独歩の独り世界・旅世界

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インドネシアの旅 第三章 スラウェシ島 その3 Tana Toraja 二日目&三日目マカッサルエアポートへ

 初日は主にランテパオの南方面をめぐっていたが、二日目は北側を行くことにしていた。それでも、このランテパオ周辺の見所をすべて回れるわけではなかったが、やはり主だったところだけでも一日ではきつかったように思う。ここを二泊にしたのは正解のようだった。あくる日7時には起きてコーヒーをいただきながらmailのチェック、彼がお母さんのために焼いていた朝食用のパン?を少しもらう、、この朝の時間はなんともゆっくり流れて優雅さがあった。

Img_7752_640x480_2これはパンではないな?ケーキ?

 一通りの朝の仕事を終え、彼はコーヒーショップと雑貨屋の戸を閉め、わたしを乗せて北に向かって出発してくれた。行き先は北に見えていた山の上とのこと、そこへはランテパオの街を通っていくのが普通のルートのようであったが、目の前の川を渡って昨日と違う道をいった。途中何ヶ所も眺めのいいところを通ってくれた。いたるところトンコナンの家々があって、その都度写真を撮りながらいった。最初に寄ってくれたところはボリ<Bori>というところで、そこは広場に夥しい数の石柱が立っていて、それは死者を悼むシンボルとのこと、それだけではなくその背後の山には赤子を埋葬する巨木が建っていたり(巨木をくりぬいてそこに遺体を埋める?なんでも白い樹液がミルクの代わりとか?)、巨石を穿ってそこに埋葬したりと、ここは入場料(30)を取られたが、ま、Torajaのさまざまな埋葬形態を知る上で重要なところに思えた。旅行者も2~3見かけた。そこからは約1時間、バイクでの山登りとなった。その道々もトンコナンの家あり、教会あり、巨石墓地あり、そして上に行くに従って素晴らしい眺めを見下ろしながら、見晴らしのよいところに建てられているレストラン&ホテルのあるバトゥトゥモガ<Batutumonga>という展望台?に着いた。そこからランテパオ方面の眺めを楽しみながらしばし休憩、Terong/Tamarella juiceが有名とのことで飲んでみた。ここまでは車やバイクで来られたが、更なる上はトレッキングルートがついていて、山登りを楽しむことができるそうだ。ウィルも何度かガイドしたことがあるといっていたが、わたしはそこまでで十分だった。で、そこからは引き返すのかと思ったら、さらに先まで道が続いており、しばらく行くと今度は、びっくりするような大きな巨石墓がでてきた。その辺りも観光客で賑わっており、その周りには大小さまざまな岩石墓がいたるところにあって、まさにこの地(広くランテパオ)は埋葬形態、つまり死者を弔う儀式及び埋葬場所に特色があることを嫌というほど見せつけられるのだが、墓地めぐりが観光ルートになっているという意味では世界でも珍しいところのように思われた。ま、そんな写真をいやというほど載せることになるかもしれない‥??、、

Boriに向かう道から;6枚Img_7757_640x480_2Img_7760_640x480
Img_7761_640x480Img_7764_640x480Img_7765_640x480奥に見える山がこれからいこうとしている所Img_7758_640x480

Boriの石柱群ほか;10枚
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Img_7772_640x480岩石墓?(3枚)Img_7789_640x480Img_7787_640x480Img_7773_480x640赤子用の樹木墓

Img_7785_480x640Img_7794_640x480今回の旅ではたびたび被写体になってしまった、水牛の角の数ではここに勝るところはなさそうだ&何故かマレーシアの女の子に一緒に撮ってくれといわれたので、ついでに自分のカメラにも収めてもらった

Img_7796_640x480Boriiに隣接していた村落のトンコナン倉庫

Batutumongaへの道;2枚Img_7798_640x480棚田の美しいところImg_7801_640x480

Batutumongaの展望台からランテパオ方面;3枚Img_7804_640x480Img_7802_640x480
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Img_7806_640x480Terong(なす)とTamarella(?)のジュース

