独歩の独り世界・旅世界

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グアテマラ最奥を行く、、ミラドールEl Mirador 遺跡 その2 , 初日・二日

前回からのつづき(無断転載?)です、、

<ミラドール・ジャングルツアー、初日>
そのトラベルエージェンシーの前に二人のアメリカ人が座っていました。時間は朝の6時、それから5日間とくに親しくというか、年寄りのわたしを気遣ってくれたJamesと彼の恋人Alexaでした。ニューヨーク住む彼らはとても仲のよい30代のカップルで、わたしよりずっと大人といった感じでした。われわれ3人はやってきたピックアップトラックに乗って他のメンバーのピックアップに周りました。最終的にこのツアーの参加者はわたしを入れて7人でした、、James&Alexaの他はスイスの若者二人(男性二人組みChristoとChristian)オーストリアの女性(Marionet)、イギリスの女性(Kelly)で、わたし以外はみんな若者、そしてみんな英語は普通にしゃべれ、6人のうち5人はドイツ語圏出身だったから、ほとんどの会話はドイツ語か英語で交わされることになり、どちらも理解不能のわたしは当然いつも蚊帳の外でしたが、それでも各々みんないたわりの精神の持ち主だったので、のけ者にされるというようなことは一切なく不自由な思いをすることもまったくなかったのですが、ことの他アメリカ人カップルには世話になってしまった、、ま、そんなことも含めて、少しでもそのツアーの報告ができればと思っております、、

まず、このピックアップトラックは座席には4人しか座れなかったのですが、スイスの若者とイギリス人女性は行き帰りともピックアップの荷台で我慢してくれた、、帰りはまともに雨を食らってしまったのにもかかわらず不平ひとつ言わずに‥、、そのピックアップの荷台には市場に寄って買いだされた肉・野菜・卵他大量の食料とキャンプ用品で埋まり、ともかく何の説明もないままフローレスを出発しました。市場を後に30分は快適な舗装道路でしたが、すぐに未舗装となり、そしてそれはすぐにとんでもない悪路となりました。その悪路は2時間ほど続き、ま、一概に悪路のせいとは言えないかもしれませんがその間に二度のパンク、途中で朝食をとって(もちろん朝食は含まれていて、途中の粗末な食堂だったが、しかし悪くない朝食だった)フローレスから3時間(朝食の時間も入れると4時間)かかって11時半ころ車道の終点Carmelitaという村に着きました。フローレスから85km?ここまでは悪路ながら一日一便バスが通っているとのことでしたが、帰りにそのバスがぬかるんだ坂を登れず立ち往生しているのを目撃しています、、

さてCarmelitaという最後の村は人口数百人?の農牧業主体の小さな村ですが、ほとんどの村民はこのミラドールツアーのガイドかその助手(今回はガイドのほかに食事係の女性一人、ロバによる荷物運搬の男性一人、ちなみにロバmulaは6頭だった)として生計を立てているようでした、、で、ここに来るまでわからなかったのですが(なんら説明なかったので)そのピックアップのドライバーはただの荷物と人の運搬人でしかなく、われわれと荷を降ろすとさっさと帰っていきました。降ろされた荷は村人によってロバに移され、われわれは12時ころにその村のガイド(ウーゴHugoという名、素晴らしいガイドだった)とともにジャングルに入っていったのです、、

