独歩の独り世界・旅世界

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グアテマラ国内の旅 11)再びグアテへ 南東部3県

 以前、このグアテマラ国内旅行の目的のひとつが、グアテマラ全県制覇にあることは書いた、、全県制覇とは、全部の県に足跡をとしるすことであったが、できればそれぞれの県都cabecera(カベセラは県庁所在地といったような意味)は訪れたいと思っていた、、そういう意味では最後にエルサルバドルからグアテマラに戻ることはルート上の必然でもあった、、エルサルバドルに接しているグアテマラの県がJutiapa県、その隣のJalapaとSanta Rosaをあわせた3県がその時点での未踏の地であったからだ、、

034_640x480グアテマラ側国境と国境の村 033_640x480

 サンタアナからバスで1時間、国境の街San Cristobalは小さな山間の村といった感じ、バスを降りそのまま国境のゲート(イミグレ)にむかった、、手続きはいたって簡単スムーズだったが、エルサルバドルは出国時のスタンプも押してくれなかった、、また時々とられたことのあるグアテマラ入国時の手数料もここではとられなかった(その辺がどうなっているか、つまり場所によって違うのはどういうことなのかはよくわからない‥)、で、無事グアテマラ再入国となったのだけれど、そこからの足についてはまったく情報を持っていなかった(なお、首都サンサルバドルやサンタアナからグアテマラシティへ行く直通バスもあった、それも国際バス、ローカルバスともにあり、それぞれ値段相応だったが、いずれも時間は4~5時間)、ただ、それまでの経験でグアテマラの場合どこの国境でも必ず近くの街まで行くコレクティボ(ワゴン車・ミニバス)が待機しているだろうという確信はあった、、で、実際数台のワゴン車が客待ちしていた、、行き先を確かめると何台かはミタ、ミタといっている、聞き覚えのない地名だったので地図で確かめるとSanta Catarina MitaというところとAsunciuon Mitaという村が近くにあった、、そのうち別のドライバーがフティアパJutiapaまで行くといってきた、、フティアパはわたしの目的地のひとつだったから詳しく聞くと15Qとのこと、すでに何人かの客が乗っていたが未だ満席になっておらずもうしばらく待つことになった、、

 グアテマラ側はちょっとした集落があるだけ、のんびりした村だった、、遠くに高い山が見え例のピンクの花が咲いていて暑いところだった、、久しぶりにグアテに戻ってほっと一息?そんな気持ちの表れだと思うがめったに食べないアイスクリームなんかを食べながら車が出るのを待つ、2時に国境越えして3時に車は出た、そのときはもうワゴン車は満席になっていた、さらに途中から乗り込んできてグアテマラ名物の超定員オーバー状態になった、が、道はすべて舗装路でそれほどのアップダウンもなく、比較的大きな街El Progresoによって約1時間でJutiapa県の県都、同名のフティフパについた、かなり大きな、そして暑いところだった、、少々迷ったのは、その日そこで泊まるか、もしくはその日のうちに隣のJalapa県の県都ハラパまでいってしまうかで、行こうと思えばバスはあったけどフティアパで宿を探すことにした、ここはバスターミナルがあったがワゴン車がついたところは別なところだった、それでも雑然としたセントロの一画だったので安宿はすぐに見つかる、トイレ・バスなしで40Q、バスターミナルの近くだった、、早速荷物をおいて街中を一回り、見晴らしのききそうな丘に登ってみる、なかなかいい展望で、この街もピンクの花が咲き誇っていた、一通り夕飯屋の偵察もかねて2時間ほど街をぶらつく、ここが他と少し変っていると感じたのは、パルケセントラルとカテドラルが街の中心でなく、15分くらい歩いたはずれのほうにあったこと、そこで何かお祭りかコンサートが開かれる準備で大変な賑わいであったこと、市場の雑踏は相変わらずであったがそこで適当な食べ物屋を見つけられなかったこと等々があった、、なので、歩き回っている間に見つけておいた屋台で例によってチョリソ&タコスのテイクアウト、アンティグアでなじみになっていたスーパーがあったので、そこでビールを仕入れ宿の部屋での夕食となった、、

