独歩の独り世界・旅世界

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メキシコ・キューバの旅 4)キューバ入国

 キューバへは日本からだと、国交のないアメリカを経由することができないから、カナダ経由かメキシコ経由でのフライトしかない(マイアミからカリブ海諸島を経由して入る手はある)エアカナダでバンクーバーまたはトロント乗り換えか、一旦メキシコまで飛んでメキシコシティカンクンからハバナ入りするのが一般的のようだ、われわれはメキシコも少し寄りたかったので後者のルートを選んだ、そのなかでもカンクンハバナは距離的にも一番近いので(1時間半くらい?)飛行機代も安い、カンクンの旅行社でキューバツアーのticketを扱っていて、12年前のときはカンクンハバナ往復航空券とVISA代とホテル3泊分くらいついて、確か300ドルくらいだったかと記憶しているが(だいぶ前にその頃の旅を思い出しながらブログを書いたと思うが、特に読み返していない)、今回はticketを日本で手配できたので、今それがいくらくらいかは確認しなかった、、たぶん今でもそんなに変わっていないのではないかと思うし、もし時間的に余裕があればそのほうが安いことは確実だ、今回われわれの場合は一応予定を組んでの旅だったので、カンクンで空席待ちをするわけにいかなかった、つまり着いた次の日に旅行社に出向いて明日キューバに飛びたいといってもたぶん1週間くらい先なら空席があるといわれるのが関の山と思われたからだ、で、多少高くつくのは承知で12月24日キューバイン、2012年1月2日アウトのカンクンハバナ往復のticketを手配していた、その額は航空券だけで28,600円つまり350ドルくらい、それにはVISA代(ツーリストカード代)2,100円もホテル代も含まれていないからかなり割高になっている、ま、安くキューバに入るには多少余裕を持ってカンクンでticketを探すのが今でも一番有効ではないかと思われます、、ということでわれわれは12月24日、もっとも混みあう時期に少し高いticketだったけど確実にキューバ入りすることができた、というわけであった‥

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 確かにメキシコ・カンクンの飛行場・待合室は、もう帰郷組みと観光客とが溢れ、かなりざわついてはいた、満員の乗客を乗せたクバーナCubanaがハバナの飛行場に降り立ったのが17時15分、それは時差が1時間あったので現地時間18時15分だった、結果論だがやはり12月24日というのは日にちが悪かったといえる、その混雑振りは予想していなかったのだ、、折から土曜日のクリスマスイブ、帰郷ラッシュというのがここにもあって、それでも用意しておいた英文の旅行保険証明書とか必要といわれていたものが一切問われずイミグレーションまでは順調だった、だからその簡単さに気をよくしていたのだがあとがいけなかった、あとは荷物を受け取るばかり、、が、その荷物が出てこなかった、、待てど暮らせど‥いや、あれは異常としかいえない、理由はわからない、いつものこととも思えない、もしかしたら社会主義国のシステム的矛盾?等とも考えてみた、しかしともかくわれわれの荷物だけでなく、同じ便に乗っていたすべての乗客の荷物が1時間たってもひとつも出てこなかった、出てくる気配さえなかった、こういうときはその理由を詮索してみたくなる、その時は相方がいたからあれやこれやと待ちぼうけの間、やれ、荷役が一人もいないのではないかとか、あるいは一人ですべての荷役を扱っているのではとか、全員が職場放棄しているのではとか、すべての荷物を開封してチェックしているのではないかなどと想像をたくましくしながら暇を潰していたのだが、もちろん真実はわからない、しかしこういうところにお国柄はでるのではないかというのはたぶんあたっていると思う、おそらく他の国では考えられないことだから、、荷物を受け取るのに2時間かかったなどという経験はこの時が初めてだった、、が、それでめでたく外に出られたわけではなかった、、

 その時すでに20時を回っていた、もう早く市内まで出たい、その方法はタクシーしかない、ま、それはやむをえない、しかしそのためには現地通貨が必要である、両替所の窓口は4つあった、が、いずれも長蛇の列、しかしこれも並ばないわけにはいかなかった、、かれこれ1時間以上並んで待った、次はわたしの番となったとき、どういうわけか何の説明もなしにそこで仕事をしていたセニョリータはその窓口を閉めてどこかへいってしまったのだ、、もちろんわたしの後ろには延々と1時間以上待ち続けている人々が続いている、どういうことだ ! !しかし、われわれになすすべはなかった、ただ呆れるばかり、いったいどうなっているんだ! !、その様子をその両替所の背後から1時間以上見守っていたわたしの相方が後から言うには(並ぶのは一人でいいから彼女はそのあたりをうろついていたのだ)これは明らかに職場放棄だったそうだ、怒りが頂点に達しそうになったとき、その両替窓口を監視していた上司らしい男性が、やっと2列に並んだ長蛇の列を交代交代で残されたひとつの窓口に誘導しはじめた、遅すぎる、何故こういうことになるんだ、何故職場放棄を認めてしまうんだ、まったくこういうところはどうしようもなくいい加減というか、きちんとしていない、しかしこれは間接的に体制の問題なのだろうと諦めるしかなかった、結局両替にも1時間以上を費やしてやっとユーロをCUCに替えることができたのだけれど、その時時刻はもう21時を過ぎていた、、それからタクシー探しというか交渉をして相乗りで市内に出、これは正解だったが予約をしておいたので、その時刻からホテルを探すという手間は省けて、ま、安宿だったがホテルカリビアンにチェックインできたのは22時過ぎだった、、

