独歩の独り世界・旅世界

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カンボジア~ミャンマーの旅、その2,シェムリアップ

 出発の時点でかかっていた費用はおおよそ次のようなものだった。ticket関係はMH(マレーシア航空)の成田~シェムリアップヤンゴン~成田が空港税なんかを入れると一人4.8万、バンコクヤンゴンAir Asia片道0.5万、バガンヤンゴンAsean Wings Airwaysが少し高くて1.25万くらいだったか?、ホテル代としてはシェムリアップが2泊で5.5千円、バンコク一泊が3.3千円だったから9千円(二人分、一人分だと0.45万円)、ミャンマーのVISA代が昔より上がっていて4千円もして、一人分の合計は7.4万円ほどかかっていたことになる。あとは現地での交通費、飲食費、ホテル代と入場・入域料で、とりあえず二人で一日一万はかからないであろうと見積もって一応ドルに両替して1000ドル持っていった。結論的にいうと、それほどケチったわけではないが300ドルくらい残ったから、東南アジア2週間の旅は一人当たりにすると12万円くらいだったことになる(航空代金等もすべて含んで、、もちろん若ければ、あるいは一人だったらもっと安く上げられたと思うが、もうそこまでする気はない‥、、)。以下、その旅模様である。

 MHは一昨年以来何かと不幸な状況が続いていたからか、だから安いticketがでてたのかもしれないが、やはり客も少なかった。マレーシア/クアラルンプールの新しい飛行場は(もっとも開港してからもうずいぶん経つのかもしれないが)初めてで、6時間くらいの乗り継ぎ時間があったが、もちろん外へはでず、レストランで朝食をとっただけでじっとしていた。その24hのレストランが意外に安かったのが好印象だった。同じMHでクアラルンプール~シェムリアップは2時間、時差1時間で昼の12時半、予定より30分遅れでカンボジア入国となった。カンボジアのVisaはアライバルVisa取得可能だったので、事前に用意はしていかなかった。もちろん手続きは簡単、ただ20ドルのつもりでいたら、いつから値上げされたのか30ドルとのことだった。このとき早速最初の失敗をやらかす、最近はこの手のドジが多すぎて自分でも滅入ってくるのだ、、恥を忍んでその失態を披露すると、どこでもそういった場での支払いはドル建てである、両替したての新札の20ドル紙幣を3枚渡した。だいぶあとになってドルの残金が20ドル不足しているに気付くのだが、どう思い返してもこのときに一枚多く渡してしまったとしか考えられなかったのだ。ご存知の方も多いかと思うがドルの新札は往々にしてぴったりくっつきすぎているのである。それしか考えられず、相当悔やんだがあとのまつり、同じ被害に遭わぬよう、どうかお気をつけください(渡されたほうが日本人なら、気がつけば返してくれるだろうが、そのほかの国では喜んでポケットの中にしまわれるので‥)、、

 シェムリアップのエアポートには出迎えのトゥクトゥクドライバーが待っていてくれた。実はこれにもエピソードがひとつあって、わたしはそのとき予約したあったホテルの前に一軒の宿を予約してキャンセルしていた。最初の宿のほうが安くて好立地にあったので、あることがなければキャンセルしなかったのだけれど、それは出迎えサービスの件をmailで問い合わせたのに返事をくれなかったからだった。もちろんキャンセル料無料期間だったから、そういうところは即見切りをつける、そしてそのホテル検索サイトも見切りをつけて他で同じくらいの物件(立地と金額)を探した。条件としては一泊2000~2500円(ツインで朝食付き)前回泊まったのがオールドマーケットの近くで便がよかったので今回もそのあたりで探して、なおかつピックアップサービス付だったのが今回のホテルだった<割とよかったので公表してしまうとSoria Moria Boutque Hotelといった>。そのホテルが派遣してくれたドライバーだったのだが、これにも裏はあった。それはもとより承知だったが、一応そのホテルの看板を背負っていたが専属というわけでなく、ホテル側もピックアップの費用は払っていないと思われた。要は客紹介料としてホテル側とドライバー側の関係はチャラなのである。つまりピックアップすればそのあとの観光の客になる率が大なので、それで稼げというわけである。それに空港~市内はタクシーを使ったとしても7ドルが相場とのことだったから、我々としても、もしピックアップサービスがなかったとしても次の日からの観光を条件にすれば、空港に待機しているタクシードライバーでもトゥクトゥクドライバーでも、交渉で空港→ホテルをサービスさせるくらいのことはできたのである。ということで、そのトゥクトゥクに乗り込むとわたしは早速ドライバーのおにいちゃんと明日から、いや、その午後からの観光(貸切)の交渉を始めたのだった。