市場での買出し128_640x480

ピックアップ荷台の三人、左からChristian,Kelly,Christoph131_640x480_2

道端のcomedor食堂130_640x480_2

パンク修理中132_640x480

Carmelitaの村、たぶん写っているロバたちが荷物を運んでくれた、、134_640x480

村から5分くらいのところにあったジャングル道入り口の道標、女性はAlexa、
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 出発前にそのガイド氏はその村に建てられていた地図及び解説・案内板(?前回掲載した写真)を示しながらミラドール遺跡の概略を説明をしてくれたので、そのときはじめて彼がこのツアーを取り仕切る人だとわかったのですが、なぜかそれはわれわれをほっとさせました。なぜならひとつにはピックアップドライバー氏はそこまでの3~4時間のあいだ何も説明してくれず、彼がこのツアーを取り仕切る人だったらちょっと不安でもあったからですが、ガイド・ウーゴ氏は打って変ってとても篤実な人柄だったのと、年齢50才、18才からこの地をガイドとして歩いており、年季が入っているばかりでなくガイドの国家資格を所有していて何でも知ってる、まことに頼りがいのある人物だったからです(もちろんすぐにそれとわかったわけではありませんが、失礼な言い方かもしれないがこのガイドはあたりだった)。が、しかしその彼に導かれてのジャングル歩きは決して生易しいものでもなかった、、道が比較的平坦だったのとジャングルが日差しをさえぎってそれほど暑くはなかったのがせめてもの救いで、まず足場の悪さにてこずることになりました。その道はそれ以前天気が悪かったのかほとんどぬかるみ状態で足場の選択に目が離せません、、そんな道を彼は意に介さず飛ばしていく、その速度はたぶん時速5kmくらいではなかったかと思われます、普通人の時速は4kmくらいといわれてますが、ま、早足の速度なのでそれよりは早かった、、そしてなれない道にもかかわらずぜんぜん休みを取らない、わたしの場合山歩きのときなんか1時間に最少一回(多いときは2,3回)休憩を入れるのだけれど、彼はなんと2時間半歩き続けてやっと30分くらいの休みをくれただけでした。そうやって一回の休憩と軽い昼食休憩をとっただけで20kmを5時間(休憩時間を入れて)歩き続けて最初の宿泊地Tintalのキャンプサイトに着いたのですが、初日のこの行程はそれはそれはきつかった、、流石に若者たちもそうとう疲れたようでした、、もちろんわたしは明日は無理かとちょっと悲観的になってしまったほどでした、、

ところが、やっとの思いでたどり着いたキャンプサイトでわれわれは意外な光景を目にすることになりました。なんとそのキャンプサイトは先陣に埋め尽くされ、どうやらミラドールから戻ってきたパーティが数組みあってわれわれのテント場にも事欠く状態で、おおよそジャングルのキャンプサイトとは思えない賑わい・混雑ぶりだったのです。で、ゆっくり落ち着いて休憩というわけにもいかず、われわれはまず日没が見られるというテンプルTintalにか向かいました、、テンプルTintal?実はそのTintalというキャンプサイトはTintalという遺跡エリアにあって、そのテンプルとはこれまた馬鹿にできない高さを誇るピラミッドなのでした。そしてその頂上からのSunsetは360度の<ボスケbosque>ジャングルが覆う地平線に沈んでいくものでした、、遠くに明日向かうミラドール遺跡のピラミッドの高みが見えるとウーゴが教えてくれました、が、その距離の遠いこと、少なくとも今日歩いた距離の1,5倍の30kmを思うと、今日がきつかっただけにちょっと自信がなくなってくるのでした、、

ジャングルを行く、、138_640x480

初日のテンプルTintalからの落日、、この日すでにバッテリーがなくなりかけておりそれほど写真とれず、、
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<二日目>
しかし、落ち着いて食事ができなかったりテント場にも事欠く状況でしたが、作ってくれた食事(前日の夕食)はうまかったし特別に与えられたひとり用テントの寝心地も悪くなく、これまでにない熟睡で次の朝はさわやかな目覚めでした、、そしてなんとウーゴが昨日予言したとおり、二日目の歩きは距離は長かったのですが存外楽だったのです、、ひとつにはジャングル歩きに慣れたから?それとこの日の足場が昨日に比べずっと歩きやすいものになっていたからだと思われます。なので彼のスピードに誰も遅れることなくついていきました、、それでもやはり休憩は2時間半に一度で午後の3時に目的地のミラドールキャンプサイトに着くまでに一度の休憩と昼食タイムを取っただけ(8:00発~10:25休憩10:40発~12:15昼食休憩13:00発~15:00着)、、よって約30kmを7時間くらいで歩いたことになります。この間実は景色がまったく変わらなかった、ジャングルが少しでも切り開かれているところに一度もでなかった、だから気が晴れるというところがまったくなく、うっとうしい様なジャングルが歩いても歩いても続いているのです‥、あまりにも単調で気が滅入ってくるのですが、よくしたものでところどころにcamino de mayaと呼ばれる古代マヤの幹線道路跡があったり、ちょっとした川があって即製の橋がかかっていたり、また時にはモンキーショウ(樹上のモンキーウォッチング)やバードウォッチングが楽しめたり、ま、それなりに面白さはあってジャングルウオーキングを味わい尽くす行程ではありました。そうやってやっとの思いで到着したミラドールキャンプサイトは昨日と打って変って別天地のようなところでした。そう、そこだけは切り開かれた草地で、われわれの他は途中でわれわれを追い抜いていった、まるで日本の山岳部のようなノルウェーの若者6人組のパーティだけでした。いや、そこはまったく素晴らしいところで、七面鳥(?もしかしたら孔雀、その違いがよくわからない??)の群れが戯れるその草地に寝転んで、どれほどリラックスし寛いだことか‥!!

