独歩の独り世界・旅世界

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チュニジア・イタリア紀行 12,アマルフィ~ナポリ Napoli

 当初の予定では、その日はairbnbで予約してあったナポリNapoli泊で、ナポリまでだったらアマルフィから乗り継ぎがうまくいけば4時間くらいで着けそうだったが、ちょうどその中間にポンペイ Pompeiという知らない人はいないくらい有名な世界遺産があったので、それを飛ばす手はないだろうと考えていた。が、その朝になって予定を変えたのだった。つまり、それほど重くはなかったとはいえ、また預かってくれるところはあったであろうが、荷物をもってPompeiをうろうろするのはどうもなぁ、と思ったからで、なら、いっそのことアマルフィからはどこへもよらずにナポリにいってしまおう、そして次の日に改めてポンペイに行くということでいいのではないかと考え直したのだった。いずれにせよ電車は乗り放題だったし、ナポリは最初から二泊を予定していたのだから、特に問題はないだろう思われた。それで、その朝はいつものように6時には起きていて、朝食は8時からとのことだったので、朝の散歩にでかける予定をだったのを、まず到着時間の変更をその日のホストGiovannaにmailで知らせることから始めなければならなかった。インターネットを開くと他にもシラクサのレビューを書いてくれとか、Carmenからサレルノまでのバスはどうだったか?といったmailが入っていて途端に忙しくなってしまった。それでもGiovannaにだけは送ったが、あとは後回し、優先順位からするとやはり朝の散歩が重要だったのだ(Carmenにあなたのいった通りだったと返信を送りたかったが、それも後回しにしてしまった。というのも一応英語で送るのだけれどiPadの扱いに慣れてなくて時間がとてもかかるからだった)。

 ヨーロッパのホテルはだいたい朝食付きが多いから、我々のような貧乏旅行者にはことのほかうれしく感じる。そのホテルの朝食は8時からだったから、それまでには戻るとして、それでも一時間くらいは歩けそうだった。とりあえずAtraniまは行ってみるつもりだった。というのは、この素敵な街を前日に3回バスで通っていたけれど、バスだと写真が撮れなかったからだ。歩いても2~30分くらいではないかと思っていた。まずいったんAmalfiの広場、海岸縁のバスターミナルまで出て、そこから最初は遊歩道を行けたがすぐに直接道路を歩かなければならなくなる。それでも岬をひとつ越えるとAtraniの街が見えた。狭くてちょっと恐ろしい(舗道のない)トンネルを抜けるとAtraniの街で、何枚か写真を撮る。ほんとはさらに先の前日登ったRavelloへの分岐の街Castiglioneまで行きたかったが、時間的に諦めざるを得なかった。写真だけ撮って、きた道を戻ると、不思議な建物が目についた。確かガソリンスタンド(あるいは駐車場?車が何台か停まっていた)のようなところの脇だったと記憶しているが、なんかの看板があってよく見るとそれは建物ではなく道の案内で、その先がトンネルになっていた。どうやら歩行者専用のトンネルが、岬の手前から掘られていてアマルフィの広場まで通じているようだった。トルネルからだともちろん景色は全く見えなくなるが、しかし考えてもみれば地元の人にとっては安全な近道ということで、たぶんその時は通学の児童が歩いていたと思う。こんなのがあったんだ、いったいどこにでるんだろうと興味津々でそこを歩いていった。出たところはDuomo広場の裏側、たしかAmalfi政庁のある広場だったと思うが、そこから海岸通りはすぐでターミナルもDuomo広場にも近かった。が、これは逆からだと、ちょっとわかりにくいところで地元の人しか知らない道のようにも思えた。

朝のDuomo広場、観光客の落すゴミの量も半端ではなさそう、、Img_4429_480x640

Amalfi全景;2枚Img_4430_640x480Img_4431_640x480

Atrani;3枚Img_4433_640x480岬を越えた辺り、向こうにトンネルが見えているImg_4434_640x480せっかくの日の出も天気いまいちImg_4435_640x480Atrani 全景