 もちろんメインはアンコールワットであった。その規模、どこにどんなものがあってどこが重要か、そのためにどのくらいの時間がかかるか、適切な観光手段は何であるか、すべて前回一度廻っているのでわかったいた(ま、前回はよくわからずに少しお金を使ってしまったということ)。で、わたしは先述したように、どうしてももう一度観たいから来ていたわけでないので、要はツレがどことどこを観れば気が済みそうか、という問題であった。もしかしたら、一般的に言われているアンコールワットというのがそれほど広大なエリアに無数に存在する遺跡群であるということさえ知らなかった節があったからだ。そして本人はそれを知ってたとしても、そんな隅々まで観たいわけではない、観たってわかりっこない、どこがどうなんてどうでもよくて、そんなに興味はもってないこともわたしは知っていた。なので、ここが第一のハードルだったのだが、まず、アンコールワット見学に何日を予定するか、それによって入場ticketも何日券にするかといったことが、日程作成段階でのひとつの分かれ目であった。何故それをことさらいうのかというと、そのticketがけっこう高かったからである。アンコールワットの場合一日券、三日券、一週間券とあって、それぞれ20ドル・40ドル・60ドルはここ数年変わってなかったが、それでも高いと思っていた(いや、今ではどこの世界遺産でもそんなものか!?)。それは出発前からわかっていて、またツレの傾向も知っていて、で、アンコールワットシェムリアップを何日間にするかは日程作成の段階で決めなければならないことだったので、わたしは今回アンコールワット見学は一日で十分としたのだった。それは上に記したような理由があったからで、二日券というのがあればもしかしたら一番よかったのかもしれないが、一日券にするか三日券にするかで迷って、前回三日券を買ってしまって、そのために無理によけいなところまでいったりして無駄した思いがあったからでもあった。ま、トータルの日程もタイトだったから、そうするしかなかったともいえるのだが、ともあれそういった前提の上でのトゥクトゥクドライバーとの交渉だったのである(これはわたし<われわれ?>の場合であって一般的には三日券が普通?一週間はマニア、専門家、よほどの暇人以外には不要と思われる、、見ごたえのある遺跡であることは論を俟たないが‥)。

