独歩の独り世界・旅世界

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奄美旅 三日目 <くろうさぎレンタカー>  

 いや、なんか他の方からも☆マークいただきました。ありがとう !

うれしいです、励みになります。あと2日分頑張ります、ってもともと面白くない男(爺さん)なので、面白くしようがないのだけど‥??

 

 さてこの日の朝は相客も急いでなかったようで朝食は少しゆっくりめに7時半にしてもらった。それでも年寄りは朝が早く、だいたいいつも通り6時には起きて、家では絶対にしないんだけど、ま、浜辺が近かったので散歩に出かけたりして朝から気分は上々だった(空も晴れ上がっていたのだ)。この日の予定はタイトルにした<くろうさぎレンタカー>さんの車で名瀬方面に向かい、名瀬に一泊(車も)、次の日同じ車で空港まで、そこで返却清算というように考えていた。つまりくろうさぎレンタカーさんの車を二日間借りたことになるのだけれど、実は(結果として)ここのサービスが半端でなかったので本日のタイトルに使わせてもらったのである(因みにアマミのクロウサギは、国の特別天然記念物に指定されているとのことで、離島に取り残された故に珍しい形態を残しているらしいが、近年減少傾向にあり絶滅危惧種だそうである。空港にもその実情を訴えるパネル掲示があったが、他でもその話をたびたび聞いた。つまり夜行性のため夜行動するらしいのだが何しろ真っ黒だから、ドライバーに見分けられにくくて交通事故死が多発しているとのことであった)。で、それとは関係なくこのくろうさぎレンタカーさんの何が凄かったかというと、まずわたしは自宅からtelして予約したのだけれど、一応10/6の朝9時から10/7の昼の12時まで借りたい(24h+3h)、10/6は島の南端の古仁屋で借り、10/7 12時に空港返しするつもりだと申し込んだ。それはネットで調べたとき、古仁屋で借りて空港乗り捨てが可能ということ、また古仁屋の出発地(わたしの場合は宿泊先)まで車を持ってきてくれるという、信じられないようなサービスをうたっていたからであった(さすがに何十社かあったうち、そこまでやるとうたっているところはなかったのだ)。実際にわたしが予約したレンタカーを、なんと朝8時には一人のおっさんが宿まで持ってきてくれたのだった。そのおじさんが言うには、その朝早く空港オフィスから二人でトラックに2台の車を積んでやってきて今着いたところだ、とのこと。一人はトラックで待っているが、これからもう一台も届けに行かなければならないから少し早くなってしまったといっていた。そして書類も何もなく(加計呂麻と同じ、なのでこの時も出発メーターを記録し忘れてしまった)、わたしの免許証も確認せずに、支払いはどうすればいいかと聞いても車返却時にお願いしますといって、鍵だけ渡していってしまったのである。なんとまぁ、 凄いことだなぁ ! と感心したのであった。

 

 ということで、食事が終わったころには車は届いていたのである。それならばと女性二人連れに続いて我々もチェックアウトすることにした。例のプレミアム券で支払ったが、ま、のん兵衛二人だから酒代(4000円くらい?)プラスしても、3万円で買ったプレミアム券は4枚(一枚500円相当券)ほど残ったのであった。それほどプレミアム券は価値があったのであった(つまり酒代がプレミアム券で賄われたということだった)。8時半に宿主ご夫妻に礼と別れを告げ、前日はhondaだったが、この日はスバルの軽で嘉鉄の浜をあとにする。もう何度も通った道で、5分ほど走ったところにあった(一度は寄ってみたかったが寄るに寄れなかった)展望台によって、宿のあった可撤の浜、そして対岸の加計呂麻島(前日の戦跡公園方面ほか)、こちら側の古仁屋方面の写真を撮って再び出発、まず向かった先は、ご主人に勧められていたが前日に行けなかった、黒糖焼酎をお土産に買っていくならここ、と勧められていた<奄美物産>さんだった。

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展望台から宿のあった嘉鉄の浜を振り返る。あとは↓加計呂麻加計呂麻方面を撮っていてどこを狙ったのかよく覚えてない。

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 朝の8時からあいているというフェリー乗り場からも5分の近さにあった奄美物産さん9時着、ありとあらゆる名産品のそろうこの店で、早速ご主人おすすめの(もちろんわたしも一番多く飲ませていただいた)黒糖焼酎<里の曙>の紙パック4本と黒糖の菓子類等々を、機内持ち込み等は面倒になるので郵送することにして、土産の件にけりを付けた。もちろん残ったプレミアム券はここですべて消化、あと5000円買っておけばよかったと少々後悔した。それにしてもわたしの住んでいるところでは目にすることのなかった黒糖焼酎<里の曙>はこの店では、地元の人から観光客らしき人にまで、どんどん買われていくのをその時目にしたのだった。

