独歩の独り世界・旅世界

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チュニジア・イタリア紀行 8,エンナEnna~カターニャ Catania~シラクサSiracusa

 シチリアは本当に見どころの多いところで、魅力的なところをいくつかカットせざるを得なかった。もっとも悩んだのが、タオルミーナカターニャをどうするかであった。当初は、どちらかに一泊、いや、実際はタオルミーナになかなか良さそうな宿をairbnbでみつけていたので、最後まで予約するかどうかで迷ってて、その後の日程も含めて検討した結果どうしても一日足りなくてタオルミーナを断念したという経緯があった。その他にも、前々回に書いたセジェスタやマルサラ、トラパニといった西海岸や、タオルミーナの先メッシーナも含めた東海岸、そして結局バス便がなくカットしたジェラ、ラグーザ、ノートといった南部も、さらにこれは帰ってから新たに知ったエオリエ諸島のある北部と、結局東西南北すべてが未消化に終わることになったシチリアは、再訪を余儀なくされたようなものだった。そんな中で、ここしか選択の道がなかったアグリジェント→シラクサのバスルート上にエンナがあったのは、これは逆に瓢箪から駒のようなもので、予期せぬ幸運といえたのだった。また、そこからはカターニャ経由シラクサとなったので、カターニャにも足跡を残せそうだった。いずれにしろその日の宿はシラクサにとってあったから、夕方までには着くつもりで、果たしてエンナにはどのくらいの時間、カターニャにはどのくらいの時間滞在できるかまでは全く見当はついてなかったが、それは行ってみての話、出たとこ勝負という感じだった。

 その日の朝、もちろんAnnaには挨拶できなかったが、6時ころにはマンションをでて、この時も全く人通りのないアテネ通りをバスターミナルまで行く、15分で着いたが、すでに数人の客がオフィスには来ていた。それが出発前には数十人になったが、それでもバスは空席の方が多かったように思う。バス待ちの間、隣のBarでコーヒーが飲めたのが良かった。朝の一杯のコーヒーはありがたい。どこまで行くのか若い人が間際になって多く乗り込んで、バスは定刻通り出発した。しばらく行くとちょうど日の出時刻で、朝霧が川面をおおってる向こうの山並みが明るくなってきて、田園のかなたから朝日が登ってきた。その荘厳の輝きの中をバスはいって、ちょっとした街に立ち寄る。確かCanicattiといったその街も見どころがたくさんありそうだった。そこまでがAgrigentoから40分、そこからは1時間8:30にエンナ着。いや、この時も言葉がわからなくて、そこがEnnaという確証がなく、ただたくさんの人が降りたので、ここがEnna?とドライバーに確認して、慌てて降りたといった按配、危うく乗り過ごすところであった。というのも思っていたより早い到着だったことと、もう一つ、そこがわたしのイメージしていたEnnaとは全く違ってて、つまりわたしはガイドブックにあった山の上の街を想い描いていたのだけれど、それとはまったく趣を異にした山里の間道といったところで降されたからであった。それでも、わけわからずであったが、そこで降りたのは正解のようであった。というのも確認のしようもなく、聞いても言われたことがわからなかったけれど、そしてそこはターミナルではなくバススタンドだったが、ticketのオフィスがあったのだ。それは、そこが大きな拠点を意味していた。もしかしたら英語のわかる人がいるかもしれないと思って、中に入って聞いてみた。ここはEnnaですか?、ここからCataniaにいくバスがあると聞いているが、それは何時ですか?といったことを尋ねたら、次のCatania行きのバスは11:20と教えてくれたのだった。そこでまず一安心、乗り換え場所としては間違いなかったことがわかり、そのticketを購入した。そして、まだ3時間近く時間があったから、Ennaの街を一回りできそうと思ったのだが、どうも様子が違いすぎたのだ。で、ちらっとそれも聞いてみた。相手はわたしがいってることがわかったようだったが、彼女の返事がよく理解できなかったのだ。それは英語だったかもしれないのだけれど、、ただ、どうもわたしが行きたかったEnnaの街はここではないらしいことはわかった。が、それがどこにあってどうやって行くのかがわからなかったのだ。つまり、その辺の情報、これはあとでわかったことだけれどEnnaといっても山の上の街と麓の街があって、アグリジェントからのバスは下の街に停車し、そこでバスに乗り換えて上の街にいくといった重要な情報、あるいは地図がそのガイドブックには記載されてなかったのだ。そして、そのオフィスの女性はまさにそれをわたしに説明してくれたのだが、それを正確に聞き取れなかったのだった。それでも何となくそういうことかと理解したが、(それも説明してくれたと思うが)そのバスがどこからでているのかがまだわかっておらず、やはり言葉の障害は大きいと感じながら、その辺一帯を探し回ってみた。が、それでもそれらしきバス停を見つけられなかったし、聞いてもわからない(通じない)のだから、お手上げだった。いっそ方角を聞いて歩こうか、あるいはタクシーか、とも考えたが、もう一度オフィスに戻って聞いてみた。うんざりしたようなその女性が、そばにいた誰かにそのことをいってくれたのか、バス会社の人か、あるいはまったく関係ない住民だったのかはわからなかったが、中年の男性がわたしをそのバス乗り場に連れて行ってくれたのだった。何のことはない、それはわたしがアグリジェントからのバスを降りたところで、つまりすべてのバスはそこに停まるということをその時理解したのだけれど、やってきた3番のバスに、これに乗れば上に行けると教えてくれたのだった。こうしてつくづく歩かなくてよかったと思ったのだが、バスはそこから山の上の街まで15分もかかって登っていったのであった。