 シェムリアップはそういうわけで、前回記した日程で明らかなように2泊3日の予定であった。細かくいえば、その日(到着日)の午後半日と二日目が丸一日、そして三日目の午前中半日が実質の稼動時間ということで、そうなると当然アンコールの一日券を購入してトゥクトゥクで廻るのは二日目ということだった。これも事前にわかっていたことだが、トゥクトゥクまたはタクシーで廻る場合その廻り方にもいくつかのコースがあって、一般的に大回り・小回りといわれているのがそれで、今ではトゥクトゥクドライバーあるいはタクシードライバーの協会があるのかどうかまでは知らないが、いわゆる協定料金なるものができているようだった(少なくとも、われわれの泊まったホテルとドライバーとの間では料金表なるものによって統一されていた。いい傾向だと思うが、交渉の楽しみがなくなった)。トゥクトゥクによるアンコールワットメインの廻り方としての大廻りと小廻りの違いは、どちらも基本(メイン)のアンコールワットとアンコールトム(Bayon)はもちろんはずさないのだけれど、ま、その両方で3~4時間はみてくれていて、あとの周辺部に違いがでていた。大回りの場合、アンコールトムを北門から出て、プリア・カン、バンテアイ・プレイ、クロル・コー、タ・ソム、プレ・ループといった遺跡を廻ってくれて、最後がバンテアイ・クディとその前に位置するスラ・スラン湖(たぶん人工の池)までの、だいたい8~9時間コース、これが確か18ドルといっていたかと思う(二人で)。一方の小回りの場合はアンコールトムを東門から出て、トマノン、タ・ケウ、タ・プロム、そしてバンテアイ・クディ、スラ・スランまでのショートコース、走行距離にずいぶん差があって、こちらだと6~7時間で二人で15ドルだったと思う。わたしは大・小とも前回廻っており、その中でも強く印象に残っていたのがガジュマル(違ったか?)の大木に滅ぼされそうになっているタ・プロム寺院遺跡だったので、時間的にも料金的にも内容的にも小廻りコースで十分と思っていた。もとよりそれで(ツレに)異論があるはずはなく、ドライバー君に明日朝7:30に来られるか聞いて、問題ないとのことだったので、次の日のアンコールワットツアーはすんなり決まったのだった。続いて三日目に予定していたベンメリアについて聞く。ここは前回いってなかったのとアンコールのticketでは入れなかったのと、早朝がいいと聞いていたので、そうすると最後の日の朝しかなかった。早朝にでれば午前中に帰れるとのことで、それならその日のうちにポイペトまで行くのに問題はなかった。ただ、ベンメリアまでは70km、トゥクトゥクだと片道2時間かかって、しかも一人20ドルと聞いて、どうするか迷いだす。それは明日の夕方までに決めることにし、次に今日の午後どうするか、ということになった。一応プランはあったが、ホテルまで約30分の間にそれを話し合う時間はなかった。30歳前後くらいだったか?トゥクトゥクのお兄ちゃんは決してひっかかった獲物は逃さない、どこへでも連れて行くといっているのだが、そのうちホテルに着いてしまった。いったんチェックインを済ませることにし、いつでもホテル前に待機しているというので延長戦とすることにした。そのホテルは思っていた以上、というかいつも安宿しか泊まったことのないわたしからすれば立派過ぎるホテルだった。折から、そのロビーにはこれから帰国の途につくのか、日本人の団体さんが迎えの車を待って待機していた。つまりそのレベルのホテル(いいホテルという意味)だったが、ま、カンボジアだからか、そのわりには割安感はあった。日本を出るときの服装、晩秋~初冬の厚手のジャケットから真夏の服装、シャツ一枚に着替えて早速表に出るとドライバー君は待っていてくれた。そこで先ほどの続きとなった。わたしのプランを話す。1,として、三日目一応ベンメリアを予定していたが、午前中に戻ってバスまたはミニバス、あるいはワゴン車の乗り合いでタイ国境(ポイペト)まで行くつもりだから、その乗り場へ確認のため連れてってほしい(わたしはバスターミナルのようなところがあると思っていたのだが、後で知ったのだがそんなところはなかった)。2,アンコールワットメインからははずれているところにあるロリュオス遺跡群は、ticketなしでは入れないのか?入れそうならそこまで連れてほしい。3,できればトンレサップ湖岸にあるというコンポン・プルッCompong Phlukという珍しい水上生活者の村に行ってみたい。これについてはあるサイトで知り合った、このあたりに詳しい旅行者に教えてもらった情報で、あまり一般の観光客が行かないところとして勧められたものだった。