この先のトンネルがわたしが戻った道Img_4436_640x480

 ちょうど8時ころホテルに戻って、このときも一番で朝食をいただく、といってもコンティネンタルスタイルの朝食は飲み物とパン・ジャム・バター・チーズといった質素なものだったが、そのパン一個が大きくで食べきれないほどのものが二つもでていて、いつもだったら一つは持ち帰りにするのだけれど、何故かそのときは手をつけずに置いてきた。8時半にチェックアウトしてバスターミナルにいくと9時発らしいソレントSorrento行きの始発バスがすでに待機していたので乗り込んで待つ。早めにいったのが正解で出発間際はギュウギュウといった感じの混みようだった。その乗客の半分くらいは、途中のポジターノ他のバス停で下車していったから、どうも長期滞在者風のツーリストが多かった。いずれにしろこの路線もポジターノまでの約1時間は目が離せない絶景の道を行くので左側の座席は必須であった。しかし思うところもあった、早晩(いやすでに始まっているのかもしれないが)この道はパンクするだろう、つまり機能麻痺に陥るのではないかということであった。それでなくとも海岸線の崖っ渕にかろうじて造った細い道である。すでに渋滞はいたるところで発生していた。今の世の中、世界中からやってくる観光客で溢れているから必然的に大型バスの通行が増しているが、大型バス同士は交わせない道の狭さである。だから乗用車も追い越しはできないし、そんなことをしたら危険極まりない道でもあった。ところどころに通行を規制する監視員のような人が交通整理をしていたが、すでに限界にきていることは明らかであった。それでもこの時期はオフシーズンだったのである。おそらく夏場この道は、ほとんど動かないのではないかと想像することは容易にできた。いくら夏が素晴らしくても、夏場に来るところではないかもしれない、そして大きな事故でも起きなければいいのだが‥と思ったのであった。

Amalfi~Sorrento間;7枚(海が左側の場合は進行方向、右側は後方の写真)Img_4439_640x480Img_4443_640x480Img_4445_640x480Img_4450_640x480Img_4451_640x480Img_4454_640x480Img_4456_640x480