035_640x480フティアパの街 036_640x480
039_640x480フティアパの教会とパルケセントラル;下
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 その宿は地元民用の安宿で、どういうわけか宿泊者が多かった、中には仕事で長期滞在しているような人もいたし、得体の知れないようなのもいた、、その夜30室くらいあった2階の部屋のどこかで揉め事が発生したようだった、言い争い、そしてドタンバタンの騒ぎになった、こういうのには関わらないほうがいいので中でジッとしていたが、しかしそんなことも安宿ではありうるということを教えてくれた、、なのでグアテの安宿は決してお奨めはしない、、

 さて、あくる日グアテ市まで戻る予定だったがその戻り方が問題であった、、ただ戻るだけならそこから直通のバスが30分~1時間に1本程度出ていた、、しかしわたしには寄らねばならないところが2ヶ所残されていた、それが前述したJalapa県のハラパとSanta Rosa県の県都クイラパCuilapaだった、、で、前日にどうしてハラパまで行ってしまおうかと迷ったかというと、実はここフティアパからグアテ市に戻るのにハラパは右方向、クイラパは左方向で、どちらにいっても逆方向になってしまうので順番が非常に難しかったのだ、もしハラパとクイラパ間のバスがあればZ字型に行くことが可能だが、果たしてその間のバスがあるかは大いに疑問であった、、道は細くその間に大きな街もなかったからだ、が、ま、行ってみないとわからない、わずかな期待をこめてとりあえずハラパに行ってみることにした、ハラパへは普通のバスもミニバスも結構出ているようだった、市場のターミナルに行くと7時半発のミニバスがあった、、

 そのミニバス(この場合はワゴン車)は昨日通った道をエルプログレッソまで行き、そこから北に向かった、、途中4,50分走ったところで乗客が全員降りた、ハラパにしては近い感じがしたが、よくわからずわたしも降りた、正確には降ろされたのであった、、先行していたミニバス(日本でいうマイクロバス)に乗り換えろ、とのことらしかった、、え、どういうこと??わけがわからなかったが言われるまま、そうするしかなかった、言ってることが理解できてるわけでないから事情もなにもわからず、ただほかの人と同じ行動をとるしかなかった、確実なことはそこまで座ってきていたのに、突然超満員のスペースに詰め込まれ立たされ、まわりも何も見えなくなったことだった、、どこを走っているのかどんな景色なのかまるっきり外が見えない、、そんな状態でさらに4,50分走ってハラパのバスターミナルに着いた、、そこも市場の真ん中にあるようなターミナルで車とバスと乗客と商売する人でごったがえしていた、、

 それにしてもグアテマラでは初体験であったが、見知らぬ土地を外の状態がわからずに行くというのはたいそう不安と苛立ちを募るということがこのときよくわかった、、つまり立ちっぱなしという肉体的つらさより、初めての地がどういうところか、その好奇心が満たされないという苛立ち、それは旅の根幹にかかわるように思われた、そんな腹立たしさを抱えながら次に乗るバスを探していた、行き先はクイラパCuilapaだった、、しかし誰もそんなバスを知らない、と、どういうきっかけだったか忘れたが、その市場に店舗を構えるおっさんが声をかけてきた、どこへ行きたいんだ?グアテに行きたいのだけれど、できればクイアパに寄りたい、そういうバスはないのか?とわたし、そのときわたしは真ん中の道を通って直接クイアパへ行くバスのことを聞いたつもりだったが、そのおっさんはいとも簡単に10時のバスがあるというではないか、、で、わたしはてっきりそれがわたしの思っているルートを行くバスだと勘違いして、それはありがたい、と礼をいって、ついでながら頼みごとをした、それまで30分ある、ここからパルケセントラルまで歩いて行けるか?ギリギリ行けるかもしれない、との答え、では申し訳ないが荷物をそれまで置かせてくれないか?と、半ば無理やり頼んでパルケの場所を聞いて駈け出した、、行きは少し迷ったが途中でほかの人にも聞いてそこまで行き、写真だけとってまた急ぎ足でターミナルに戻った、、そのバスはもう来ていた、その親父はそこで何らかの商売を営んでいるオーナーのようだったから、決して金に不自由している身分ではないことはわかっていた、それでもわたしはその好意にいくばくかの感謝の意を示したかった、、荷物預かり代といって多少の心づけを置いてバスに乗り込む、グアテ行きのバスであった、確かにクイラパの文字もあった、しかしその前にフティアパとも書かれていた、、