 すべてに対して彼は了解してくれ、あとはいくらで行ってくれるかの交渉となった。もっとも遠いと思われた3,のコンポンプルッというところは、すでに旅行者が多く訪れているところのようで料金はすで決まっていた。確か18ドルといったかと思う、それを強引に16ドルに負けもらって、なお途中にあると思われた1,2,も廻ってくれるならと条件をだしたら、渋々だがOKしてくれ、すぐに出発。この暑い地では風をもろに受けるトゥクトゥクがやはり気持ちのよい乗り物である(今や世界的に広がったインド発のトゥクトゥクという交通手段<トゥクトゥク文化?>は、それが走っているところでは気楽に利用している。最初にグァテマラにいったときにそれを見つけて驚いた記憶がある)。ただし小廻りはきくがタクシーほどスピードは出ないので、国道6号を東に走って右折し、湖に向かう悪路をいくこと1時間かかって、ここがコンポンプルッに行くボート乗り場だというところに着いた。‥ボート乗り場??そういうことだったのか ! ?、、もういい加減に湖に出てもよさそうに思われるほど走ったのにいっこうにそれらしき気配がなく、ただその道の脇に小さな水路があるばかりのところだった。どうやらそこからボートで湖に出て湖岸の部落を訪ねるボートクルーズしかそこへ行く手段のないことをそのときはじめて知ったのだった(わたしは少なくとも湖岸まではトゥクトゥクでいけるのかと思っていたのだ)。もちろんそれはそれなりの金額だった、2時間一人40ドル、我々にとっては高額だったので、却ってそれを断念するのに躊躇いはなかった。そのticket売り場にはボートツアーを紹介する写真が貼ってあったが、それを観てもどうしても行ってみたくなるほどの魅力を感じられず、ましてや2時間40ドル ! ?、まったく予想外の展開となったが、ドライバー君にはその旨を告げて街に戻ることにした。途中にあるロリュオス遺跡群はticketがなければ入れないとのことだったので、その前だけ通ってくれるようお願いした。そのロリュオス遺跡群は6号シェムリアップに戻る途中、今度は帰りだったから左折だったが、国道から比較的近いところにあって観光バスが停まっていたからそれとすぐにわかった。が、ドライバー君はそこで停まってはくれず、ゆっくり走るから写真を撮るのなら走行中に撮ってくれとのことだった。無券の場合の罰則はけっこう厳しいのかもしれなかった。結局いい写真は撮れず、ロリュオス遺跡群の場所だけはつかんだが、実体に触れることはできなかった。あと1,のバスターミナルは実際そんなところはなく、ほとんどの旅行者はトラベルエージェンシーが出しているミニバスを利用しているとのことで、ホテル近くのトラベルエージェンシーに連れて行ってくれた。そこではバスの出る時間と料金(一人12~13ドルといっていた)を教えてくれた。そんなんでシェムリアップ初日の半日は実質ほとんどなんの成果もなく終わってしまった。もしかしたら無駄金を遣ってしまったともいえたが、どんなものであれ車に乗っていることが好きだというツレには、快適な?トゥクトゥクからの初めてのカンボジア見物をけっこう楽しんでいたようであった。ま、3時間くらいのシェムリアップ観光ともいえた。そのままオールドマーケットまで送ってもらって、では明日は7時半に、と確認してドライバー君と別れる。オールドマーケットをぶらつき、St.9の安食堂街で、ハッピーアワー・ビール×2,&おつまみにマンゴーサラダで4ドルは安すぎ?そこから屋台が並んでいて歩行者で超混雑のPokambor Avenueをホテルまで戻る。その屋台でカンボジア風焼き鳥、焼きそば、&缶ビールをtake outし、その日の夕食は二人で5ドルで済ませてしまった。ま、ここはちゃんとしたレストランに入ってもそれほど高くはなかったと思われたが‥??、、シェムリアップは前回訪れた7~8年前より確実に観光客は増えていた(特に中国人?)、新しいホテル・レストラン・土産物屋等も増え、更に建設中であった。街の規模も大きくなって、いまや世界に冠たる一大観光都市の様相を呈していた。だから、いわゆる観光都市につきものの歓楽街・歓楽施設も十分備えており、世界中からの旅行者で賑わっていた。が、それらすべてに興味がなくなっている我々老人たちに、そんな場所は無縁だった。一缶100円(1ドル?)のアンコールAngkorビールがあればゆっくり眠れたのであった、、

(しかし今回は、どうも横着してしまってAngkor Beerの写真も撮っていない。以下の写真もひどすぎる)

010_640x427トゥクトゥクからの眺め;国道6号を行く、、

Compong Phlukへのボートticketのオフィス011_640x427ボート乗り場、左手の水路を行くようだ013_640x427

ロリュオス遺跡群;2枚(よく撮れなかったので、ここはちゃんとticketを持ってくるべきところである)015_640x427016_427x640

019_640x427シェムリアップ;街の中心部?