Batutumongaから5分のところにあった巨石墓;2枚Img_7809_640x480Img_7810_640x480たぶん地元の女の子達


 アランアラン出発が9:30で、Boriが10時頃、Batutumongaが11:30で、巨石墓を見て12時頃から山を降りだす、あと一ヶ所だけ寄ってくれないかとお願いしたところは、ランテパオの北10km辺りにあったパラワPalawaという、これも伝統家屋の残る集落だった。ここもガイドブックに載っていて、保存状態がよいとあったので、ここを最後にトンコナンハウスももういいか、と思っていた。Palawaまでは1時間弱かかって、Kete Kesuとは趣の違う集落に着く。それほど多くはなかったがここもツーリストで賑わっていた。どうもグループらしいツーリストは少し日本人ぽい顔つきだったから、まさかと思って聞いてみると台湾からのツアーといっていた。いずれにしろこの地Tana Torajaは、見所がたくさんあったから名だたる観光地といってよかった。われわれも、というかWilはそこを朝からバイクでめぐってくれているので、そろそろ開放してあげなくてはと思い、途中で昼飯を食べて帰ろうと提案し、Bakso Babi肉団子そばを食べてアランアランに戻った。14時半頃着で、この日のツアー5時間に少なかったかもしれないがあとで300を払った。そこからはさらに南にあったLemoというところに、そこへはペテペテでいけそうだったので、一人で行くことを伝えて出かけた。ペテペテで片道5で15分、ドライバーにはLemoと伝えてあったので、その入り口で降ろしてくれた。LemoもLondaと並ぶ岩窟墓で、そこの写真も印象的だったので、そこへは一人ででもいってみたかった。午後の日差しが暑いなか舗装された道を歩いて10分くらいでそこに着いた。ツーリストは誰もいなくて少し寂しい印象があった。ここも入場料を払ってい入る、そして写真で見たことのあった岸壁に並ぶタウタウ人形の異様さに少々不気味さを覚える。もちろんここもタウタウの陳列棚だけでなく、岸壁の高所いたるところを穿って墓所としているのだが、なんとも、まあ、風変わりな風習があちこちに残されている奇妙な地Tana Torajaは、しかし背景の山と空と田園風景の美しいところでもあった、という印象をわたしに植えつけたのだった。

Palawaの道、さまざまなお墓、田園風景;3枚Img_7813_480x640Img_7817_640x480Img_7816_640x480

Palawa;5枚Img_7818_640x480Img_7821_480x640Img_7822_640x480Img_7825_640x480Img_7826_480x640トンコナンの内部;2枚

Lemo入り口、ペテペテを降りたところImg_7850_640x480


Lemo;6枚
Img_7832_640x480左が入場券売り場Img_7833_640x480岩窟墓4枚Img_7837_640x480Img_7838_640x480Img_7840_640x480Img_7839_640x480岸壁の下から振り返る、この風景は死者に安らぎを与えるのかも?


 その岸壁の下に小道があって、さらに奥に延びていた。そういう道はともかく辿ってみることにしていたから歩いていくと一軒のあばら家があった。そこはタウタウを作っている家で、お土産屋として販売所も兼ねていた。昼寝中のおばさんを起こしてしまったが、わたしも少し休ませてもらい、何かめぼしいものはありそうか見せてもらった。なかなか惹きつけられる作品が多く、一点面白そうな木彫り像を見つけたので交渉してみる。相場がわからなかったが、こういう場合相手のいう値の半値になったら買うつもりでいたが、100までは下がらなかった。その20の差をどうするかしばらく逡巡したが、ほとんど土産らしいものを買ってなかったからわたしが折れて120払った。その像は今我が家の玄関でみんなを迎えている、、結局その村では一人のツーリストにも出会わなかった。午後の日差しがまぶしく明るい雰囲気であったが、なんとなくさびしさを感じたのは、ツーリストがいなかったせいか、あるいはタウタウのせいか、あるいはそこが墓所だったせいか、そんなことを思いながらまた国道まで歩いた。ペテペテはすぐにきたが、言葉が通じなかったから降りるとき大きめなお札を出したら、釣りを誤魔化そうとしたので直ちに抗議する、ばれたかといった表情でちゃんとよこした。16時ころアランアラン帰着。そのあとは例によって、水浴び、洗濯、昼寝で夕方を迎える。

タウタウの制作所兼販売所;4枚Img_7841_640x480Img_7842_640x480Img_7845_640x480Img_7846_640x480このおばさん一人が店番していたが、果たしてここまで一日何人のツーリストが訪れるのだろか、と思わずにはいられなかった、、

