独歩の独り世界・旅世界

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身近な人の活躍を紹介(本の出版、文学賞受賞、等々)

 今年に入って、友人・知人の活躍が目立っている。いつかは世にでておかしくない実力のある人たちばかりだから、突然のことではない。やはり世間がほっておかなかったのである。そういう人たちとたまたま知りあいだったことを誇りに思い、敬意を表してその作品の概要を紹介させていただきたく思います。是非、直接手に取ってご賞味いただきたいと思ってます。

 最初は、草野あずきさんの電子書籍グアテマラ 遠くて遠い国 ’(海外書き人クラブ出版BOOK WALKERから購入できます)です。この本については何回か前のブログ‘グアテマラの達人’で、そのブログ‘Guatebuenaな日々’を紹介させていただいたときに少し触れたと思います。そのとき申し上げてますが、実はこの方とは直接の知りあいではないのですが、何回かいろんな情報やアドバイスをもらっているうちに勝手に親しみを覚えて、一方的に知人と呼ばせていただいております(一応本を紹介することの了解はとってます)。彼女はグアテマラ滞在20年で、グアテマラのことはもちろん、彼女が訪れている周辺諸国のことも含めて、今現在日本で手に入る最も信頼がおけて、重要かつ最新の情報をそのブログで発信してくれています。その深さたるや一般のグアテマラ人も知らないような政治的情勢から社会的ニュース、観光情報、そして広さはグアテマラ国内はもとより中米全体をカバーしてくれています。なのでブログ‘Guatebuenaな日々は’必読ブログとして間違いないのですが、そのタイトルにあるように‘遠くて遠い国’なのでほとんど日本人には知られてないグアテマラをわかりやすく紹介し、その魅力を知ってもらおうと、そのブログから何編か集められたのが、電子書籍‘グアテマラ 遠くて遠い国’です。実はわたしは電子書籍を手にするのは初めてのことでした。もう年なのでこの機会がなければ手にすることもなかったかと思うのですが、案外簡単に、そしてかなり安く手に入れられたので驚いてしまったという、恥ずかしい経緯がありました。しかし、若い人ならすでに馴染みの世界かと思います。また、中米に興味をお持ちの方なら、必ず新しい知見を見出すことになると思います。この本の発刊は確か今年の2月だったと思います、ぜひBOOK WALKERにアクセスしてみてください ! ! 

 さて、そのひと月後の3月に、わたしの50年来の友が一冊の本を出版しました。タイトルは‘アマゾンの岸辺より’というものです。その本の紹介をさせていただこうと思うのですが、さて、何から紹介していったらいいか? で、1,著者、2,本の内容、3,訳者=わたしの友人の順でいってみます。1,この本から著者の履歴を辿ってみますと、原本の著者はFlorencio P.Alegre G.という神父さんだった人です。この人は1917年スペイン生まれ、16歳の時に宣教師を志望してペルーに渡ったとありました。その後ペルーのオコパ修道院で哲学と神学を学び、1941年に司祭になられているそうです。それから40年余り、アマゾン川流域のロレート県を中心に伝道・布教の傍ら、この地域の教育に尽力された方とのことです。特にアマゾン流域の先住民の支援、貧しい人たちへの救済、(アマゾン川の一支流ウカヤリ川の町)アタラヤには大工や靴職人、機械工の訓練所を設立したり、レケーナにおいては、23年間学校の運営に携わり、この地域における最初の新聞を発行するなどして地域の発展に貢献し、1956年にはペルー教育省から表彰されているとのことでした。では2,そこに書かれている内容はどういうものかというと、この神父さんが40年間(1941~1980)その地で実際携わったり、関わった人たちの類型から紡ぎだした物語を本にしたものと思われます。我々日本人がまず見聞することが難しい、アマゾン川流域の地方誌であり民俗誌であり、流通・生態・文化・教育・経済・風俗・交通・動植物といったものが、また人々の貴重な生活の記録が物語風に、エピソード風に描かれているのです。その頃からすでに半世紀がたって、生活様式も様変わりしていっているものの、基本的に川の民であることは変わりません。その実態を余すことなく伝えていると思いました。笑いあり、ペーソスあり、冒険譚ありのアマゾンの風物詩を文学として残しています。3,として、その本とこの訳者、わたしの友人である今関直人はどのようにして出会ったのでしょうか?、ここにも一つの物語があって、奇遇というか、奇妙なめぐりあわせ?、いや、もしかしたら必然だったともいえそうな出会いがあったのです。それについては、訳者あとがきから、その原文を少し長いですが、そのまま(一部)引用しておきます。

