独歩の独り世界・旅世界

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アメリカ・メキシコ・キューバの旅 7) メキシコシティ

 旅の最も重要なポイントの一つは誰しも想像がつくとおり、宿である、どこへ泊まるか?われわれ貧乏旅行者は、できるだけ長く旅しようと思っているから必然的に安宿を捜すことになる、そのために旅の途中で出会う同じような旅行者との情報交換はとりわけ重要である、それとこれもすでに有名になっている貧乏旅行者?向けのガイドブック(もちろん一般の旅行者にとっても価値の高いものであるが)、あとは旅の経験・慣れ・カン・臭覚といったものが当然求められる(旅の経験を重ねることによって自然と身についてくる)、もちろんそのための語学力はないよりあったほうがいいに決まっている、が言葉がしゃべれないということが旅の不適格者ということにはならない、言葉も必然的に&自然に覚えてくるものだから、むしろ語学修得のひとつの方法といってもいいくらい、ま、それらすべてが旅の面白さといっていいかもしれない‥

 さて、バカでかい町メキシコシティの北部方面バスターミナル(これがまたバカでかい)に着いたわたしは、とりあえず情報誌にあった日本人旅行者がよく泊まるという安宿へ行ってみることにした、30年前のメキシコシティはオリンピックのあとですでに地下鉄が開通しており、とてもわかりやすく便利でよく利用した記憶があって、今回も一回乗換えで難なくシティの中心部まで出る、アラメダ公園の近くイダルゴ(Hidalgo)駅下車、地上に出ると中心部だけであってすごい雑踏、もうそれだけでわくわくしてくる、地図を頼りに目的の宿はすぐに見つかった、幸い空きがありとりあえず寝床は確保された、あとはビール(セルベサcerveza)と食い物、ここの宿は予約しておけば食事の用意をしてくれるのだが、その日の到着では無理な話、かといって下手なところに入って高い値段を払う度胸も余裕もなかったので、その夜は街を歩きながら適当なテイクアウト(トルータス)とビールを買って宿に帰って食べそして早めに寝る

 夜半何度かトイレに起きたが下っているわけではなかった、5時半起床、やはりここは日本人のたまり場だったようだ、長期滞在者や各方面に行ってきた者これから向かう者、みんな旅のベテランたち、ひと癖もふた癖もありそうなわたしもそうであったが決して若者ばかりではない、そんな連中とはすぐに打ち解けない、がとりあえず下手に出ていろいろ情報を聞き出す、ここで出会ったミュージシャンにキューバの情報を聞いた、他にダンサーの方、神父さん夫妻、一人旅の女性等々‥ここのオーナーはまだ若く従ってちょっと横柄な感じがあった、どうしてもわれわれは泊めてもらうという意識が働いてしまい、逆にオーナーは泊めてあげるという関係となる、ま安宿の一般的な構図である、しかし背に腹は変えられないし、情報の取得という利点は大きい、さてその日は地図と情報誌を頼りに一日街を歩き回って(バスと地下鉄と徒歩で)両替・バスの情報(オアハカoaxacaへのバス便)ひとつの目的であった本探し、等で疲れるも楽しく一日が過ぎる、両替はBitalとTamibeで若干違いがあったし、オアハカへのバスは明後日(23日)の午後便のティケットしか手に入らなかった、本は古本屋街で英・スペイン語の辞書、オクタビオパスの本、サパタの本を手に入れた、そしてディエゴ・リヴィエラの美術館にも寄ってみた、夜は久しぶりに宿で日本食を食べることができた、30年前に来たとき市内の主な見所は行ってたし、必見の国立人類学博物館もティオティワカンもグゥアナファトと並ぶ美しい街タスコへも行っていたので一日あいた明日はメキシコシティから西に70kmトルーカ(Toluca)へ行ってみることにした