独歩の独り世界・旅世界

他のサイトに書いていた'独歩の独り世界・旅世界'を移転しました

中欧 バスの旅 5) アムステルダムへ

 わたしは慢性の腰痛もちでせんべい布団でしか寝られない、、で、エジプトのときもそうだったがキャンプで使う銀マットを持参していた、、つまり柔らかすぎるベッドの場合床に直接寝るつもりでわざわざバックパックの脇にくくりつけて持ってきていた、、しかし結局それは使わずじまいであった、、それはベッドが柔らかすぎるということがなかったからではなく寒かったからである、、この日も柔らかいベッドのため夜中に何度も目を覚まし熟睡には程遠かった、、だから4時半には起きて昨夜の残り物をサンドイッチにして朝食にしようと作っておいたものを食べようとしたのだがやはりコーヒーか何かがほしくなった、、駅まで行けば1.0~1.5ユーロで24時間営業のバーガーキングあたりで飲めそうであったが(そうすれば良かった)ここでもコーヒーくらい飲めないかと下に降りて不寝番のフロントのオヤジに聞いてみた、、当然昨日のオヤジとは違う男がいてコーヒーを作ってくれるという、サービスかと思って受け取ると3ユーロを請求してきた、、甘かった、、まだ頭がボンヤリしていたもんだから3ユーロ払ってしまい後で悔やんだ(結局昨日儲けた朝食代がチャラになってしまったようなものだけれど、最後の日にこの仕返しをした‥)そして5時半少し前にはチェックアウトして小雨振るなか駅に向かった、、フランクフルトの5時半はまだ真夜中の様相、人も車も街全体がまだ眠っていた、、特にこの朝は小雨模様で吹きっさらしのバス停で寒い思いをしてバスを待った、、同じバスに乗るらしい人が何人かいてどんなバスがいつ来るのかといった不安を少しは和らげてくれた、、そのバスはフランクフルト発ではないことは想像できたが、ともかくわたしにとってはその日が初乗車の日、どういうシステムでどのようになっているのか?座席は指定されてないし、といった不安は多少あったのだ、、バスは定刻6時にフランクフルト駅の構内に入ってきた、、そこで何人かが降り、わたしを含めて何人かが乗車した、、アムステルダムまでと告げて荷物をカーゴ室に入れてドライバーにticketを見せて乗車した、、ドライバーはリストでチェックしていたのでちゃんとコンピューターで管理されているらしいことを知り、ということはオーバーブッキングはなく座席指定ではないけれど座席分以上は乗せない、逆にいうとオフィスで予約しておかないと乗れないということがわかった、、ものの10分くらいでバスは慌しくフランクフルトを後にした、、市内を10分も走ったかバスはもうかの有名なアウトバーンを走っていた、、それもものすごいスピードで大型のトラックをどんどん抜いていく、わたしは中ほどに席を占めていたのでメーター確認はできなかったけれど150kmくらい出していそうな感じであった、、バスはそれほど混んでおらず2人がけシートを一人で独占することができた、、乗客はやはり若い人が多そうであったが国籍までは判別できなかった、、ほとんどはヨーロッパ系であとはアフリカ系とトルコ系といったところか?東洋人はいなかった、、で思ったのだが、このバスのドライバーはたいへんレベルの高い仕事だなぁ、元ドライバーとして同じドライバーの仕事のなかで頂点に位置するかもしれないと感心してしまった、、何故なら、ま、ドライバーというのは万国共通で肉体労働である、、体力がなければ長距離の大型バスを運行するのは無理である、、加えてこのドライバーの資格として最低4~5ヶ国語くらい(英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語ともう一つくらい)喋れなければ勤まらない、、さらにヨーロッパ中の地理・道路を知ってなければならない、、その上で150kmくらい平気で飛ばせる技術と安全性が要求される、、うーんわたしはもう年だから無理にしろ、わが同胞でこんな魅力的な仕事に挑戦してみようという逞しい若者が現れてこないものだろうか‥ ! ?、、

 まったく予期しなかったことだが、ドイツの丘陵地帯を疾駆してアムステルダムに向かっていたバスは途中何箇所かに停まっていくことがわかった、、最初に寄った街がケルンでバス停は鉄道のケルン中央駅にあった、、そして駅の向こう側にあのケルン大聖堂が聳えているとは、そこにたどり着くまで想像だにしていないことだった、、わたしは大慌てで駅のこちら側から何枚かの写真を撮った、、もし30分ほど停まっていてくれたなら駅の向こう側まで行ってその雄姿を収められたのにと惜しんだが、それでも期待すらしなかったケルンの大聖堂を間近で拝めることができたことだけでもこのバスに乗った価値があったと喜んだ、、そしてバスはデュッセルドルフに寄り、いつのまにかオランダに入りアルンヘム、ユトレヒトに寄って、これも凄いことだと感心したのだけれど、13時15分定刻にオランダ・アムステルダムに着いたのであった、、

