独歩の独り世界・旅世界

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中欧 バスの旅 4)フランクフルト その2

 ホテル探しは思いのほか簡単であった、、明日のバスはフランクフルトの駅前から出るとのこと、5時半にはバス停7~9あたりに来ていてくださいとのことだった、、とすると駅に近いほうがよい、、ではこの辺の安ホテルを、もしご存知でしたら教えてください、とユーロラインのおばさんに聞いてみたところ、この事務所のある建物の角を曲がったところにあるとのことだった、、事務所は駅から見えるところにあり、その角を曲がったところなら駅から2、3分といったところか?申し分ない、早速荷物を背負い訪ねてみることにした、、ホテルパリスはすぐ見つかった、、間口は狭いがちょっと格調のあるホテルで早速フロントで空きを確認、最も安い部屋の値段を聞くと42ユーロ、まだユーロの感覚がぴんと来ないので安いのか高いのかわからなかった、、で、あつかましくもっと安い部屋はないのか?あるいはもっと安いホテルはこの辺にないかと重ねて聞いてみた、、これ以上安い部屋はないけど通りを渡った向こう側にあるペンションならもっと安いかもしれない、と親切に教えてくれたのだった、、ペンション?ガイドブックからの事前情報で日本での意味合いとは違ってペンションは比較的安く泊まれる施設という情報を得ていたので、礼を言ってホテルパリスを出、通りを渡ってペンションアルファの、しかしこちらは安っぽくて普通のオフィスの扉を思わせるガラスのドアを開けた、、中には中老の紳士が一人フロントらしきところに座っていた、、型どおりに部屋の空きを問うと一部屋35ユーロでバス・トイレつきとのことだった、、朝食は7時から10時まで、えっ!朝食付き?あ、でも明日は朝早いから朝食は食えないや、と言うと、そんなら今食べたら?え、どういうこと?不思議に思っていると、脇の部屋で朝食をとっている人が何人かいるのがわかった、、そして今の時刻が9時50分だということを知り、すぐにわたしは35ユーロを払った、、そしてキーをもらって荷物を部屋に置きそのままに食堂へ引き返し、パートのおばさんが片付け始めている残ったパンとチーズとゆで卵とトマトときゅうりのスライスと何枚かのハムとコーヒーを確保して明日の朝食分を食べることができた、、特にプレートヒエンというらしいパンがうまかった‥、、

 腹を満たし戻って改めて部屋を見渡してみると、こざっぱりとした調度で、しかもバストイレつき、わたしにとっては上等なものだった、、35ユーロというのは4000円くらい?うん、これは悪くない、この程度のものが今後も見つかればいいが‥と、とりあえずの幸運を喜びシャワーを浴びて荷物と頭の中の整理をする、、フランクフルトで残された時間は半日、当初の予定でここはどうでもよかったのだ、、つまり時間があればまぁ市内見物でもしようというもので、最後にまたここに寄ることになるのだけれど、それはどうなるかまったくアテにならない‥、だから出かけるとすれば今しかない‥、少々疲れていたが出歩いてみることにした、、昼前にホテルを出、それほど遠くない中心部まで歩いてみた、、そのあと歩き回ったり一日乗車券を持っていたのでトラムに乗ったり地下鉄に乗ったりしてガイドブックに載っていた主だったところはほとんど見て回る、、だいたい3,4時間で回れたように思う、、その間市場で買ったうまそうなサンドイッチをカタリーナ教会前の広場を埋め尽くしている屋台でビール0.5Lジョッキ一杯(2.5ユーロ)を注文して昼食とする、、最も印象的だったのはゲーテハウスで、あのかの有名なゲーテが暮らしていたという家が復元されていて、そこに展示されている調度品や絵画等のコレクションは当時のまま・本物とのことだったがこれは見ごたえがあった、、流石に観光客も多くそこでは日本人らしき若い人を何人か見かけた、、その後まだ時間はたっぷりあったので、せっかく一日乗り放題のticketを持っていたから路線図を見ながら電車に乗って郊外まで出かけたりした、、地下鉄も何回か乗ったから十分元は取っていると思う、、それにしても不思議なのが前回書いたこと、つまりその後ずっとヨーロッパを回って大きな街ではほとんど一日券を購入して電車・地下鉄・バス・トラム乗り放題の恩恵にあずかったが、改札なるものが一箇所もなかったことである(検札が厳しかったところはある)、、それを最初に体験することになったここフランクフルトでわたしは考え込んだ、、これはどういうことか‥?、もしかしたら大変合理的なことかもしれない、、また大変頭のいいやり方かもしれない、、しかしそれを実施するためには条件があろう、、まず市民のモラルが問われる、、そして行政組織はその市民を信じてなければ実行ができない、、つまり不正乗車をしようと思えばできるのだから、その二つの前提がなければ経営(運営)は成り立たなくなるはずである、、もし可能なら人件費は要らなくなり日本などにある自動改札なる設備・施設は一切必要なくなる(実際そんなものはどこにもなかった、、あったのは自動券売機だけである)、、実際(実体)はわからないのだけれど、それらが破綻なく成立しているとして、やはり根底にヨーロッパの市民意識・倫理感(モラル)の高さを物語っているのであろうか?ある程度の弱者救済をも視野に入れてのことなのだろうか?もしそうだとすれば、やはりヨーロッパ恐ろし、世界の最先端を-人間のあり方・世界のあり方を-リードしていっているのか?そんなことまで考えさせられた次第、、でもこれまで何百万人もの日本人がヨーロッパを訪れ、その中には視察の議員さんや研修のお偉いさん方も数多くいたと思うが、そんな話は一度も聞いたことがなかった、、それはわたしが知らなかっただけのことかもしれないが、わたしにとっては充分なカルチャーショックに値した、、フランクフルト中央駅Frankfurt Hauptbahnhofから帰りしな、ちょっとレストランでの食事は躊躇したのでコンビニで缶ビール(0.5L、1.5ユーロ)を仕入れ、その隣の隣にあったトルコレストランでケバブの定食(4ユーロ)をテイクアウトしてホテルへ帰って一人で食事しながらそんなことを考えさせられたのだった‥、、

フランクフルト市内見物;3枚2010_1001_195642p1020471_640x4802010_1001_213336p1020485_640x4802010_1001_201737p1020478_640x480

昼食は市場で買ったサンドイッチとビール2010_1001019jpg_blog

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