041_640x480ハラパの教会とパルケセントラル、下も 042_640x480

 10時15分に発車したバスは何も見ることができなかったモンハス(Monjas、その朝乗り換えさせられた街、ちょうどフティアパ・ハラパの中間にあり、かなり大きな街だった)からの道を行った、それはなかなか景色のいいところだった、一山越えて景観が広がり遠くに別の山が見えた、、こんなところを通っていたのか‥??そのときわたしは複雑な想いを抱いていた、、なんだ結局フティアパに戻るのか ! ? この道を行くバスしかないのか ! ? ということはわずかな額とはいえ、片道分無駄にしていることになる、なんてこったぁ ! !一方で思いもよらない展開で、先ほど見逃してしまった景観を取り戻していた、、こんなことってあるかぁ‥??意図せずに、そうしようと思ってそうなったことではなかったが、それでよかったのかもしれなかった、、ただし昨日までまったく名前も知らなかったEl Progresoという街とフティアパの間をわずか20時間くらいの間に3回も通ることになったのだけれど~

 再びフティアパに着いたのはちょうど昼ころだった、多少長く停車していたがもちろん下車しなかった、、で、そこからクイラパまではわたしにとっては初めての道、結局当初懸念したとおりハラパ~クイラパ間の直通のバスはなく、すべてのバスはハラパ発フティアパ、クイラパ(実際はクイラパ経由でなかったのだが)経由のグアテ行きしかなかったのだ、ということはハラパへはここフティアパからは単に往復するしかなかったのだった(そういう意味では知らなかったことといえ、最初にクイラパに行かずハラパにいったのは正解だったといえた)、、途中工事のための片側通行なんかがあったりして、クイアパまで、ま、ちょうど同じくらいの距離(ハラパ~フティアパ、フティアパ~クイラパ間はともに50数キロ)だったが1時間半くらいかかった、が、てっきり県都クティアパにもバスターミナルがあってそこで降りるつもりでいたら、バスターミナルどころかそのバスはクティアパの街にも入らず、街道沿いの入り口で降ろされてしまった(車掌に事前に告げていた)、、どうやらクティアパ市街へはそのバスは乗り入れていないようであった、、いや、そんなこと知るわけもなく、そこに立ちすくむ、どうなってるんだ?? と、そのとき同じバスのから降りた客の一人がトゥクトゥクを捕まえてセントロに行くなら乗りなさいといってくれた、、何がなんだかわからないまま乗せてもらう、ドライバーにどこまで行くのか聞かれる、どこって‥??別にどこでもよかったのだけれど、どこかいわないわけにはいかない、、とっさにパルケセントラル、イグレシアの前とあてずっぽうに答えていた、そこには教会がないのも知らずに‥、ところがパルケセントラルは思いのほか近かったのだ、、これなら歩いて来れたかもしれなかったが、地図も何も持っていなかったのだから、それは仕方のないことだった、3Qでそこまで案内してもらったと思えばむしろありがたいことだったのだ、、が、そのときドライバーはちょっと怪訝な顔をしたのを思い出していた、何でそんなところに行くのか?といった感じ、降りてみてそのわけがわかった、、確かにそこにパルケセントラルはあったのだけれど、周りをすべて工事用の塀で囲われ、中に入ることも中をうかがうこともまったくできなかったからである、また、パルケに必ず隣接する教会もそこにはなかったのだ、まずほとんど外国人なんか訪れることのない地にこいつは何しに来たのだ?、とそのドライバーは思ったことであろう‥??

