確かにフローレスのフローレス島は半島のように突き出した地形で湖<Lago de Peten Itza ペテンイツァ湖>に浮かぶ孤島のようでもあって、なかなか美しく気持ちのよいところであった、、その湖が部屋から見える、というのがここに固まっているホテル群の売りでもあったから、当然湖が見える部屋と見えない部屋では値段の開きがあった。たまたまいい部屋を得るとそこに長期で滞在する人もでてくるから、運が悪いとなかなかそういう部屋にあたらないこともある、、前回書いたことだが、グアテマラに入るとホテル代を含め物価がずいぶんと安くなるから、特にメキシコから入ってきた人たちにとっては長居の条件が整っているともいえた、、ここはそれこそティカルだけでなく、他の遺跡もあわせると大変見所の多いところでもあったのだ、、
<ペテンイッツァ湖からフローレス島の眺め、これは夕刻>
が、貧乏旅行者のわれわれにそんな余裕はなかった、、何しろ世界的な?世界遺産Tikalであっても、いやだからこそ他と比べるとその入場料がやたら高かったから、一度訪れているわたしはパレンケに続いてティカルもバスしてしまった、、息子にひとりでいってこいと告げて‥。実はわたしは別の遺跡を狙っていたのだった、、それはティカルからさらに奥にある遺跡ワシャクトゥンRuinas de Uaxactunであった、、そこは前回日数的に余裕がなく行けなかったところなのだが、情報だけは得ていた。ティカルへはフローレスからツアーバスでしか行けなかったが(だから高い、わたしが行った去年往復で60Qだったが今年は80Qになっていた)ワシャクトゥンまでは普通のバスが出ていた。が、それは午後1時と2時にあって(この時間設定そのものが奇妙であったが)帰りがワシャクトゥン発朝の6時と6時半となっていた(つまりこれはこう解釈するのが正しい、この2台のバスの車庫はワシャクトゥンにあって、それぞれ6時、6時半に出たバスが午後折り返しているだけ、こうした事例は他でもよくあった)、、で、わたしの作戦はこうであった。フローレス発13時のバスで行けば17時くらいにワシャクトゥンに着くであろう、、そこで大急ぎで遺跡を見て、何軒かあるという安宿に泊まって次の日の朝にフローレスに戻る、というものだった。だから朝6時のシャトルでティカルに向かう息子を送り出すとき、オレはたぶん明日の朝帰るからといっておいた。で、午前中は暇だったが、念のために市場や銀行、商店の集まるサンタ・エレナ地区にあるバスターミナルに行ってみた。バスターミナルまではフローレス島からは歩くと30分くらいかかるが、散歩がてらにはちょうどよい距離であった。そこで情報収集というか情報の確認をしてみたら、なんと去年の情報は役に立たなくなっていたのだった。まず、ワシャクトゥンへ行くバスは14時の一本しかなく(フローレスへは朝5時発が一本)、それでいっても遺跡を見る時間はないといっている、、ということはワシャクトンの遺跡を見るためには、向こうで二泊しなければならないことになる。予定が狂ってしまった、次の日にはグアテまで行くつもりだったからそれはできなかった。そしたら足元を見透かすようにタクシーまたはワゴン車の貸切なら日帰りができるといってきた、、いくらかかる?100ドル、、100ドルは出せない‥、、そんなやり取りが続く、、しかし一日を棒に振るのもシャクだった、、どうしたもんか?他にバスで行けそうなところはないか?ヤシャYaxhaはどう?ヤシャの入り口まではバスで行ける、しかしそこから3時間くらい歩くことになる、、しかしヤシャなら500Qでいいといってきた、、500Qは60ドルちょっとである、、ワシャクトゥンより近い分だいぶ安くなった。それでも500Qは大金であった、、それはシャトルバスでティカルへ行ってティカルの高い入場料払うよりまだ高かったのだ。しかしタクシーチャターとしては決して高いことをいっているのではないことはわかっていた。悔しいのはそれをひとりで払わなければならないこと、何人かいれば人数割りができたからであった。それで断念しようとしたら向こうも鴨を逃したくなかったのだろう、、うまいことを言ってきた。帰りにフローレスに帰る客がいたら、あるいは途中でフリーの客を掴まえたら、そいつらのタクシー代はおまえに上げるというのだ。ま、ほとんど可能性のない話しだということはわかっていたが、ひとつの落としどころとなった。わたしは了解してしまったのであった。そしてその条件でその場にいたタクシードライバーに話し、わたしはそのタクシーでいったんホテルに戻り支度を整えてヤシャに向かった。