これは前日に撮った写真で、道路の狭さの参考までImg_4402_640x480

この写真はSorrento湾Img_4458_640x480

 ソレント着は10:50だった。この間を1時間45分で来たのだから、まだ順調だったといってよかったかもしれない。ソレントは歌にもなってるほどだから、その街自体すでに有名なところであったが、カプリ島へ行く船の出るところとしても多くの観光客を集めていた。しかし、ソレントもカプリ島も、いずれも若い人たちカップルやグループで楽しむ場所と勝手に決めていたから、躊躇わずパスしてヴェスビオ鉄道でナポリまでいってしまうことにしていた。バスはその駅前に着いたので、そのまま駅舎の階段を登ると次の電車は11:05となっていた。が、どういうわけか突然その電車はキャンセルになって、結局その次の11:25発ということになった。その電車のナポリ着は12:35で、はじめのうちはほとんど観光客で占められていた電車は満席状態、途中ポンペイの下車駅Pompei Scaviでほとんどが降りて、その後は地元民の電車となっていった。ガイドブックをみていて、地下鉄に乗り換えるには終着駅でなく、一つ手前のNapoli Garibaldiなのかと迷う。その駅でほとんどの乗客が降りたのでわたしもそれにしたがったのだが、それが正解であったようだ。あとは案内にしたがって、まだ新しそうなナポリ地下鉄駅まで、、そのあと何度も(ローマでも)経験して慣れたが、イタリアの地下鉄の地下の深さに最初は驚いたものだった。何しろバカ長いエスカレータを確か3度乗り継いでの地下ホームだったからである。そこからはGiovannaに教えられたとおり、7つ目の駅Sarvator Rosa駅まで座っていく。その駅はエスカレータを4つ乗り継いだ(2回目からはエレベータがあったことを知り、エスカレータは使わず)。駅を出ると目の前は細くてゆるい坂道になっていて、一方通行の道に車の通行はほとんどなく、人の姿のまばらだった。そこからも的確な指示があって、その道を渡りゲートをくぐって少し登るとマンションがあるとのことだったが、その通りで駅から3分に偽りなく(といってもホームからではなく駅をでてから)目的地の住所にたどり着いた。ナポリ駅からは30分ほどだったか?、問題はここからである。というのも今までほとんどのマンションがそうであったが、該当する部屋が正しくて、そこに誰かがいての話である。当初は夕方着予定といってあったのを、急遽今朝予定を変更してその旨のmailを入れてはおいたが、見てくれている保証はなかった。案の定、応答はなかったのであった。いや、こういう時困ってしまうのである。どうしよう、果たしてここでいいのかも不安だった。で、またも最後の手段を使った、telである。幸いGiovannaがすぐに出てくれて、英語はわからないはずだったが、何とかわたしがそこについているということはわかってくれたようだった。すぐに行くから、といった返事が返ってきたからである(どうして会話が成り立ったのかよく覚えていないのだが)。ところがこれも不思議なのだが、てっきり本人(かご主人)がどこかから駆けつけてくるのかと思っていたら、20分位して中から中年の男性が出てきて、お待たせしましたとか何とかいって(そのときの会話も覚えてないというか、状況が語ってくれてるので)そのまま6階まで案内してくれた。あとでわかったことをいくつかまとめると、まずそのマンションはGiovannaのご両親の住まいで、たぶん妙齢な美人Giovannaが子供時分に過ごした部屋を提供してくれていることは、昔のさまざまなものが残っていた部屋の様子からしてわかった。今は、結婚してそこには住んでないようであった。ともかく部屋が5つも6つもある贅沢なマンションは、今まで泊めていただいたどこもそうだったように調度品は立派で、かなり裕福な家庭、住まいであった。わたしを招いてくれた男性は彼女のお父さん、わたしとそれほど変わらない年齢で、すでにリタイアされているようだった。奥さんもいて、もちろん挨拶したが、英語はご主人しかわからないようだった。で、わたしはご主人と主に話をし、鍵をもらいハウスルールを確認した。そして可能だったら、と聞いてみると、OKだったので洗濯をお願いした。そのあと1時間くらい片付けをしているうちに洗濯が終わり、それを干してから外出した。ともかく人の良い老夫婦で、特にやかましいこともややこしいこともなかったので、この宿も当たりといってよかったが、どうしていなかったはずの住人が中から出てきたのか、とか、何でそのこと(ご両親の住まいであること)を彼女は前もって言ってくれなかったのか、そしてホストである本人はどうして一度も顔を見せなかったのか、といったことが不思議というか疑問として残った。というか、このイタリア美人に会ってみたくてこの宿を予約したのにそれが適わなかったのが、少々不満として残ったということであった。

ヴェスヴィオ鉄道Sorrento駅;3枚Img_4461_640x480Img_4462_640x480駅前のAmalfi行きのバスを待つ列Img_4463_640x480

