独歩の独り世界・旅世界

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奈良・京都 3) 5月1日 晴

  しかしここ西河という山間の村(奈良県川上村)に民宿を見つけらることができたおかげで、今回は結構うまいコース取りができたと思っている、何故ならこれも地図を見ていて発見したのだがここから再び大峰の主稜線に登り返すルートがあり、登りついた先が青根ヶ峰、そこから少し下ったところがいわゆる吉野の奥千本のあたり、金峯神社西行庵に出られるルートだったからだ

 朝食をしっかりいたたぎ(山に登らないときはたいていビールで朝酒、ご飯はだいたい三杯は食う)7時40分宿を出る、この川上村は林業・木工が昔から盛んらしく川上村林業資料館という立派な建物の脇を通りをこれも観光名所となっている蜻蛉の滝へ、このあたりはどこも歴史的な名所だから、ここも雄略天皇がどうした、こうしたってってその謂れが書かれていてもまったく違和感がない、またこれから辿る吉野山に続く道も万葉の昔からさくらの名所として親しまれていたところなので同じ道を万葉人たちも歩んだといわれても、これまたまったく違和感がなかった、その見事な滝を見物し、背後の山を20分ほど歩くとふもとの大滝から吉野山へつづく大きな道に出た、その舗装道もすぐに山道となりほとんど勾配のない静かな山歩き、人の気配もない聞こえるのは音無川のせせらぎのみ、わたしの最も好きな一人歩きの至福の時間、さくらの頃だったらさらに美しいときめきがあったろう、とも思うが恐らくその頃は大勢の花見客が押し寄せてきてそうはいかない、この時だって充分青葉・新緑が楽しませてくれたではないか‥

 ほとんど勾配の稼げない道がしばらく続き、そして本格的な登りが30分、樹林が開け吉野の稜線が見渡せた、そこからほんの一登り舗装された車道を突っ切って青根ヶ峰の山頂860mくらい?に着いた、蜻蛉の滝から約2時間、樹林に囲まれほとんど展望は利かなかった、すぐに下り始めるとまた女人結界門があった、そこから下は世界遺産吉野のまったくの観光道路となっていた、わたしも登山者から観光客になり西行庵、奥千本、金峯神社義経隠れ塔、高城山展望台、吉野水分神社、上千本、中千本、吉水神社、金峯山寺と道すがら見物しながら下っていったが、これはひどく疲れた、流石に天下の吉野と言われるだけあって、さくらの季節が終わっててもこれだけの人、写真ではよく目にしているがさぞや素晴らしいものだろうと容易に想像はできるのだが、恐らく人の多さにそれどころではないのではと是非ここのさくらを見たいという気持ちと遠慮したい気持ちが相半ばした

 疲れきっていたが、それでも登山者の意地で近鉄吉野駅へ下るロープウェイは利用せず歩いて下りた、ものの15分くらいのもの、ロープウェイ代を昼飯とした、近鉄電車で西大寺へロッカーに預けた荷を取りまた預けわたしの友人の待つ近鉄学園前駅へ、折から奈良は遷都1300年祭の真っ最中、近鉄西大寺駅は凄い混雑であった、学園前駅で15年ぶりの再会、お互いすっかり老けてしまって知らずにすれ違ったらわからなかったかもしれない、その日は彼の家で歓待され話に花が咲き大酒を食らってしまった、つまり大変世話になり迷惑をかけてしまった、いつもいつもこうして借りが積もっていく、その借りを帳消しにする日が来るのだろうか?ノーテンキ・自分勝手人生は変わりそうもない(奈良で大変世話になったK氏とは、30年前にスペイン・マドリードからポルトガルリスボンへ行く列車で同席して以来のつきあいです)‥

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