ヤシャの遺跡入り口(国道からの分岐点)まで1時間、そこからのジャングル道は20分くらいだったが、人通りも車の通行もまったくなくひとりで歩ける道ではなかった。ヤシャ着11時、80Qの入場料を払う、、その日の訪問者はわたしが二番目のようであった。われわれが帰るまでに新たな訪問者とは出会わなかったから、たぶんその日の入場者はわれわれ(わたしとタクシードライバー)と最初の組み何人かだけではなかったか?わたしはそういう遺跡が好きなのである、そしてそのドライバーは遺跡に入るやガイドをしてくれたのである(もちろんガイド料を請求されるわけでなく)、だから地図もガイドブックもなかったがその遺跡を隈なく回ることができ、ティカルに劣らない大きな都市国家?あるいはティカルの従属国家であったであろうその建造物の数々に新たな感動を覚えていた。いい遺跡であった、見ごたえもあった、こんな遺跡がまだまだこの周辺にごろごろしているのである‥、、
<ヤシャ遺跡何枚か、ここの遺跡の特徴はなんといっても近くに湖があったことである>
<写真上のピラミッドからLaguna Sacnabが見える>
<別の方角にLagna Yaxha>
遺跡めぐりに2時間半、遺跡への往復が2時間半、5時間の貸切で500Qは、ま、相場ではないかと思われた。帰りの相客なんかはまったく期待していなかった、が、相客が一人いたのである。しかし、その人は何でもそこの遺跡の関係者らしく、そのドライバーとどういう話がついたのかは知らないが、そのドライバーから逆にわたしは頼まれてしまったのだ、街まで乗せてやってくれないかと、、もちろん断るわけにもいかず、かといってわたしから金を払えともいえなかった、、ま、慈善事業と割り切った。そうして3時前にわたしはホテルに戻ったが、息子はまだ帰っていなかった、、1時間ほどして彼は満ち足りた顔つきで戻ってきて、ほとんど全部見てきた、疲れたといっていた、、
その日の夕食は昨日と同じフローレス島の中央公園、カテドラル前の安食堂にいったが、昨日に続いてそこでも彼はそこの食事に満足していた。そんなことでフローレスの印象は悪くなかったようだ。もちろんわたしもその日の遺跡に満足していたし、前回もこの地の居心地は決して悪くなかったのである、、が、かといって長居する余裕はなく、次の日のバスでグアテまで行くことの了解はとっていた。問題はグアテ市までの行きかたであった。昨日からしつこくバスのティケットの勧誘に来ていた例の青年はここからアンティグアまで直通バスがあって、そのほうが楽だからそれでいけと勧めてくる、、料金は250Qといっていた。しかしわたしは知っていたのだ、そのバスが夜行バスであること、普通の昼間のバスで行けばその半額でいけることを、、ただしそれはグアテ市での乗換えを知っていないと逆に勧められない方法であった。グアテ市からアンティグアへ行くチキンバスに乗るには、市バスを乗り継いでいってその乗り換え場所を知っているか、アンティグアへ行くバスのターミナルまでタクシーで行くかしないと、初めての人には無理なのである。だから一般的には少々高くてもそのデラックス夜行バスを使ってグアテまでいき、そこで待っているシャトルに乗り換えて(ワゴン車が待機している、だから正確には直通ではない)アンティグアへ行くのが正解である。もちろんわれわれはそうしなかった、、だから次の朝30分の距離を大荷物を担いで歩かなければならなかったが、そこだけは10Q(ひとり5Q)のトゥクトゥクを使った(前回ひとりのときは歩いた)。そして1時間に1本くらい出ているFuente del Norte社のバスでグアテに向かった。が、そのバスは普通10時間かからないところをバスの調子が悪く11時間もかかってグアテに着いた。18時ころに着くかと思っていたのが19時半になっていた。そのターミナル周辺はいわゆる物騒なエリアで要注意といわれているところであったが、そこから1/2ブロック、歩いて1分のところにわたしのグアテの定宿はあったので、その夜はそこに宿泊して次の日にアンティグアに行くことにしていた。しかしそれなら、フローレスのツアー会社の手先の彼が(とっても善良な若者であったが)勧めた直通バス<250Q>でいったのと結局は時間もトータル金額もたぶんそんなに変わらないことになったと思う、、ただひとつの違いは悪名高いグアテマラの首都グアテマラ市をほんのわずかでも垣間見るかどうかの差でしかなかった、、
<なお、グアテマラのもうひとつの世界遺産キリグアによる場合は、このFuentes del Norte社のバスで、車掌がドライバーにキリグアで降りたい旨いっといて、そこで降ろしてもらう他ない。2年前で80Qだったから80～100Qくらいみておいたほうがよい、、フローレスから約6時間>
