最後の3日間は、簡単に記させていただきます。8月31日は、9時半出発、回った順序は(わたしは順番のこだわりはないので)まず17番井戸寺、そこから5番地蔵寺、4番大日寺、別格1番大山寺、ここは初めてだったし道もわかりにくかったし、かなり細い山道で、こんなところ歩きでは絶対来られないと思わされたところだった。いや、実際別格で楽なところは皆無に近い(歩きだったらここだけで丸一日かかると思っていた方がいいかもしれない)?ここの到着がちょうど12時ころ、基本的にというか結果的にというか、お遍路期間中初日を除いて昼食はとらなかった。このあと6番安楽寺、7番十楽寺、8番熊谷寺、10番切幡寺、ここも車でかなり登れるが、それでも途中からかなり長い石段を登っていかなければならない。初めての時88番大窪寺から歩いてきて、この登りの辛かったことを思い出していた。9番法輪寺に戻り、時間がなければ省くつもりだった11番藤井寺は15時半ころだった。なのでこれも懸案だった別格2番童学寺も打つことができた。この日は童学寺をもって終了とし(16時半ころ)帰りに国道192号線沿いのスーパーに寄れたので、大量の買い物(夕食、次の朝の朝食、酒類、飲み物類)をすることができた。こんなところは全くレンタカーの利点だが、やはりお遍路としては味気なかったり物足りなかったりするものがある。いや、もうないものねだりはできないのだが・・18時に車返却(レンタカー料金12時間2500円、カーナビ500円、8月は繁忙期とかで+500円の3500円であった。
別格1番大山寺;4枚 ここは車でないと無理
山門をくぐってからのこの登りも半端でなかった
登った先に仁王門?
9月1日は開店時間の8時には出向いて、前日と同じ車だったのですぐに出発、この日の重点地域は、バスでも難しそうな別格3番慈眼寺方面だった。まず向かったのは18番恩山寺、そこを打って19番立江寺はすでに打っていたので飛ばして、勝浦町の番外霊場星の岩屋、いやここへの山道は今回車で走った中では最も危険でスリルに満ちた山道、その山奥に神秘的なお堂と岩屋があった。その先にある佛陀石へは、さらに危険な山道のようだったので諦めた。その細い山際(崖っぷち?)すれすれを通る山道をゆっくり下って、さらに向かったのは別格3番の慈眼寺。こちらも山の中腹にあったが、こちらはしっかりした舗装道だったし案内板も多く、危険ヶ所は皆無(他の車も皆無)普通に運転して着いた。そしていつものように参拝を終え(もちろん参拝者も皆無)納経の時に、今来た道をさらに登っていくと峠を越えて神山町に抜けられるという看板が出ていたので聞いてみると、間違いないとのこと、この情報は貴重だった。それは事前に調べていたのだけれど、その確証は得られなかったからで、もしそれが可能なら徳島県の最初の難所(遍路ころがしといわれている)12番焼山寺に行ける可能性が出てきたということだった。その日の予定としてはそのあと20番鶴林寺、21番太龍寺、22番平等寺を打てれば御の字、それ以上は難しいだろうと思っていた。が、もし神山町に抜けられるのなら、12番焼山寺、13番大日寺、14番常楽寺、15番国分寺、16番観音寺まで行ける可能性が出てきたということだった。あとから思えば難易度の比較ではどちらもそれほど変わらなかったと思うが、せっかく車があるならとその時は12番~16番を選んでしまった。そして一周目の時は一日かけて歩いて登り降りした12番焼山寺へ、実際車で行けたのであった(あの広大な焼山寺駐車場に一台も車が停まっていなかったことに驚きもした)。もちろんそのあと16番まで打てたので、今回のお遍路はそこで打ち止めとなったのであった。最後の観音寺終了は16時ころで、時間的に余裕があった。帰り道にホテルの部屋から目の前に見えていた徳島駅前の眉山公園(このページの最初の写真)に寄ってみることを思いついた。車があったからこそ寄れた展望台からは、想像以上の雄大なパノラマが眺められ、しばし佇むばかりであった。しかしコロナ禍の影響で、いつもの年ならおそらく観光客や地元の人たちで賑わっていたであろう展望台にもロープウエーにも、展望を楽しむ人の姿なく、何とも寂しさを覚えるのであった。そこから駅近のレンタカー会社まではすぐで、17時にはレンタカーを返却。その日は9月になっていたので繁忙期料金はなく昨日より500円安い3000円、そしてガソリン代は二日間で210km走って2500円(だから二日間のトータルは9000円)は、ま、炎天下のお遍路となって予定変更せざるを得なくなり当初の一日は借りるつもりだったのが二日になってしまって、多少予算オーバーとなったが、ま、それはそれなりに効用があったことは確かで、逆にレンタカーを使わなければ次回持ち越しは3ヶ所で済んでなかったように思う。ということで今回タイトルを'失敗に帰す'としたが、ま、それでも満足感というか、上出来感はあった、といったところであった。
最終日のことを簡単に書いておくと、徳島から帰る場合いつも悩むのだが、成田~徳島間はLCCが飛んでいないのである。今までは夜行バスか、高松まで出てそこから飛んでいた。で、今回初めて関空利用を思いついた。ところが今度は徳島~関空間の足はどれが最も安くて早いのかで悩むことになった時、徳島~和歌山間にフェリーが就航していることを遅ればせながら知ったのである。船好きのわたしは、フェリーがあるのなら多少高くとも多少時間がかかっても是非それに乗ってみたくなったのだ。で、調べてみると帰りのフライトにちょうどいいのは徳島港発朝の8:00の船で、その船に乗るためには徳島駅発7:15のバスに乗ればいいことがわかった。楽勝であった。翌日6時半にホテルをチェックアウトしたら、その前のバス6:55発に乗れてしまい、埠頭でコーヒーを飲みながらフェリーの接岸を待った。7時半に着いたフェリーは、30分で折り返すのである。徒歩の乗客、バイク、車の乗客合わせても30人くらいであったか、がらすきであった。そして初めて乗る紀伊水道横断の船旅は全く快適そのものであった。これで2200円は安いくらい、いや、知らなかったので驚かされたのは、なんとこの南海フェリーは南海電車とタイアップしてて(同族会社か?)関西国際空港までの運賃も含まれているということだった(その時知った情報では、同じ切符は高野山行きも選択できるとのことだった)。しかもフェリーとその南海電車は、港と南海電車和歌山港駅が直結していて、時間もうまく接続できるようになっていたのだ。知らなかったから余計うれしくなったというか、喜ばせてくれた南海電車、あるいは関西の商売上手に拍手を送りたい。次回、残された3ヶ所を巡ってから、もう一度このフェリーに乗って高野山に向かうプランが即出来上がってしまったのだ。たぶんそれは本年11月には実現できるのではないかと思っている・・、、
参考までに(参考になるかどうかわからないが)今回の支出明細を以下に載せておきます。いつものように項目は五つです(5泊6日) ①交通費(飛行機代も含む);34000円②宿泊;18000円 ③飲食費;7000円 ④納経;6900円 ⑤その他(賽銭とか駐車場、洗濯等々 4100円) 計72000円 少し予算オーバーでした・・
<炎天下のお遍路失敗に帰す> 了