独歩の独り世界・旅世界

他のサイトに書いていた'独歩の独り世界・旅世界'を移転しました

カンボジア~ミャンマーの旅 その7,ニャウンシュエ/Hotel Laday Princess

 正直にいうと、5年前にミャンマーに訪れたときには、カックー遺跡については情報はおろか、その名前さえ知らないでいた。もし知っていればmust goの優先順位は違ったかと思うが、そのときは上位3ヶ所の訪問で精一杯だったのも事実で、それが故にインレー湖は、もし次があれば、と見送られてしまっていた。が、今回は、ある意味そのカックー遺跡がひとつのきっかけを与えてくれたとも言えたのだった。もちろんツレの要望がカンボジアミャンマーの旅の直接のきっかけであったが、その選択に当たって、その少し前にカックー遺跡というのがインレー湖の近くにあることを知ったのが、わたしの興味を誘った要因でもあった。ところがその情報は極めて少なく、ともかくインレー湖までいってみるしかない、といった、あまり知られていないところというのが、ますますわたしの興味を引き、must goになったのであった。

 朝方の4時頃だったと思うが、ほとんど眠れておらずバスは山道を走行していて、うつらうつらの状態だった。とあるところで(場所は不明だがドライブインのようなところだった)休憩かなんかで停まった。そのときに件のアテンダントがわれわれを起こしにきて、その広い駐車場に停まっていた別のバスを指して、それに乗り換えろといってきた。あまりに突然のことでわけがわからず、いってることをもう一度確かめると、なにやらそのバスがニャウンシュエまで行くのだという。???、いったいそこがどこだったのか、どういうことだったのか未だわかってないのだけれど、そんなことってあるの?と混乱しながらも、そのとき指示に従って今にも発車しそうだったもう一台のバスに乗り換えた。そのバスはわれわれを乗せるとすぐに発車し、やってきた車掌さんに再度ニャウンシュエに行くのか?料金は?と聞いてみると、ニャウンシャエまで1時間ほどで料金は含まれているということであった。‥???、、またまた混乱、、もしそういうことならこんなありがたい話はないと半信半疑、、それまでわたしは頑なにニャウンシュエへいくには、シェニュウンジャンクションで下車し、そこで待機しているタクシーかピックアップの乗り合いでいくしかないと思っていたからだった。しかし乗り換えた場所は明らかにジャンクションではなかったし(近くだったのかもしれないが)、乗り換えたバスはそれまでに乗っていたバス同様デラックスなもので、少なくともわれわれが座る場所はかろうじてあったが、満席状態でもあったのだ。こんなバスでニャウンシュエまで行けるとは想像だにしていなかったし、しかも料金は含まれている?前日にアテンダント氏がいっていたのはこういうことだったのかと、改めてそのバス会社(同時にそのバスを手配してくれた友人K氏と実際そのために動いてくれた方)って凄いと感じたのであった。よく理解できてなかったが、もしかしたらそのバスは系列会社の別路線、例えばマンダレー→ニャウンシュエ経由→タウンジー(あるいはヤンゴン?)とかではなかったかとあとで想像するのであった。

 ニャウンシュエらしいところへ着いたのは早朝5時ころで、辺りは暗闇、ちょっとした広場のようなところで、いわれるまま降りたが、そこで降りたのはわれわれともう一組(ヨーロッパ系)くらいしかいなかった。バスはすぐにどこかへ走り去り、そのバスがどこから来てどこへ行くバスだったのかは結局わからず仕舞いとなった。相当寒いなか(そのときはバスが寒かったのでダウンを着ていた)、さて、そこがどこで、どうすればいいのかはっきりせずいると、薄明りの街灯に何人かのトゥクトゥクドライバーが待機していたのがわかった。こういう場合は通り一遍の会話になるのだが、もう一組は行き先のホテルが決まっていたようだったが、われわれはその当てがなかった。だから、ともかく一人のお兄ちゃんにあまり遠くでなくて高くない安ホテルに連れて行ってくれるようお願いする。つまり任せたのだけれど、前回のミャンマーの旅のときも同じようなことを書いた記憶があるが、こういう場合の当たり外れが旅における一つのターニングポイントになるのだ。(バスを降りたところが街の中心の近くだったとすると)少し遠い感じがしたが連れて行ってくれたホテルは結果的には悪くなかったから、当たりだったと言えたかもしれない。5時は未明である、小さなホテルは開いてるはずはなかった。が、そこはちゃんと心得ていて、中に入って従業員を起こしにいって、ま、時々そんなこともあるのか、いきなり起こされて不機嫌そうなまだ若い美人のお出迎えを受けることになった。もちろん英語を話し、今は部屋が空いてないが、8時に空くからそれまでロビーで待っててくれれば、今日から泊まれるといってくれた。その料金はきわめて良心的だったし、何より美人に惹かれて即決、そして毛布をもらってロビーのソファーでうつらうつらしながら夜が明けるのを待っていた。