 そのタクシーのなかで、わたしの怒りと嘆きに対してそれをつぶさに見ていた奥さんが言うには明らかにあれは女性職員が嫌気をさして職場放棄したこと、それを本人は咎められず(あとからどうなったかはわからないが)その時その上司がさらに上の人から叱責されたらしいことを聞いて、やはりキューバらしいなと思うと同時に、この空港での3時間に及ぶ苦労を味わってこそ初めてキューバのよさが身にしみてくるんだとわかったようなことを話していたら、突然タクシーの前の座席に座っていた相客のヨーロッパ人と思われる女性から日本語でどうしたんですかと聞かれてしまった、あまりの事でびっくりして、しかし日本語ができそうだったので日本語でいろいろ訊ねてみると、彼女はすでに帰化したクロアチア人ということであった、それから車内では延々日本語での会話が続いた、それによると日本では英語の先生をしているそうで、わずかな冬休みを利用して今日エアカナダで日本から飛んできたとのこと、日本に住んですでに10年以上、帰化しているので日本語(漢字)の名前も持っているとのこと、キューバは2週間くらいの予定で回るつもりだと話してくれた、いやー、驚いてしまった、こういった偶然の面白さ・不思議さ、そして旅する人に国境なくここにも一人旅好きな国際人がいたということにある感慨を覚える、彼女の話では両替は同じく待たされたが、荷物の受け取りで待つことはなかった、と言っていた、果たしてわれわれの荷物はやはり職場放棄だったのか??いずれにしろこの国では、やはり体制が少し違うので、われわれの普通の感覚にかなわないことは多々あると思う、しかしそれも旅の面白さの一部である、ということがわかっている女性であった、、

 さて、22時過ぎにチェックインして、それでなくとも店じまいが早かったり、そもそもレストランの少ないこの国で食事はどうしたらいいのか?ホテルのバーは開いていたが腹にたまるものはない、とそのときレセプションにいたおばさんが、近くに食事を提供するところがあると言ってくれた、カサパラダールCasa Paladarという食事を提供する民家(許可制)があることは知っていたが、この時間に開いてるとは思ってもいなかった、がホテルのドアマンが歩いて5分くらいのところにある一軒の家へ連れて行ってくれた、聞くと一人10cuc(cucについては後ほど)その時間でも食事を作ってくれるという、もちろん異存なくそこの家族とテレビを見ながら待つことになった、何しろその日はクリスマスイブでもあって町並みは暗いのだけれど、どこでも音楽はガンガン鳴っていて皆陽気にはしゃいでいる、そこの家のドアは開けっ放しで近所の人たちが結構出たり入ったりしていて、そんな様子を眺めているとあんまり待たされているという気はしなかった、、で、用意ができたからと奥のテーブルに案内されてびっくりしてしまった、12年前に来たときキューバで美味しい食事にありついたことがなくキューバの食事は期待できないというあまりよくない印象しかもっていなかっただけに、そこに海老(langostinクルマエビ、その後キューバではエビをよく食べた)のから揚げ風の大皿やサラダにご飯(醤油を使ったチャーハンみたいなものだった)等々が並んでいて、おまけにビールも飲めて、思わずホント!?とうれしい悲鳴、これが労苦のあとに迎えた思ってもみなかった僥倖<シアワセ>すばらしい夕食だった、、‥苦あれば楽あり、ハバナの夜は更けゆく~

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◆CUCについて、英語読みだとクック、スペイン語読みだとセウセとなるキューバの通貨単位、1CUC=85~90円くらい?今ではほとんどの国で採用されていない2重通貨制が適用されており、他に人民用の通貨CUP(1CUC=24CUP)と併用されている、、よってCUCは主に旅行者用となる、その辺の使いかってについてはいずれ書くことがあるかもしれないが、ま、ということは10CUCの夕食は決して安くはなかったことになる、その後何回かCasa Paladarで食事をしたが、いずれもだいたい10CUCだった、もっと安く食事ができるところはいくらでもあった、、