 さて、土産問題を解決させ古仁屋をあとにし、改めて名瀬に向かって国道58号線を登り始めたのだが、最初のトンネル(地蔵トンネル)の手前で右のわき道に入った。おそらくこのトンネルができる前までの峠道だったと思われる、それでも完全2車線の舗装路は、上へ上へと登っていく、行き交う車は全くなし、途中から左に折れていましばらく登るときちんと整備された駐車場があった。そこには先客の車一台とライダーの若者たちが数人、すでに展望台に登った後か、これから登るところだったのか、いずれにしろ昨日からどこも観光客と鉢合わせることがなかっただけに、流石にそこは名の知れた場所であることを示していた。わたしももし古仁屋で時間があったらここだけは来てみたいとガイドブックを見ていた時に思った唯一の場所、それがここ高知山展望台というところであった。が、この駐車場からは展望はきかなかった、さらに5分ほどハブに注意の看板が出ているところから階段状の道を少しばかり登らねばならず、上まで行ってさらにコンクリートの塔の螺旋階段を登ると初めて下の写真にあるような眺めを満喫することができるのであった(ま、わたしは昔からおのぼりさんだから、どこに行ってもすぐに高いところに登りたがるのたが、一度見たらどうでもよくなってしまう、つまりどこもそれほどたいしたところではない、ということもいえるかもしれない?)。

 

 しかしこの写真から古仁屋と加計呂麻島の距離感はつかめる ↓

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対岸の加計呂麻島の西部方面を撮っている

 高知山展望台をあとにし旧道?をくだって阿木名というところで58号線に合流した。あとは一本道、しかも交通量はほんとに少ない、油断は禁物であるが快適なドライブとなった。途中トイレ休憩を一回とったが、11時ころには名瀬の市街に入っていたと思うから、高知山の展望台からは約1時間くらいだったようである。我々はまず奄美市立博物館というところに行ってみるつもりだった。そこにも島尾敏雄の遺品があるのではないかと思って・・、ところが58号線が繁華街に入る手前辺りで、突然<島尾敏雄文学碑>右、という案内板が目に入ったのだ。予想してないことだったので、すぐには止まれず通り過ぎてしまい、しばらく走って戻れそうなところでUターンして、その場に行くことはできた。そこは彼が県立図書館奄美分館の館長だった時の官舎だったところとのことで、そこにも文学碑が建てられていた。道路わきに当時のまま佇むその住まいと文学碑の写真を撮って、そこを後にし、今度こそ市立博物館に行ってみたが、そこでもまさかの逆転劇を見ることになる。要は情報源が確かでなく、ちゃんと確認もしてなかったわたしが悪いのだが、ほとんど来場者のない市立博物館の受付氏は、ここには島尾関連の展示はありませんといって、島尾敏雄に関しては県立図書館にそういうコーナーがありますから行ってみてくださいと親切にその場所を教えてくれたのだった。その時聞いた県立図書館の場所は、車で15分くらい戻ることになったが、なんとそこはその前に訪れた文学碑のあった旧官舎跡からだと歩いて5分くらいのところだったのだ。しかしさすがに県立図書館1Fの展示コーナーは立派で、貴重な資料が豊富にそろっていて見応え十分、それを無料で公開していたのだから感動ものであった。しばらく写真を撮ったり(許可はとらなかった、特に撮影禁止とは出てなかったと思う)資料を眺めたりで十分達成感があり(奄美まで)来た甲斐あったと充実した気分で図書館を後にした。だいぶ昼を過ぎてしまっていたので、せっかくだからと奄美名物鶏飯食べさせてくれる店を探す。一ヶ所はあいにく定休日、次に行ったところは車も停められたので、鶏飯丼と鶏飯ラーメンをひとつづつ頼んでそれぞれ半分づつ食べてみたがわたしの好みは鶏飯ラーメンの方だった。

