独歩の独り世界・旅世界

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中欧 バスの旅 6 ) スウェーデン/マルモ  その 1

 わたしがその朝初めて乗ったユーロラインのバスはコシチェ(Kosiceスロヴァキア)発ロッテルダム(オランダ)行きだったが、この夜のバスはロッテルダム発オールボルグ(Aalborgデンマーク)行きであった、、オールボルグはユトランド半島の北にある街でシェラン島にあるデンマークの首都コペンハーゲンには寄らない、、つまりハンブルグでルートは別れてしまう、、なのでハンブルグで乗換えとなる、、いずれにしろ夜行バスはゆっくり眠ることはできない、、それに少し寒さを感じるようになっていた、、細切れ睡眠の合間に大きな街で停車、、どうやらそこは名前は聞いて知っていたブレーメンというところだった、、ちょうど土曜日の夜半、明け方近いというのに酔っ払った若者が大勢で騒いでいた、、ここも24時間営業のマックが開いていて腹をすかした乗客はそこに駆け込んだ、、まだバスにトイレがついていることに気づいていなかったわたしは(こちらのバスのトイレは中ほどの乗車口の階段脇にあった、、それまでわたしはずっと前のほうに座っていて気づかなかった、、だから途中休憩のときコンビニで0.5~0.7ユーロも払っていた)大急ぎでブレーメンの中央駅まで行って用を足すのが精一杯であった、、そしてまた少し眠ったかなと思ったころまた大きなバスターミナルに着いた、、6時40分、ハンブルグ着7時半と聞いていたからまさかそこがハンブルグだとは思わなかった、、ハンブルグなら降りなくてはならない、、多くの乗客もそこで降りた、、ほとんどは乗り換え客で立派なバスターミナルで乗り換えのバスを待つことになる、、そういえばアムステルダムからの同じバスに日本人風の若者が一人いた、、が、お互いに日本人らしくない格好であったし年も相当離れていたこともあって、どちらからも声をかけることはしなかった、、その彼もここで乗り換えのバスを待ち、わたしと同じバスでコペンハーゲンまで行き、その後どこへ行ったかは知らないが、後にも先にもそれっきり日本人らしき人とバスで出会うことはなかった、、パリ発コペンハーゲン行きバスは7時40分ころ到着し8時には出発した、、1時間ほど走ってリューベックという街に着いた、、ハンザ同盟の盟主としてあまりにも有名なこの中世の佇まいを色濃く残す街、赤レンガ造りのどっしり構えたホルステン門や空に突き刺すように聳えるマリエン教会の尖塔をバスの中からちらりと眺めることはできたが写真に収めるチャンスはなかった、、ここは下車してゆっくり歩いてみたい街だった、、さらに小一時間走ると海が見えてきて長い橋を渡った、、渡った先の島を横断するとバスは停まった、、最初国境かと思ったのだが確かにその先の海峡は国境になってはいたがバスが停まったのはフェリーに乗り込むためだった、、多島国デンマークは今ではそのほとんどが橋で結ばれているのだけれど、ここキール湾のドイツ側Puttgardenとデンマーク側ローラン島Rodbyhavn間は距離が長く約50分の船旅となった、、いわゆる国際線フェリーなので免税店やレストラン・カフェテリアなどの設備が整った豪華フェリーであった、、街のレストランを苦手としていたわたしはこのときとばかりカフェテリアでバルト海の魚だと思われるフィッシュフライ&フライドポテトとパンとコーヒーで朝食兼昼食とした、、が、思ったほど安くなかったので満腹にはなったががっかりもした、、11時に上陸したバスはデンマークのニュケビン(?Nykobing)という街に寄って13時05分コペンハーゲン中央駅の陸橋のたもとに着いた、、はじめまさかそこが終点とは知らない人は誰も思わなかったことだろう、、時間が少し早かったばかりでなく、そこはただのバス停、つまり世界共通の天辺が丸い標識で柱の途中にバスの運行予定が書いてあるあのバス停の標柱?が立っていただけなのだから‥、そこは殺風景な吹きっ曝しの路上であった、、そこに乗客全員は降ろされバスは行ってしまった、、つまりここから先へ行く人はここで乗り換えてくださいということらしかった、、わたし以外はすべて言葉の通じている人たちだったが、ここで下車する人以外は皆この北風の寒風の中立ち往生させられることになった、、わたしはそれこそまるっきりどうしたらいいのかわからなかった、、ともかく一緒に待つしかないかと、うろうろしながらそのバス停掲げてあった運行表を見てはじめて了解を得た、、そこにはスウェーデンノルウェイ方面のバスのスケジュールが書いてあって次のバスは14時15分となっていた、、ただしそれはユーロラインでなくSwebusと書かれていた、、いずれにしろ1時間待ちで次のバスが来そうなことはわかったが、このほんとにまったく何もない店もトイレもベンチも何もない路上での1時間はけっこうしんどかった、、でも、その間なんとかマルモの友人と国際電話で話すことができ3時半にはマルモに着くだろうと伝えることができた、、始発のバスは30分も前に来ていたがなかなか扉を開けてくれなかった、、おかげで、そういえばここはもう北欧なんだとしみじみその寒さを身に染入らせることになった、、10分くらい前に乗車できたが問題はticketだった、、何しろオフィスも何もあったもんじゃないのだからブッキングはしてない、、しかしこのバスでしかマルモへは行けない、、バスの運転手は英語で書かれたユーロラインのパスを見て何か言いたげだったが行き先だけを聞いて乗せてくれた、、助かった、別料金取られても仕方がないと覚悟はしていたので儲けた気分だった、、バスは定刻に出発しコペンハーゲンの国際空港に寄って、昔訪れたときにはフェリーで渡ったコペンハーゲン(デンマーク)とマルモ(スウェーデン)を隔てる海峡をものの15分ほどで渡って15時15分にマルモバスステーションに着いた、、33年前にはこの長大な橋はなかったのだ、、そうしてわたしは33年ぶりに友人の待つマルモにやってきた、、が、しかしそこに彼はいなかった‥、、

ハンブルグのバスターミナルと街の風景2010_1003005jpg_blog 2010_1003_143321p1020537_640x480

海峡を渡るフェリー(われわれの船と同型の逆行便)2010_1003_174711p1020544_640x480

コペンハーゲン;2枚
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マルモの海岸から海峡を越える橋を望む(下はそれを望遠で撮る)2010_1004001jpg_blog 2010_1004002jpg_blog