 そのホテル名はLady Princessといった。友人K氏に聞いた話だが、このところミャンマーのホテル代は高騰しているとのことだった。われわれは友人宅に泊まれるという恩恵に浴したが、特にヤンゴンでは安宿を探すのは難しいかもしれないとのことだった。だからニャンウンシュエのホテル探しも行き当たりばったりだったので、ある程度覚悟はしていた。それが小奇麗で、朝食がついて、従業員が若い女性ばかり(だからLady Princess?)、それで20ドルなら文句を言うほうがおかしい、、ただ一つの難点は、思ったとおり街の中心から少し遠かっただけであった(歩いて15分?)。もちろんその朝の朝食は含まれてなかったから、それは別途お願いして(一人分2000K;200円)、朝食が済んだころに部屋の掃除も終わってて、気持ちよい部屋に落ち着く。やはり夜行バスはそれほど眠れてなかったので少し仮眠をとることにした。そんなんで、午前中は外出はせずシャワー、洗濯、片付け、そしてもっとも重要なことは情報収集だった。一応2泊のつもりで、あとから現れたそこのオーナーらしい貫禄のある女性(ちょっとLady Princessのイメージではなかったが)と話して、貴重な情報を得ることができた。まずもっとも知りたかったことはこのニャウンシュエからバガンまでのバスについてであった。これもK氏宅から借りてきた日本のガイドブックによると、シュエニュアンジャンクションで乗り換えのように書いてあったが、毎朝8時発のバスがあって、ピックアップの迎え付で一人1100K、とのことだったので翌々日(12月2日)の朝発で即予約、次にカックー遺跡について、これはタクシー一台チャーターとなり、一日45000K(4500円)とのことだった。45000Kはミャンマーの物価からするととても高く感じたが、それがいかに遠いところかを知って、やむをえないかと了解し、その姉御(ちょっと太目のオーナー)にひとつのお願いをして、次の日に出かけることにした。そのお願いとは、もし明日までにカックー遺跡に行きたいという人が見つかったら、シェアしないかと聞いてくれるよう頼んだのであった。その他にも、インレー湖のボートツアー(結構見所があるとのことだった)は半日でだいたい15000K、貸し自転車一日1500Kとのことで、バスの手配、カックー遺跡の手配もすべて彼女がやってくれたのだった(ほとんどの宿はそういうエージェントもかねているのが普通)。

Img_1114_640x427

 昼頃に街ブラを兼ねて、昼飯を食べにでかけた。ほとんど簡易舗装の道であったが、少し埃っぽいというか砂っぽいところで、交通量もまばらなのんびりとした田舎街であった。その割には、ホテル・ゲストハウスの数は多く、またミャンマーらしく寺院の数も多く感じた。ホテルやレストランが増えているのはここ何年かの傾向で、観光客も増えていることの表れである。少し歩いたがやがて中心街に出、市場や銀行があって、その近くに街の入り口に当たるところにこれもまだ新しそうなゲートがあった。その辺りはなんとなく見覚えがあって、どうやらそこがその朝バスを降りたところだったようで、そのときもトゥクトゥクやバイクタクシーを何台か見かける。市場の中にも簡易食堂のようなところはあったが、それほどこの市場自体が賑わっておらず、もう少し適当な食べ物屋を探しながら歩く。本当にパゴダが多く、そんなパゴダの一つの前に庶民的な飯屋を見つけそこで昼食。そのときはミャンマー定食でなく麺類を頼んだが、それも二人分で3000K、だいぶミャンマーの物価感覚がわかってくる(食事代としては1/3~1/5?)。朝方は寒かったが、その時間はやはり相当暑くなってきて、疲れもあったからか、けだるい感じ。で、食事を終えてこのあとどうするかとなったとき、ホテルに戻ってマッタリというツレの返事はわかっていたが、わたしは一人で出かけることも了承してもらう。そういう意味ではインレー湖もカックー遺跡も、それが何なのか、その価値も知らずに来ているのだから、自ずから動くことはまずなかった。逆にわたしは、せっかくここまで来ているのだから、せめてインレー湖は見ておきたいと思っていた(その時点では、次の日のカックー遺跡を決めていたのでインレー湖のボートツアーは考えていなかった)。そで、せっかくだからせめてこの街での一番有名な寺院(Yadana Man Aung Pagoda)だけでも見て帰るよういって、ホテルでもらった簡易地図のコピーを渡し、わたしは大急ぎで一人で先にホテルに戻る。そして今一度姉御にインレー湖周辺の村情報を確認、場合てはボートで西岸から東岸に渡ることも可能と聞いて自転車を借りたのだった(半日でも当然料金は変わらず1500K)。そして先にもらっていた地図を渡してしまったので、もう一枚もらって目指した先は、インレー湖西岸にあるという村カウンダイン(Kaung Daing)というところだった。そこに何があるのかは知らなかったし、何もないかもしれなかった。ただ、そこは確かに湖岸にある村だったのでそこまで行けば湖が見えるだろうという漠然とした直感でしかなかった。また、そこまでいけばそこから対岸の村マイントゥク(Maing Thauk)村にボートで渡れる、マイントゥクにはワイナリーがあると姉御から聞いていた。それだけで十分だった、ともかくいけるところまでいってみよう‥、、ただそのときすでに13時を廻っていたから、一日ならともかく半日の時間でどこまでいけるかは知る由もなかった。