<<私がアレグレ神父の著書である‘Por Tierras Amazonicas’を手にしたのは1975年5月2日のことだ。その日、私はレケーナの教会でアレグレ神父にお会いした。もう40年以上昔のことで、私の記憶は定かではないが、ゆったりと人を包み込むような人柄で、白い豊かなあごひげを蓄えた、小太りのどちらかといえば短躯の初老の人物だったことがおぼろげに思い出される。神父はこの本を寄贈くださった日を、裏表紙に自分のサインとともに記してくれたのだ。この著書は、1974年にリマで出版されていた。その頃、私は共同通信向一陽氏の主導する‘奥アマゾン探検隊1973~1976’の隊員として、ヴェネズェラ領オリノコ川からコロンビア・アマゾン支流を経由してペルー領のアマゾン流域までの長旅を続けていた。ウカヤリ川の主要な町であるレケーナに立ち寄り、警察署でこの地域の事情に詳しい人物を訊ねたところ、紹介されたのがアレグレ神父だった。

 お会いすると、神父は残念そうに、‘私は急用で旅にでなければならないので、あまり話をする時間がない。’と語り、少し落胆した私に、‘君の知りたいことは、この本に書いてあるのでこれを読んでみなさい。’と手渡されたのがこの著書である。僅か30分足らずの会見であったが、著書を贈られるという珍しい体験だったので強く印象に残った。そんな精力的に仕事をされていた神父が、それから僅か5年後に亡くなられていたことを知ったのは最近のことだ。その本を手にして改めて稀有な出会いであったと思う。>>

  わたしの友人今関は、その頃からスペイン語の素養はあったのだが、ほとんど枯渇してしまっていたようだ。が、彼は定年を期して奮起して見事にこの本を独学で訳してしまった。そして自費出版の形で日の目を見ることになったのです。そういう意味ではどこの本屋にも置いてないから希少価値もあると思います。興味を覚えた方は、本人に直接mailで注文するか、わたしに連絡ください(ここのコメント欄でok)。彼のアドレスは

IMAZEKI"<imazeki@kde.biglobe.ne.jp>

なお、価格は1490円、送料は360円かかるとのことです。

 さて、最後にもう一人紹介させてください。ちょうど今関の出版祝いをやった一ヶ月後のことでした。その出版祝いにも出席していた今関よりも30年ほど後輩の大谷女史から、さる文学賞の随筆部門で佳作に入選したとの報が入りました。実は、今関も大谷女史もわたしも同郷の仲間(しかし誤解しないでください、これは文学仲間ではありません)、つまり千葉県人で、その文学賞は千葉日報社主催のものでした。今年随筆部門の該当者がなく、その代わり佳作2名となったそうですが、その原稿のコピーを見せてもらって、受賞してもおかしくないほどハイレベルな内容だったので、いずれこの随筆も本になるであろうと思っているところです。そのタイトルは‘野の花を見つめて’というもので、彼女の住まう房総の(いや場所を特定せずとも、どこにでも)咲き集う野草の魅力を讃えたいい文章で、作品の新聞掲載は5月の中旬とのことでした。もしそれに接することができる方は、是非目を通していただけたらというお願いです。今や、他人の栄誉を羨む年は越えてます。こうして、同輩、後輩の頑張りを目にするはことは喜びとともに励みにもなります。しかし、どうやら今年のその当たり年のようで、無芸のわたしは、その都度開かれるお祝い会と称した飲み会がうれしいのでした、、

以下は‘アマゾンの岸辺より’の表紙写真です。これを強引にわたしごとに引き寄せてコメントします。実はわたしもアマゾン川には多少縁があって、近いところでは3年前にその地に赴きました。その時書いたブログに、意外にもよく読まれたものがあって、そのタイトル‘2014の旅 プカルパ Pucallpa’というものでした。このプカルパも‘アマゾンの岸辺より’にでてくるウカヤリ川に港をもつ大都市なのですが、この本の表紙の写真が、何と40年前のプカルパの港風景だったのです。ま、牽強付会といわれそうですが、その意味でもぜひこの本を手に取ってみてください ! !

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