独歩の独り世界・旅世界

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奈良・京都 4) 5月2日~4日 晴、晴、晴

 あくる2日、西大寺で大学時代の友人二人と待ち合わせた、一人は宮城県の公務員を定年退職しその後第2の人生をこの奈良で仏像・絵巻物の研究のため大学院に再入学して日々学生として学んでいるという異色人間、もう一人は昔の旅仲間だがわたしのためにわざわざ神戸から出てきてくれるという、いずれも久しぶりの再会、で西大寺で落ち合ってミーハーチックに遷都1300年祭に行こうとしたのだが、これがまた大変な人出、そこで奈良在住元公務員氏は気を利かせて近くの近鉄デパートの屋上へ連れて行ってくれ、そこから遠望にて一応目的達成、そのあと近鉄奈良まで電車で行き、彼の行きつけの店、お勧めの寺社を案内してくれた、即ち‘あうん’というところで冷麦をご馳走になり、頭塔、福智院、十輪院、そして酒仙堂でお神酒を頂戴し、元興寺、率川神社、漢国神社で午後の半日コースは終了した、いずれもわたしにとっては初めてのところばかりで、おまけに専門家顔負けの学識・博識で説明してくれるのだから(今や彼はプロに近いかそれ以上の知識を持っている)それはそれは貴重かつ有意義な一日となったはずだった、もしわたしが二日酔いでなかったら~、彼には大変失礼してしまったのだが、わたしはその日昨晩の飲みすぎで歩くのがやっとといった状態で彼らについていくだけで精一杯であった、なのでその晩彼が場所を探してくれた宴席でも、料理も酒も申し分のないところだったが、一人わたしは酒が進まなかった、この日もまたわたしは彼に借りをつくってしまった‥

 あくる日わたしは彼らと別れ近鉄電車で京都に向かった、40年来の友人G氏は近鉄京都駅まで迎えに来てくれ、彼の車で修学院離宮の近くまでわたしを送ってくれた、そこからわたしは比叡山を目指して登り始める、何回か京都を訪れたことはあったが、比叡山には行ってなかった、どうせなら歩いて登ってみようと思い立ちその旨友人には伝えていた、そして彼はこの日彼の所属するヨットクラブのオフィス兼ゲストハウスで待っててくれるという、それは琵琶湖湖畔にあった、わたしは比叡山越えをして琵琶湖に向かったのだ、今やケーブルカー・ロープウェイ、バス、自家用車でわけなく比叡山詣でのできる今日、歩いて登る物好きなんていないであろうと思っていたら、何のことないここはこのあたりでは有名なハイキングコースであったらしく、老若男女けっこうな人がおっちらおっちら登っているのにまず驚かされた、わたしの望む静かな山歩きとはちょっと趣が違った、それでも登山口からケーブルの駅を経由して西塔を巡って根本中道のある東塔まで3時間くらい歩いたか?ま、ゴールデンィークの真っ只中とあって凄い人、それだけ人気のある観光スポットなのかもしれない、が根本中道をお参りして坂本への急坂を下り始めると別世界のような静けさになった、坂本へは1時間くらいで下りつき、友人に連絡し迎えに来てもらった、彼はその夜バーベキューを用意していてくれ、貸切状態のヨットクラブで琵琶湖の夜景を見ながら夜遅くまで飲み・食べ・語り明かした、彼とは大学入学前に長野の学生村で知り合いそれ以来途絶えることなく交流は続いていた、会ったのは15年振りだったが相変わらず人柄がよく、快くもてなしてくれた、彼にもまた借りが増えてしまった‥

 京都最終日、彼は車で京阪三条駅まで送ってくれた、わたしはこの日の夜11時頃京都京阪三条発の夜行バスで帰ることになっていた、で、まずここのロッカーに荷物を預け一日京都の町を一人で歩いてみることにしていた、行き先は大まかには決めていた、まだまだ行ったことがないところが多かったが、その中でこの日行ってみようと思っていたのは禅寺の大本山大徳寺妙心寺である、この両派の大本を知らずしてどうして禅を語れよう、また妙心寺派、大徳寺派といわれてピンと来ないようでは情けない、なのでこの二ヶ所ははずしたくなかった、その日市バス一日乗車券を手にしまず大覚寺へ、金のかかるところはパスしていくつか庭を見る、そして竜安寺仁和寺は再訪、仁和寺から歩いて妙心寺へ、ここはガイド料を払って天井画の雲龍図を見た、暑い一日でけっこう歩いたので疲れが出る、太秦広隆寺で打ち止めにした、そのあと京阪三条まで戻り、4時に待ち合わせしていた京大教授の友人に会う、彼は今年から京大教授に就任した京都生まれの京都人だったが、実は今年3月まで千葉に住んでいて東京都市大学の教授をしていて、ちょっとした縁で10年来の付き合いだった、たまたま今年から栄転して京都大学の教授になり実家に里帰りしたというわけだ、わたしの上洛を知り夜行バスの出発まで飲み会に付き合ってくれることになっていた、わたしは彼の了解を得て昨日の友人ともう一人京都の友人を招待することにしていた、もう一人の京都の友人も今や知らない人はいないほどの京都の有名人だった、わたしはお互い知り合いでない京都の大物3人の顔あわせが楽しみであった、まったくうだつの上がらない千葉の田舎モノによって顔合わせが実現する、なんかのきっかけになればと思ってのことであった、せめて少しでも借りが返せたらとの思いからでもあった、その席はネットで調べ千葉から予約しておいた、そして京都の大物3人の顔合わせは実現した、ほとんど同世代の3人、いやわたしを入れて4人でバスの出発ギリギリまでの飲んで語って意気投合したかに見えた、それがわたしの酔眼でなければよいのだが‥

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