日の出頃;3枚Img_4080_640x480Img_4084_640x480Img_4086_640x480

Canicattiの街?Img_4088_640x480

Enna近くの車窓からImg_4090_640x480


 そこはガイドブックにあった、わたしのイメージしていたEnnaだった。が、そこに着くまでにすでに1時間が経過してしまっていて、その時が9時半で1時間半しか余裕はなくなっていた。それでもCatania行きのバスは、その上のバスターミナルから出るようだったので、また下にいってそこで乗り換える必要はなかった。で、その上のオフィスに荷物を置かせてもらって、行けるところまで行ってみようと、ガイドブックの地図を頼りに歩きだす。Ennaの街のポイントは、ま、どこもそうだがひとつはドゥオモ、一つロンバルティア城とい、山上都市の端にそびえるお城だった。が、そのお城は街の東端にあって、バスターミナルが西端にあった。その間数km?どのくらい時間がかかるかはわかってなかった。30~40分?、いや、それは道を知っていれば可能だったかもしれない。慌ててていたものでどうやら道を間違えてしまい、そこまで行くのに45分もかかってしまった。が、それでも何とかそこまでは行けたのだった。いずれにしろ、それはちょうど与えられた時間の半分、つまりどこまでいけるかわからないけれどその時間になったら引き返そうと思っていた時間になっていた。結果的にはその計算も甘かったのだが、お城には到着したけれど中の見学は諦めざるを得なかったのだ。そうしてエマヌエレ広場P.zaVitt.Emanuleまでは同じ道を戻り、そこからはもっと近そうな道をバスターミナルまで戻った。そしたら帰りは30分で着いてしまったのだ。返す返すも失敗したと思ったのだが、なら15分くらいお城の見学も可能だったではないかと!?、もし最初から正確な情報を持っていたならば、到着が8時半だったなら、9時には上まで行けたはず、30分でお城に着いて30分お城見学して、帰り道にドゥオモ、考古学博物館あたりを見学しても十分11時は間にあったのである。よしんば今日のようなことになっても、冷静に行動していれば、お城の見学も可能だったことを後から悔やんだのであった。それでも、中には入らなかったが、ドゥオモも確認したし、なによりこの山上都市の公園、エマヌエレ広場の隣に位置するクリスピ広場Pza.F Crispiから眺める隣の山上都市カラシベッタCalascibetta(これはガイドブックにその記載あり)の偉容、及び遠くになだらかな山容を見せていたエトナEtna火山、ともかくこれもガイドブックの形容を借りるならば、シチリア雄大な台地をシチリアのど真ん中のてっぺんから眺められたのが、ま、焦って、苦労して、急いでここまで登ってきた、せめてもの慰みとなったのであった。

山上都市Ennaからの眺めImg_4091_640x480西方向

Ennaの街;Via Triesteにあった教会Img_4092_640x480

クリスピ広場Pza.F Crispiからの眺め素晴らしかった;4枚Img_4108_640x480Img_4094_640x480右奥がロンバルディア

隣の山上都市Calascibetta;2枚
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エマヌエル広場から狭くなったVia Romaゆるい登り坂をお城に向かう;2枚
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少し城が近くなる
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遠くにエトナの山姿を捉える
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漸くロンバルディア城に着くも時間切れで、中には入らず、、;3枚
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来た道を戻る、Doumoとその界隈;2枚
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エマヌエーレ広場Pza.Vitt.Emanule
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Ennaの墓地Img_4111_640x480