 昔来たことのあるアムステルダムであったが、バスが着いたところがどこだかまったくわからない、、が、その場所を確認する前にわたしはバスターミナルのユーロラインのカウンターに行ってハンブルグコペンハーゲン方面のバスのスケジュールを聞いた、、幸運にもその夜23時15分発でハンブルグまで行って、そこで朝8時発のバスでコペンハーゲン行きのバスに乗れるという情報を得た、、好都合・goodtimingであった、、すぐにブッキング、よくわからないのだけれど有難いことにbookingの手数料は取られなかった、、どうなっているの‥??、、

  ということはアムステルダム滞在時間が約10時間弱あることになる、、まず、することは荷物を預けること、、このとき以来わたしはコインロッカーに難儀することになるのだが、ここでもいわゆる手荷物預かり所はなかったがコインロッカーはあった、、が、その操作方法がよくわからない、、その前で立ち往生すること30分くらい?普通こういう場合たいてい親切な人がいて教えてくれたり、あるいはロッカーを使う人が来てそのやり方を見ていればわかるのだが、このときはそういう人はあいにく現れなかった、、で、英語の操作方法を選んでやってみるのだがうまくいかない、、理由の一つはそのロッカーはコイン式でなくクレジットカードでないと使えないことが判明したのだが、わたしの持っていたクレジットカードがどうやら読み込めなかったか、あるいはこの機械では使用できないものだったようだ、、で、他のカードでやってみる、、手ごたえは感じられなかったがうまくいったようだった、、戻ったときにそれを入れて扉を開けるためのカードが出てきたのでそれを持ってその場を去った、、そしてインフォメーションで地図をもらい現在の場所を確認し一日乗車券(7ユーロ)をゲットして12番のトラムでアムステルダムの街にくりだした、、アムステルダムはケルンと同様予定コースでなかったので事前情報もガイドブックもまったくなし、もらったバスとトラムの路線入り地図が唯一の頼りとなった、、街の中心部に出るには何回か乗り換えなければならなかったが、それが乗り放題乗車券の強みで、たとえ間違えたとしても同じ番号のバスなりトラムに乗りさえすれば元のところに戻れる、、そうやって何回くらい(主に)トラムに乗ったことだろうか、充分元は取ったし、またここでもいわゆる改札・検札というものに出会うことは一度もなかった、、しかし実際は乗り物を利用するより歩いてる方が遥かに長かった、、あの沈着冷静で落ち着きを感じさせるドイツ人と比べて、ほんの数時間の距離でこうも違うものかとオランダ人気質の陽気さ賑やかさに驚かされていた、、もっともあの東京駅のモデルとして有名なオランダ中央駅(ここだけは昔来た記憶があった)からDAM広場あたりまでの歩行者天国の賑わいは、たまたまその日が土曜日ということもあってほとんどが外国人旅行者だったのかもしれないが、しかしどの路地もまた運河を滑る遊覧船も小船も、なんか街中がお祭り騒ぎをしているようだった、、どうやら今でもアムステルダムというところは外国人を問わずきっと人を惹きつけてやまない人気の街なのだろう、、却ってわたしなんか気おくれしてしまって空腹なのに一人でレストランに入る勇気が湧いて来なかった、、ようやく見つけた人気のない、これまたトルコ系の飲食店だったが、そこでサンドイッチのようなもので昼食とし、それから3~4時間も歩き回って疲れきって、また適当なところを探すのだが、なかなか入りやすそうな店が見つけられない、、やはりこういうときに一人旅(&貧乏旅)の厄介さ不自由さをついつい感じてしまう、、そのうち雨が降ってきた、、雨宿りを兼ねてのここならと思われる店に入った、、インドネシア料理店だった、、そこで久しぶりにナシゴレンを頼んで米の飯を味わった、、まだ時間は早かったが雨ではどうしようもない、、またトラムを乗り継いでバスターミナルのあるAmsterdam・Amstelというところに戻った、、で、荷物をだそうとしてコインロッカーにカードを差し込もうとしたら扉が開いてることに気づく‥??、、バッグはあった ! 何のことはない扉はずっと開いたままだったのである‥!?、荷物が無事だったのは幸運だったとしかいえない、、いやー冷や汗モノだった、、それから3時間くらいバスターミナルの待合室で所在無くバスを待つことになった‥、、

駅の向こう側にケルン大聖堂が聳えていた、、2010_1002004jpg_blog

アムステルダム;3枚2010_1002_214037p1020514_640x4802010_1002_220300p1020516_640x4802010_1002_224008p1020521_640x480(アムステルダム中央駅)


アムステルダム名物の運河;2枚2010_1002028jpg_blog2010_1002_232618p1020529_640x480