そこは、いってみれば遺跡のど真ん中に位置するところだったのですが、周りの遺跡はまったく手がついていないのでその面影がまったくなく、要するに山の中に切り開かれたキャンプ場といった感じで、そこにはビジターのための小屋があって番人?管理人のような方が何人かおりました。その小屋で食事担当の女性が2泊3日食事の用意をしてくれたのです(彼女はCarmelitaから別行動ながらロバの背に揺られて同行してくれていたのです)。また、その小屋には10リットル入りポリタンの水が10Qで買えて、その水を使ってシャワーが浴びられるという装置もありました。そうやって少し身体を休め、身を清めてから夕食までのあいだまた全員でテンプルTigreに登って落日を眺めました。昨日のテンプルTintalよりさらに高いその小山も実はミラドールで2番目に大きなピラミッドで、上まで登るのに一苦労、一応階段はつけられているもののその傾斜はティカルなどの写真を見ればわかる通りの急勾配、頂上直下はロープが渡してありました。しかし、そこからの見晴らしも見渡す限りの樹海・ジャングル(スペイン語でボスケという)しかないのですが、他にさえぎるものがない分、世界の王さま気分にしてくれるものです。で、そのとき感じたのです。落ちていく夕陽を眺めていたとき、360度の真ん丸い宇宙船地球号が動いている、って!?地球が動いているって!?(つまり太陽が落ちていくのではなく地球が動いているという地動説を錯覚ながら実感した、ということ)、そしてここに登った古代マヤの人たちもそれを感じていた(知っていた)のではないか!?と‥、、そんな空想を楽しめる時空間でした、、

夕暮れとともに下に降り皆で夕食、ちゃんとかまどのあるところで作ってくれているので食事はおおむねOKで、その夕食も悪くはなかった、、テントはまた木陰にひとり用テントを与えられ快適な居住空間となりましたが、しかしなんといっても、そこの広場から夜空を見上げたときの驚きッたらありませんでした、、あんな星空をそれこそ砂漠でも山の上でも見たことがない!!それほど多くの星が輝いていたのです‥、、

Alexaはほとんど水のない川を歩いて、Jamesは即製の橋を渡っている、、216_640x480_2

モンキーshowはいたるところで、、210_640x480

ミラドールキャンプサイト1時間くらい手前にあったミラドール遺跡入り口の案内標識、やっと来たか、といった感じで少々休憩、、

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七面鳥?戯れるミラドールキャンプサイト201_640x480

155_480x640_2テンプルTigreの登り口、見た目は小山だがここが未発掘ながらミラドールで二番目に大きいピラミッドの基壇あたり、、階段が架設されていたが、その登りは急で数十mの山登りといった感じ、、

それを登りきるとテラスになっていて、そこに巨大なテンプルが三つ、写真にあるテンプルはその姿を現しているが、わたしの後方に未発掘の同じものが小山状でその姿をとどめている、、そしてシートが見える左側がおそらく中央祭壇で、その高さが10数メートルの大テンプル、、その頂上まで急な階段が設えてあって、そこまで登れる(これだけでもこのピラミッドのデカさがわかる)

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復元図の説明;下の復元図ピラミッドの丸で囲んである部分が上の写真部分に当たる、ちょうど矢印で示された上部テラス右側のテンプルが上の写真です、、真ん中のてっぺんが下の写真となります、、
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テンプルTigreから落日を眺める;下2枚
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