独歩の独り世界・旅世界

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バンコク~シェムリアップ 5)

 朝5時に起きてスラスランからの日の出をねらって出かけたが(聞くところによると日の出ポイントとしては他にアンコールワット西参道、昨日夕陽をねらったプノンバケンがいいらしい)あいにく曇っててお日様は出なかった、で、そのままその周辺を巡る、バンデアイクディ、タブローム、プリアカン、バンデアイブレイ、クォルコー、ニャックボアン、タソム、東メボン、プレループを巡って、昼食のためにまたスラスラン(王の沐浴のために作られた池)に戻った、そこは食べ物屋がなかったが水辺で昼食にもってこいの場所に思われたからだ、その日わたしは二人分の昼食を持参していたのだ、その昼食とは実は昨夜飲み会の帰りに屋台のパン屋で買ったフランスパンのサンドイッチだった、それは昼間に見て見るからにうまそうだったので酔った勢いで思わず3つも注文してしまった、屋台のまだ若くてきれいなお姉さんはそれはまた丁寧に1つのサンドイッチを作るのに5分くらいかけて一生懸命作ってくれるのだった(出来上がっているものでなく日本のバケットの半分くらいの大きさのフランスパンを二つ割にして何かを塗って肉だの野菜だのよくわからないものがわんさと入っていた)何か野菜のようなものも別の袋につけてくれたような記憶がある、恐らくそれまでに食べたフランスパンのサンドイッチとしては一番うまかったようの思う、それがなんとたったの2000リエル(約50円)は安すぎる、そして旨すぎた、バイクドライバーの彼も満足な様子だった、午後彼と密談でオーナーに知られぬよう口裏を合わせるという約束で郊外のバンデイアイスレイとバンデアイサレムへ行くことにした、彼にとってのアルバイト燃料代もかかることだしプラス10ドルを出すことにした、確かにバンディアイスレイは片道30分以上かかる郊外にあったが流石に観光化されているので道はちゃんと舗装されていた、がその道すがら所どころに地場産の竹細工などを扱う土産物屋が点在していたが、道路端の高床式の民家にはまだ配線の跡がなかった、そうアンコールワット周辺の賑わい・繁栄も一歩外にでればインフラ整備が追いついていない、まだろうそく・灯油の世界が残されているのだった、きっとそこに住む人々の経済状況も厳しいことだろう、それを最も端的に物語る状況にわたしはこの2日間に出会っていささか戸惑っていたのだ、いやそれは悲しみ嘆くことではない、むしろ驚異(脅威)といっても過言ではないひとつの現象であった、世界各地には無数の観光地がある、そしてどの地域どの観光地においても土産物屋がなかったというところの記憶がわたしにはない、ただその土産物を扱う担い手が若年層、特に子供たち就学児童が多いのは開発途上国・貧困国の特徴かもしれない、他を多く知らないが東南アジアの観光地は特にその傾向が強いのではないか?で、それはそれで致し方ないと思うし別にそのことに同情したりしない、大人顔負けの商売上手がたくさん育っている、中でも世界中からの観光客が満遍なく訪れる観光地としてのアンコールワットではそのほとんどが10(もちろん10歳以下もいた)~15,6の就学児童よって担われているのだった、それにはわけがあった、もちろん彼らのかかえる厳しい経済状況が選択の余地をなくしているともいえるのだが、それよりもここ10数年急速に増えた観光客に対応するのに学習能力のある若い頭脳がどれほど際立っていたか、つまり言語習得能力の高さ、わたしの接した子供たちは土産物販売に関わる簡単な会話をなんと10ヶ国語くらい話したのだ、しかもそれは特別の才能を持った一人や二人ではなかった、ほとんどの子供たちが必要に応じてか否か、自然に覚えたと口々に語った、学校で教わったわけではなかった、どこでそんなに言葉を覚えたのと英語で聞いたら一様にTouristからという答えがかえってきた、これはいろんなことを物語ると思う、一に貧困、二に必要は発明・発展の母、三に若年頭脳の驚異(鉄は熱いうちに打て?)、四にアンコールワットの力(集客力)、五に貨幣経済社会の浸透等々、これが未来のカンボジアを語るのに明るい材料となることを願ってやまないのだが‥

 観光客で賑わう近代化・商業化(資本主義化)したシェムリアップの繁華街、高級レストランやカフェバー、マッサージパーラー、土産物屋が軒を連ねるオールドタウンの一画、その歩道上にはこれまた屋台が連なり、その一軒でわたしは焼きそばドライバーはチャーハン&ビール1本のささやかな夕食(5ドル)、帰り道またフランスパンのサンドイッチを買ってホテルに戻った(この日わたしの注文を受けて一生懸命サンドイッチを作ってくれたのは、昨日のきれいなお嬢さんでなく、いかにもそのお嬢さんの父親風のオッサンだったが)‥

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