 11:15発のSaisのバスは、おそらくEnnaからCataniaに到着するまでずっと左側にあったエトナを眺めながら、その山すそを海に向かって緩やかに下っていき、途中カターニャの空港によって12:45にカターニャのバスターミナルに着いた。陽光ギラギラ暑いところだった。カターニャCataniaもその昔カタネと呼ばれたギリシャ初期の植民都市の一つだった。紀元前8世紀から様々な歴史の変遷を経て、こん日ではパレルモに次ぐシチリア第二の都市、どちらかというと経済的かつ交通の要衝としての地位が高そうな街ではないかと思っていた。なので、ま、その位相(? 感じ)を確認できればいいかな、くらいのつもりだったが、やはりどうも、ここは相性的にはしっくりいかなかったのであった。バスターミナルのそばのビルにticket officeがあったので、シラクサへ行くバスを確認したところ、それは30分に一本くらいでありそうだった。で、そのオフィスで荷物を預かってくれないかと聞いてみたが、それはできないと断られてしまった。ならばと近くにあった鉄道駅にいってみた。そこで汽車の時間を調べがてら荷物預り所を探したが、汽車の方は何本かあったが、荷物を預けられるところはないといわれてしまった。この暑さの中荷物を持って歩きたくなかったが、仕方ない、だがその後でまた選択間違いをする。街の中心まで結構あってバスは**番、**番、**番で行けるとガイドブックに親切な記事があるのを見てしまったのだ。で、バスに乗ることにして、近くのアイスクリームの屋台でバスのticketを2枚購入する(そこで買えると教えてくれた人がいた、1€×2)、駅前のバススタンドの該当するバス停で待つ。が、そのバスは来なかったのである。その書かれていたバスだけでなく、そのバス停のルート表示を見ながら、街の中心に行きそうなバスを待つが、いずれも来ない。30分、いや、40分ほど待ったが、とうとう諦めて歩きだした。で、街の中心に向かう道の次のバス停までいってそこでも待つ。バスは何台か来たが、それがとこへ行くのかがわからず見逃してしまう(方向からして乗っても間違わなかったと思うが)。もう、歩いたほうが早そうだと思って、結局歩いたのだけれど、何のことはない、街の中心の通りの一つ、そこまで行こうと思っていたエトナ通りVia Etneaまで15分で歩けてしまった。最初から歩いていれば40分無駄せずに済んだものをと悔やんだ。そのエトナ通りにいきたかった理由は、そこに郵便局があったからであった。この街の中心に位置するボルサ広場Pza. d Borsaを右に曲がってエトナ通りを行くと5分で郵便局が見つかった。そこで二日前に書いた絵ハガキを2枚出した(切手2.2€×2だった。余談だが同時に日本あてに出した2通の絵ハガキは、一通は2週間くらい、もう一通はさらに10日かかって無事に日本に着いたが、その10日間のずれがなんだったのか未だ不明)。そこからはせっかくのバスの切符を無駄したくなかったので、エトナ通りを南下するバスに、ドゥオモ辺りまでいってくれればと思って、来たバスに乗ってみた。そしたらそれは、ボルサ広場で駅方面に曲がったので、慌てて降りてそこからドゥオモまでは歩いた。どうやらその道は車乗り入れ禁止のようなっていたから、結局そこまでの大半は歩かなければならなかったのだ。疲れてしまってドゥオモの中には入らず写真だけ撮って、また、ボルサ広場まで戻る。その街のど真ん中ボルサ広場に円形闘技場があるという記事を後で知ったからだった。そこは無料で入れたし、地下に埋もれて残っていたそこは、少し涼しくもあった。カターニャの街のど真ん中の遺跡を確認して、カターニャの繁華街Via Etneaとドゥオモを確認したから、カターニャももういいか、ということにした。ここのバスのticketは90分間有効だったから、ボルサ広場から駅まではバスで行けた。それでも最初に求めた2枚のうち1枚は未使用となった。もう使う予定はなしだ、たった1ユーロの話だったが、もしかしたら2時間前そこで買ったことを覚えて聞くれているかと思って、また言葉は通じなくてもわかってくれるかと思って、ダメもとでアイスクリームの屋台に戻って、未使用のバス券を提示してみた。すぐにわかってくれて1ユーロ戻してくれたので、もちろんその1ユーロに0.2プラスして、コーンのジェラート(gelato ; ice cream)をもらう。イタリアで食べた最初のアイスクリームは、この上なく美味であった。すでに3時近くになっていた、、汽車の時間にも間に合いそうだったが(汽車は15:07 6.9€)その時はバスにした。15時半のバス(5.7€)は、17時ころシラクサ駅前に到着した。

車窓からImg_4114_640x480これがCalascibettaの街ではないかと思われたが確かめられず、、

エトナ山;2枚、遠くから見ると噴煙のようにも見えたが、たぶんたなびく雲?Img_4118_640x480Img_4122_640x480

カターニャ鉄道駅と駅前のバスターミナル、ここで40分無駄にするImg_4123_640x480

Pza.d Borsa(もしかしたらPza.Sesicoro?)Img_4125_640x480

Doumo広場(ここの教会は大聖堂Cattedraleになっていた、Doumoとカテドラルの違いはよくわからない)Img_4128_640x480

Doumo広場からVia Etneaエトナ通りを北に望むImg_4129_640x480

街のど真ん中にあった遺跡、円形闘技場;3枚
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