帰り道、明るい日差しは晴れやかであったが??、、;2枚Img_7847_640x480_2
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 その日の夕食は近くに簡易食堂があるというので、心配はしてなかったが、昼寝から覚めてコーヒーをもらってmailチェックなどをしていると、肉まん売りが来た。Wilはおやつかわりに食べていたので値段を聞くと4(30円くらい?)とのこと、これは夕飯代わりになると思って一個購入、夕飯はそれと昨日の残りのパームワインでわたしにはちょうどよかった。飲みながら、お客の全く来ないコーヒーショップでいろんな話をした、彼とはわたしの息子ほどの年の開きがあったが、話があったし相性がよかった。次の朝、彼は約束どおり、8時くらいにオープンするはずというランテパオの郵便局までバイクで連れてってくれた。前の日が日曜で(切手が買えず)ポストカードを投函できなかったからだ。7時半にでて8時半にはアランアランに戻った。そして言葉では言い尽くせなかったが、感謝の意を伝え礼を言って次に来るマカッサル行きのバスを待った。このときしみじみ往復のバスticketを買わなくてよかったと思ったのは、彼によるとこのバス代は交渉次第と聞かされたからだった。これだけしきりにバスが走っていて、いずれもガラガラとなればそれも納得のいくことだった。そしてしばらく待って来たバスの助手と交渉してくれて、最初150といわれたバス代は、最終110まで下がったのである。なんと往路の半値に近かった(往路は200だった)。彼にはほんとに世話になった、また好感の持てる男だったから、この宿とホストはお勧めしておきたいと思う。また、彼のところで何杯となくいただいたToraja Coffeeも彼への礼を兼ねて宣伝しておきたいと思います(彼のairbの宿は Lande Coffee Houseといったので検索してみてください)、、

このバスは前日に撮ったもので、ランテパオに向かうバス、こんなバスが何台も通り、アランアランには必ず停車した、、(バスの左にLande Coffeeの看板が見えている)Img_7751_640x480

 たぶんアランアランをでたのは9時ころだったと思う。途中この辺りの中心都市Makaleを通ったが、往路は夜中で何も見えなかったし、どこがどこかもわからず通り過ぎてしまったこの街もなかなか見所のありそうな街にみえた。Wilもいっていたが、丘の上に建つキリスト像が、リオのそれを思わせるものがあり、興味をひいたがうまく写真には収められなかった。そこからしばらく山道をいき、そのあとはずっと下っていくのだが、Makaleを過ぎるとなんか不思議な感覚にとらわれた。つまり結界をでたといったらいいのか、そんな感じ、つまりTana Torajaは目に見えない結界があったような感じがした、ということだった。風景も変わりトンコナンハウスも見られなくなっていった。が、またこの峠越えが素晴らしく、山中の景色は美しかった。12時頃、そんな風景を楽しめる展望台のような場所にあるレストランで昼食休憩、そのシステムは言葉が通ぜずわかりにくかったが食事は安くてなかなかよかった。その辺りから道はだんだん下っていった。途中Adira?という街14時頃、下に降りて海沿いの街パレパレParepareが15時頃、空港近くで降ろしてくれると聞いていたが、そろそろかなぁと思っていると17時半ころ、とある車の往来の激しい大きな交差点の近くでバスは停まり、そこで何人かが降りた。わたしの降りるところもそこだった。そこからはオジェでいけると教えてくれた。それほど遠くではないと思われたが、オジェドライバーは足元をみたのか、30以下には下げなかった。15分か20分で空港着、そのときもそれから7時間、空港で待機しなければならなかった。ニューギニア島ジャヤプラJayapuraへのフライトは思っていた以上に多くあったし、マカッサルからが一番近そうだった。ただ、そこへ行くことに決めたのが急だったため、安いフライトを探すとなるとどうしても時間帯は悪くなった。ま、しかし一泊のホテル代が浮くこともあったので、多少高くとも日本でネットから購入した(Makassar →Jayapura→Wamenaの往復は日本円で3万ちょっとだった)。なかなか簡単にいけるところではないこともあって、いや、それよりも距離からして3時間半も飛ぶことを思うと、そんなには高くなかったかもしれない。しかし、そのフライトはさらに1時間も遅れたので結局マカッサルを発ったのは夜中の2時半で、ジャプラ着はわたしの時計で6時、現地時間朝の7時(時差1時間)だった、、

Makaleの街のキリスト像、車窓から;2枚
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非常に見晴らしのいいところで昼食休憩となった;3枚Img_7865_640x480Img_7866_640x480Img_7867_640x480

Makassar airportには18時頃着いた;2枚
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