんその忠告には従って、それで地図で確かめると、それは当初の山越えして高浜という駅に出ようとしてその道を行こうとしたのだけれど、いわれたルートだとその倍は歩くことがわかり、そのルートも放棄、わたしはただ松山に戻る電車の駅に出られればよかったので、より近いであろうと思われた伊予鉄の三津という駅まで40分歩いた。そして電車で松山の大手町というところまで乗って16時には、その近くのビジネスホテルにチェックインしていた。まさにeasyなお遍路の初日だった。これまでにビジネスホテルはそれほど利用したことがなかったが、低料金のそこは至れり尽くせりでコーヒーのサービスから朝食までついて一泊4000円は利用価値大と思われた。コンビニ飯とビールの夕食に1000円もかからなかったから、ま、民宿の夕食も楽しみなのだけれど一泊二食付で6000円~7000円の相場を思うと経済的なメリットはビジネスをテルにありそうだった。その恩恵に次の日も与ることになる、、

52番太山寺;6枚

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f:id:dopponotabiroku:20200420121855j:plain一ノ門;上と下;山門

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かなり山の上に本堂と大師堂  

納経所

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三津の港と伊予鉄道の三津駅

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 二日目 6時半からの朝食はミニバイキング方式で質量ともに十分、そしてこの朝わたしはそのBH(ビジネスホテル、以下同様に表記)で自転車を借りることができたのだ。もともと松山市では観光用自転車を一日300円で借りることができ、その場所も数箇所あって、またどこでも返すことができるということを以前利用したことがあったので知ってはいた。そして今回も近くの松山駅で借りて、51番~46番は自転車で回るつもりでいたのだ。そのことを前日フロントのお嬢さんに話したら、そんなの借りなくていい、ホテルの自転車を使ってくださいといってくれたのだった。たった300円の話とはいえ、その好意が嬉しく遠慮なく使わせてもらうことにする。出発は7時半、まずは市内を抜けて51番石手寺に向かう。通学の高校生の自転車組みに追い抜かれながら、だいたい市内の地図は頭にあったから30分で石手寺に、次いでそこからの自転車での時間を記しておくと次の50番繁多寺へは20分、49番浄土寺15分(この寺の手前だけ登れなくて降りて自転車を押した)、48番西林寺まで15分、札始大師堂10分、別格9番文殊院10分、46番浄瑠璃寺15分、47番八坂寺を最後にしたのだけれど浄瑠璃寺から約5分のそこに到着したとき、ちょうど12時を知らせる音楽?(メロディだったか?)が、どこかから流れてきたのだった。そう、最初のころは一回の巡拝に30分くらいかかっていたが、慣れてきたからか決して手抜きはしていないが、一ヶ所20分くらいで打ち終えていた。そして12時20分に予定の7ヶ所を打つことができたのは思ってた以上の早さだった。もっとも最初のとき、53,52,51番はタクシーを使ったが、そのあと歩きで同じく46番までその日に打っていたのだから、それを思えばそのくらいの時間に着いても不思議ではなかったのかもしれない、もし黛さんの本を読んでいなければ、自転車遍路は場所によっては楽な手段ですよと、声高に宣伝しようかとそのときは思ったのだけれど、なんともあまりお勧めはできなくなってしまったはいた。ともあれ、どんな手段で回ろうともそれを誰も問うことはないのだから、その人なりの打ち方でいいとも思う。帰り道に昼食をとって、15時には松山駅前のBHに戻っていた。

石手寺への途中、松山城松山城公園、県庁 

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51番石手寺;6枚 

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50番繁多寺への道にあった三島神社

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50番 繁多寺;6枚

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49番浄土寺;3枚 

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48番西林寺;3枚 

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最初の時は足を引きづって渡った重信川;2枚 

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札始大師堂;2枚

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別格9番文殊院;2枚

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47番の八坂寺を飛ばして先に46番浄瑠璃寺へ;4枚   

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最後が八坂寺;5枚    

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帰路に荏原城址あとに寄る;3枚 

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関東では見かけないラーメン屋で昼食

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松山駅前のホテルと松山駅

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 このホテルには少し離れたところに本館と呼べるような姉妹店があって、そこにいけば大浴場に入れて19時から毎夜カレーのサービスがあり、それは姉妹店のホテルに泊まっている人でも利用できると聞いて、もちろん出かけた。ともかくそこではウエルカムドリンク、フリードリンクサービスとして、アルコール類の提供もあったのでまさに驚きだった。このホテルはきっともっと伸びていくだろうことを確信して、その恩恵に浴した。帰りに松山駅で次の日から利用するフリーticketを購入し、コンビニで酒類を調達して宿に戻り明日に備えたが、本を読む前だったから、いってみれば超気軽なだらけたお遍路行、黛さんの本に倣って言えば、もしかしたらご朱印集めのスタンプラリーに堕したそれになっていたようだった、、