 3時前に、たぶん8時ころまでには戻るといって外出した。ポンペイを次の日にしたので、次の日の予定だったナポリ見物をどこまでできるか、それがそのときの課題?だった。かといって、特にいってみたいところがあったわけでなく、どこへいったらいいのか、行き先もほとんど決めてなかった。ただ、このときはガイドブックがあったので、それを頼りに歩いてみることにはしていた。それと交通機関は乗り放題のカードがあったから、どこへもいけたし、どこへいってもよかったのだ。が、その割にはナポリは地下鉄は2系統だけだったし、相変わらずバスはわかりにくかったので、それほど使いやすいticketというわけでもなかった。ナポリといえばまずどこなのか、地下鉄に乗って地図で目星をつけ、municipioというところで降りてみた。そこから地上にでるといきなり、ヌォーボー城Castel Nuovoが目の前で、その向こうがナポリ湾という、もっともナポリらしいところではないかと思われたので、この辺りを徘徊することにした。ま、ガイドブックに従ってではあったが、歩いたところをあげておくとヌォーボォ城、王宮Palazzo Reale、プレビシート広場Plazza Plebiscito、いわゆるサンタルチア地区Santa Lucia、卵城 Castel dell'Ovo、戻ってベヴェレッロ埠頭Molo Beverello、ウンベルト一世のガッレリア Galleria UmbertoⅠ、トレド通りVia Toledo といった辺り?、たぶん3時間くらい歩き回ったと思う。その間入場料の必要なところは中に入らなかった。最初のヌォーボー城で、危うく大失敗するところだったが、つまり例のアルテカードを提示して、半額で入れてもらおうと思ったのだけれど、まだ無料では入れるところが一ヶ所残っていて、次の日のポンペイでそれを使うつもりだった。ところがヌォーボー城の係りの人が言うには、ま、言葉の問題もあったが、もしここに入るのならこの無料分を使うことになる、というようなことをいった、あるいはわたしはそういわれたと解釈したのだった。つまり危うく20€分として使えるところを6€のこの城に使うことになりそうになった、ということだった。だからその城他も入らなかったのだった(その辺の仕組みがどうなっているのか未だによくわかっていないのだが)。さて、そうやって3時間近く飲まず食わずで歩いて、もういい加減疲れてきっていた。途中でバスに乗ろうかとも思ったが、依然として路線がわからなかったし、待っているより歩いたほうが早そうだった。が、とうとう限界にきて適当な休み所というか、適当な店屋を探していた。カフェもレストランもそこら中にあったが、ここならというところが見つけられなかった。またしばらく歩いて、路上のカフェで看板のうたい文句が気に入ったところに決める。そこにはピザ+ドリンク5€とでていたからだった。ナポリはピザ・マルガリータで有名な地と聞いていた。もし、その値段で食べられるならとそれとビールを頼んだみた。ビールだと1€高くなるといわれたが、それはかまわなかった。が、出てきたピザを見てびっくり、わたしはそれまでイタリアでも日本でも、ピザはせいぜい半分、普通でも1/4か3/8で十分だったのに、それが丸ごと出てきたのだ(丸ごとといったが、これはなんと表現するのかを知らない)。それまで昼食もとっていなかったが食べきれないのは明らかだった。なんとか半分は食べたが、残りは持ち帰れるか聞くと箱を持ってきてくれた。そこで十分に休憩をとって、すでに暗くなりかけていたので帰ることにした。同じ駅からまた地下鉄に乗って、一ヶ所寄り道してみた。二つ目の駅ダンテDanteというところで降りてみたのだ。そこで降りたのはその界隈を少しぶらついてみて、なにかtake outできそうなものを見つけられないかと思ったからだったが、表通りをぶらついた限りでは、このときもこれは、というものを見つけられず再び地下鉄に乗った。Dante駅からは三つ目の駅がSalvator Rosaだった。この駅はもう一つ出口があったが、とんでもないところにでそうだったので、そちらから出たことはなかった。で、いつもの出口付近にはこれまたお店らしい店がなく、少し上り下りしてようやく一軒のBarを見つけることができた。もうそのころはイタリアのBarは商店をかねていることがわかっていたから、そこでビールを仕入れた。そして時間通り8時ころに帰宅、暖かく迎えられるも言葉のハンデがあって、また、同年輩という遠慮もあって話ははずまず、明日はポンペイに行く予定であるが、7時頃にはでかけるので挨拶できないかもしれないことを伝えて部屋にこもる。そしてシャワーを借りたあと、買ってきたビールで持ち帰ったピザを平らげたが、冷めてしまっているピザ・マルガリータはおいしくもなんともなかったのであった、、

地下鉄Municipio駅から地上に出るといきなり工事現場があってその向こうにCastel Nuovo;2枚Img_4464_480x640Img_4485_640x480

王宮Palazzo Reale:2枚Img_4465_640x480これはたぶん裏手?Img_4468_640x480プレビシート広場に面した王宮;左

プレビシート広場 Plazza Plebiscito;3枚Img_4467_640x480Img_4469_640x480Img_4471_480x640たまたま結婚式が行われていた?後がサン・フランチェスコ・ディ・パオラ教会 S Francesco di Paola

Santa Luciaの高台から;2枚
Img_4472_640x480向こうに見える大きなビルは豪華客船だった。たまたま二艘が停泊中Img_4475_640x480ヨットハーバー越しにヴェスヴィオが見えているがこの日天気があまりのよくなかった、、

いわゆる卵城;3枚Img_4478_640x480お城からの眺め;2枚Img_4479_640x480Img_4481_640x480


ベヴェレッロ埠頭、大型豪華客船が停泊しImg_4482_640x480

ナポリで有名な19世紀に作られたアーケード街?Img_4488_480x640