独歩の独り世界・旅世界

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グアテマラへ 3)オベンティックの追記

 不思議なことがあるものだ、昨日(4月10日)のブログにEZLNおよびエミリアーノサパタEmiliano Zapataについて少し書いた、彼らをどうして知っていたかについて少し触れたが、その元本を読み返したわけでなかった(手元になかったので)、今日になってそれを探してみた、本棚の奥から見つけ出したサパタ関連の本をパラパラとめくってみたら、とんでもないことを発見してしまった、、なんと昨日、4月10日が彼の命日だったのである、、! !

 で、そこだけその本から転用させてもらう、、メキシコ革命も二転三転して、それ以前40年近く独裁政治を行っていたポルフォリオ・ディアス体制を崩壊させたあと血みどろの政権交代が繰り返されていた、フランシスコ・マデロ、ビクトリアノ・ウェルタと次々に大統領が代わり、そのウェルタを倒すのに最後に大物4人が残る、ひとりがサパタ、もう一人のヒーローパンチョ・ヴィリャ、ほかに老獪な政治家ベヌスティアーノ・カランサとその配下にあったアルバロ・オブレゴン、貧農出のヴィジャと農民革命を目指すサパタは似ているところがありともに民衆の英雄、メキシコ革命の英雄となるが、一方のオブレゴンとカランサは:現実的な政治手腕を発揮して共通の敵ウェルタを倒した後、結局カランサが大統領になる、カランサとオブレゴンは民衆の英雄サパタとヴィリャが邪魔になり駆逐にかかる、、で、ヴィジャはオブレゴン派に追われ、サパタはカランサに騙されて殺されてしまう、、カランサの部下がサパタ軍に協力するように見せかけて彼をおびき出し一斉砲火の銃弾を浴びせたのが1919年4月10日、とのことだった、享年40才、、ということは昨日がサパタの93回忌だったわけである、妙な巡りあわせとなった、ここにひとり黙祷す ‥

以下は追記の追加です、本日4月20日添付いたします

 メキシコ革命についてもう少し詳しく説明しておく必要を感じた、が専門家ではないし、いくら参考書があってもごくごく簡単に、大雑把にしか記せない、それはそれは面白い物語なので、ぜひ本物に触れられることをお勧めいたします、、

 それはちょうど今から100年ほどの前の出来事です、、だから日本の明治維新よりもあと、しかしまだ社会主義革命は起こっていなかった、、この革命が収束に向かっていた1917年に第一次世界大戦が始まった、というのがそのころの世界の時代背景です、、その発端となった1910年ころメキシコ国内はポルフィリオ・ディアス大統領の独裁政治が30年以上続いていて、専制の世だから反対するものは容赦なく弾圧され、民衆の不満・困窮は頂点に達していた、、
 スペイン人エルナンコルテスによる1521年のアステカ帝国征服とその後のスペイン人による植民地統治時代の歴史は省きますが、その植民地支配を脱してメキシコが独立を果たしたのが1822年、その独立運動端緒となったのがイダルゴ神父の‘ドロレスの叫び’だそうで、ちょうど革命運動の100年前の1810年、しかし独立後の30数年の間はめまぐるしく政権が変わりその数50に及ぶとのこと、、もうメキシコという国は独立以来ずっと血なまぐさい政変の連続のようで、1855年になってやっとインディオ出のベニト・ファレスが大統領になって新憲法制定やさまざまな改革を実施して少し落ち着いたかと思いきや、今度はスペイン・フランス・イギリスの欧州連合がちょっかいを出してくる(マクシミリアン皇帝の擁立)、それをファレスとともに追い払ってファレスの死後大統領になったのがディアスだったようだ、それが1877年、彼は政治的手腕を発揮してメキシコの経済を大いに発展させる一方自分の政敵はみんな抹殺して恐怖政治・独裁政治を展開、およそ30数年権力の座に収まっていた、、当然政治の腐敗・混乱がメキシコ全土を覆い、また外国資本による搾取も貧しいものを苦しめていた、、で、ディアス打倒に立ち上がった民衆(農民ばかりでなく農園主たちも含まれていた)がメキシコ各地に自然発生のような形で武装蜂起する、、最初にデイアスを倒して大統領の地位についたのがフランシスコ・マデロだったが、それもすぐに反革命分子ヴィクトリア・ウェルタの陰謀にひっかかり、またディアス時代に戻ってしまう、今度は反ウェルタの戦いとなりメキシコ国内は泥沼の内戦状態になる、、そうやってディアスを倒した後も10年近く混乱状態が続いて、最後に残った人物、そしてその戦いに活躍したヒーローたちが伝説化していった、すなわち最終的に大統領の座についたのがベヌスティアノ・カランサでありアルバロ・オブレゴンだった、そして今でも農民・民衆のヒーローとして根強い人気を博しているのがエミリアノ・サパタでありパンチョ・ヴィリャことフランシスコ・ヴィリャであった、、彼らの名前は(ヴィリャやサパタだけでなく)今でもメキシコ各地の通りや地名に残されている、、

 そうしたさまざまな歴史の展開を経てきたメキシコはいまや中南米の覇者として大きな発展を遂げている、が、一方で土地を奪われ虐げられ差別され続けてきたインディオ農民の尊厳は未だ十分に回復されてはいないともいえる、それがエミリアノ・サパタの流れを汲むEZLNサパティスタ民族解放軍の運動につながってくるのだけれど、そんな歴史的背景を知らない人も多いかもしれない、、果たしてサパタ、ゲバラに次ぐものが出てくるのであろうか‥??