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上↑ 島尾敏雄旧居跡 4枚

下↓ 県立図書館1F島尾敏雄コーナー 5枚

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 ミホさんの写真が来館者を見つめている


 よって午後はほとんど予定が達成されて、持っていたガイドブックやもらったパンフレットから、どこか面白そうなところを探すことになった。その日の宿は市立奄美博物館の隣りだったから場所はわかっていた。その近くで見つけたのが、大浜海浜公園というところと奄美観光ハブセンターというところだった。先に大浜公園というところを目指したが、ナビがついていたわけでなく、地図も詳しく見てなかったりのうろ覚えでウロウロしたが結局たどり着けなかった。一度戻るとハブセンターの方はすぐに見つかったので、興味半分で寄ってみた。ま、お土産屋さんを兼ねているようなところで目玉のハブとマングースのショーというのはビデオで見せるだけ、それで500円はないだろうと思い、店内を覗くだけにした。お客さんはゼロで愛想のいい店員さんが、熱心に奄美の蛇のこと(ハブのほか何種類も)や諸々を詳しく説明してくれるのだった。いやその知識はさすがに広く深くて感心させられた。何も買わなかったが失礼ながらいい暇つぶしになった。その時聞いた話の一つが、くろうさぎの交通事故多発の話だったのだ。蛇愛があるのかどうかはわからなかったが、奄美愛は十分に感じとれたのであった。チェックイン可能時間になっていたので、そこからその日の宿にチェックインした。

 

 ネットで見つけたこのホテルは名瀬港近くにあって(前に記したとおり市立奄美博物館の隣)ま、ビジネスホテルのような格安ホテルだったのでその日はそこに決めていた。何しろ内容はともかく朝夕付きで6000円/一人だったのだから、わたしのような昔からの貧乏旅行者にはぴったりの宿だった。当然不満はあったであろうが、今回はすべてわたしが持ったのだから愚奥は特に何も言わずに従ってくれたのが有難かった(そういえばずっと前に我々は一緒に旅に出ると必ずけんかして帰りはバラバラに帰るという記事を書いたことがあったが、今回は不思議にそういうことにはならなかった)。チェックイン時にフロントで大浜海浜公園の行き方を聞いてみたのだけれど、案外簡単そうだったので、チェックインしてしばらく休んでから出かけてみた。そこから車で15分くらい、まっすぐ西に向かうと公園入口のはっきりした交通標識が出ていた(さっき来た時は2/3辺りのところで折り返してしまっていたのだ)。15時を過ぎていたがまだ日は高かった。というのもそこは西に開けた海で、恐らく3時間後くらいの夕陽は絵になりそうなところだったからだ。ここは相当金をかけて整備された一帯であることはすぐに分かった。それほど駐車場はじめ施設が整っていて、一大レジャーセンターの趣があった。が、ま、その日は10月の平日で人出はまばらというかポツリポツリ、海の美しさからしたらちょっともったいないほどであったが、ともかく奄美というところはどこに行ってもこれでもかこれでもかと海の美しさを感じさせられるところという想いを新たにさせられたのだった。愚奥はそこの奄美海洋展示館というところに入って時間をつぶし、わたしはほんとに人のいない白い砂浜に写真を撮りながら足跡を残していた。ホテルに戻る途中で酒屋に寄って缶ビールを仕入れ、風呂に入ってビールを飲みながら夕食時間を待つ・・

 

大浜海浜公園 ↓ 5枚 

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 どうしようか悩んで結局失敗を犯してしまった。値段が値段だから、食事の内容はたいしたことないのはわかっていた。それは良しとしたのだが問題は飲み物であった。のん兵衛(もうすでに記しているように我々二人とも)は意地が汚いのである。そのときのん兵衛を悩ます広告を見つけてしまったのである。<飲み放題1600円税別/一人>、要はどっちが得か、時間にして2時間半(夕食時間が18時~21時で飲み物のラストオーダーが20時とのことであった)で元が取れるか、わたしの計算では単品づつオーダーしたとしてビールジョッキ4杯飲めるなら飲み放題の勝ち、飲めなければ負けだったが果たしてそんなに飲めるかどうか?こういう場合どちらか一人だけというのは無理なので愚奥に、ビール4杯飲めそうかと聞いてみた。いとも簡単に飲めるでしょ、と言ってのけた。で、飲み放題を頼んでしまったのだ、で、もちろん結果としてはぎりぎり勝利は得た。が、確かに料理もたいしたことはなかったのだが、その酒はあまりおいしく飲めたとはいい難かった。なんか無理やり元を取るために飲んだという格好になって、明らかに飲み方としては邪道だったのだ。結局これがこの旅での唯一の敗北感として残ったのだつた。身からでた錆び、意地の汚さのつけであったようだった・・