ホテル近くのKan Gyi Kyang Pagoda?Img_1015_640x427


ニャウンシュエゲート付近、両サイドから;2枚Img_1016_640x427Img_1018_640x427(外から街中方面)


昼食を食べた食堂前のパゴダ Shwe Ye Kya Kyaung ?Img_1019_640x427

ニャウンシュエでもっとも古く格式のあるパゴダYadana Man Aung ;2枚
Img_1034_640x427Img_1035_640x427


 だから、簡易舗装ででこぼこが多く、ところどころ砂利道となる悪路を可能な限り飛ばした。が、頭に入れた地図はイイカゲンだったものだから(一本道で間違えようがなかったのだが)一度道を間違える。間違わなければニャウンシュエの街から自転車で1時間ほどころにある<Spa>温泉に1時間半かかって漸く到着、そこで休憩とした。そこまで休まず走り続けて相当疲れていたからだ。その間最初は田園の中を、そして途中から左に曲がって山裾を行くのだけれど、両側に住居・建物の類はまるっきりなし、道がよくて急いでなければ風光明媚な山野のサイクリングとでもいえたかもしれなかった。ほとんど観光客目当てに建てられているInle Spa<Kaung Daing Natural Hot Springs?>は一人10ドルとのことだったので当然パスして、その代わりその前が小高い丘になっており、そこに寺院が建っていたのでそこまで登ってみる。これが案外きつい階段で、そこからなら湖の眺めはいいだろうと頑張ってみたが、上についてみると思いのほか湖は遠くにあって、期待したほどの、少なくとも全景を見渡すに至らなかった。それでも最初のネライの一つは達成され、そこは村ではなかったので(カウンダイン温泉という名がついていたのだから、すでに村内だったと思うが)更に自転車を漕ぎだす。徐々に民家が現れてきて、寺院や商店も出てきて、道も岐分かれしてきて村らしくなってきた。が、ほとんど人通りがなく、人の気配がなかった。まして、湖はまるっきり見えてこなかった。が、看板だけは出ていた。ボート乗り場?貸しボート?、しかしどこに乗り場があるというのだ?、分かれ道では湖よりの道をいくが、いっこうに湖の気配がでてこなかった。時間は3時を廻っていて、決断を迫られる。一度人に尋ねたが、会話は成り立たなかった。しかたなく諦めるしかなかったのだ。同じ道を村からだと1時間15分くらいかかってホテルに戻った。ホテル近くの商店で買い物をする。そこでそれ以来病み付きになるミャンマーのウィスキーにめぐり合うことになった。Royal Grandとかいったか?これは昔イギリスの植民地だったからか、安い割りに口当たりは悪くなかった。日本でいうポケット壜サイズで2000K(200円)はいい物をみつけた、という喜びがあった。しかし、あいにく夕食に、ホテルの近くには適当なミャンマー定食を食べさせる店がなかった。夕食にはあまり遠くまで行く気がせずに、たまたま近くにあった日本食の店に入ってしまった。そこはオーナーは日本人とのことだったが、すべて現地の人にまかせっきりのようで、メニュウにあった日本食は似て非なるもので落胆&悲嘆(そういえばこの店はわれわれがいったと着、お客さんはゼロだったからいつまでもつことやら??)、それでもホテルに戻ってポテトチップス(一袋100K、小さな袋だが10円だと思うと嬉しい)とコーラ割りウイスキーで、ひと息つくのであった。

ニャウンシュエの街外れ?にかかる橋とその橋からボート乗り場を臨む;下Img_1022_640x427Img_1021_640x427

運河に沿った道を行くとこの寺院があって、そこで道を間違えたことを知るImg_1024_640x427

カウンダインへの道の風景Img_1023_640x427

道の途中、随所に飲料用の甕が置かれていた(飲まなかったが)、、Img_1025_640x427

ニャウンシュエから自転車で1時間のところにあるインレー温泉(Khaun Daing Natural Hot Springs)Img_1029_640x427

温泉には入らずその前の小高い山にある寺院に登るImg_1028_640x427

寺院からの眺め;3枚、遠くにインレー湖が見えた、、Img_1030_640x427Img_1031_640x427Img_1032_640x427

温泉からカウンダイン村へ行く途中にあった寺院Img_1027_640x427

そこからは水路があって、インレー湖に繫がっているようだったが、けっこう距離があるようだった、、Img_1026_640x427