  落ち着く必要があった、いったいなにがどうなっているのか??もう昼の2時近かったと思う、飯屋を探す、近くに地元民用としか思えない簡素な構えの飯屋を見つける、昼時からだいぶたっていたからか客はほとんどいなかった、すいてるのが何より、メニュウはやはり決まったものしかなかった、が、久しぶりの焼肉定食は安くてうまかった、、いろんなことを頼んでしまった、トルティヤはいらないからご飯を多くとか、カメラのバッテリーの充電をさせてくれとか、普通貸すのを嫌がるトイレを借りたり、挙句いくつか質問をしていた、、まず、ここはほんとにクイラパか?そこの工事中のところはパルケセントラルか?ならば教会はどこにあるのか?ここからバスでグアテに帰るにはどこからバスに乗ればいいのか?まったく突然現れた変な外人に嫌な顔ひとつせず、ほんとに好意的に彼女ら(若い女性が、一人は子持ちだったが、二人で仕切っていた)は一つ一つ親切に答えてくれた、、こんなに感じのいい店、感じのよい人たちにはめったにお目にかかれない、、飯代15Qのところ少ないがといって20Q渡すと受け取ろうとしなかった、、無理やり置いてくるしかなかった‥

043_640x480塀で囲まれたクイアパのパルケセントラル 044_640x480

 もう一度工事中のパルケセントラルに戻ると、確かにそこには教会と同じように必ず隣接して建つ市庁舎palacio municipalがあったので、それだけ写真に収めた、またグアテ行きのバスは何台かその脇に停車していた、教会はそのクイラパのメインストリートの坂を登りきった辺りにあった、、いずれにしろそれほど大きな街ではなく、20分も歩くと見所はなくなってしまった、ちょうど戻りかけたところにグアテ行きのバスが来たのでそのまま乗ってしまう、10分も走ると大きな街があってそこに長いこと停車した、、バルペレナBarberenaというその街はクイラパよりはるかに大きそう、いわばクイラパが行政上の県都で、経済&商業の中心はこのバルベレナのほうにあるようだった、、15時近くにそこを出たバスはグアテ市まで1時間半10Q、途中雨に降られたりしたが、この道もCA1の幹道だからよく整備されていて快適なバス旅だった、、1年振りとなるグアテ市に戻った‥

047_640x480クイアパの教会とメインストリート;下 048_640x480

が、てっきりバス会社が多く集まるZona1につくと思っていたそのバスは、なんとZona7に着いてそこが終点とのことだった、、さて困ってしまった、、その時間なら帰ろうと思えばアンティグアまで帰れたが、次の日ちょっと予定していたことがあったので一泊するつもりだった、それには常宿の安宿があるZona1に行く必要があった、、3ブロックほど歩いて番号が思い出せなかったがあてずっぽうでバスに乗る、運よくそれはZona1バリオス広場Plaza Barriosを通った、そこからは2ブロック、ほんのわずかな距離だったがごみごみした雑踏は相変わらずだった、、いつもの宿に懐かしい顔があった、が向こうがわたしを覚えてくれていたかどうかはわからない、、でも、それとなく態度で感じられたし、いつもながら応対は親切だった、、宿代バス・トイレ付きで80Qも変わっていなかった、、夕飯にニカラグア料理屋に行く、ここにはビールがおいてあるのを知っていた、、ほとんどのことはグアテ贔屓のわたしだけれど、どうも食事に関してだけはホンデュラスエルサルバドルニカラグアに分がありそうに思うのだった、、

062_640x480このプレートが22Q、ニカラグアビール15Q